シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

明治大学付属明治中学校

2021年01月掲載

明治大学付属明治中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.ニュースや時事問題は身近なものに置き換えて説明すると子供は吸収しやすい

インタビュー3/3

最近の社会という科目は「暗記もあるけれどそれだけではない」と感じます。暗記中心の時代を過ごしてきた保護者の方も多いと思うのですがいかがですか?

平田先生 暗記は必ずしも悪いということではなく、言葉を知っていることも当然大事だと思っています。あとから意味を考えていくということも重要なので、暗記した上で、そこから追及していく姿勢があるかどうかが大切であると考えています。やはり自分の中に知識を入れないと考えられないので、生徒には暗記することも大事だと伝えています。

インプットするだけの知識ではなくアウトプットするための知識として使うということです。インプットしないことにはアウトプットできないですから、それは社会の一員としてやっていくために必要なことだと思います。
意味がわからないならとりあえず暗記し、そこから考えを深めていくということも大切なことの一つです。

明治大学付属明治中学校 図書館

明治大学付属明治中学校 図書館

親子でニュースや時事問題について対話する時間を持とう

今回のキャッシュレス決済のように、親が子どもに社会的な知識を教えるとしたら、ただ新聞や本を読めというのではなく、何か実際に行動で示すほうがいいのでしょうか?

平田先生 日々の授業だけではインプットだけが中心になってしまう部分もあるので、家庭の中で対話をすることで日頃から考える習慣がつくと思います。

ニュースを見たときに、自分のこととして話してあげると「知らないことだけどニュースでは読んだなあ」など、身近なことに感じられると思います。たとえば、好きなスポーツ選手の話題や身近なことに置き換えると、子供たちはわりと柔軟なので、本に書いてある絵空事ではなく現実なんだ、ということが勝手にリンクされていくのではないでしょうか。

塾ではどうしても聞いた話なので自分事になってないんですよね。そこを家庭の中で日常と結びつけてあげるのですね。

平田先生 土台は最初に大人が作ってあげる必要があります。車や電車に一緒に乗って目に見えたものを話題にしたり、何かに結び付けたり世の中材料だらけです。広告を見るだけでも違います。

最後に入試を目指す方へメッセージをお願いいたします。

平田先生 自分が教えるというよりは、生徒とともに考えていく授業をこれからもやっていきたいです。教員も生徒も社会の一員なので、そういう意欲のある子どもたちに入ってきてもらって一緒に頑張りましょう!ということをぜひ伝えたいです。

明治大学付属明治中学校 掲示物

明治大学付属明治中学校 掲示物

インタビュー3/3

明治大学付属明治中学校
明治大学付属明治中学校1912年に旧制明治中学校として神田駿河台の明治大学構内で開校した。戦後は、1947年の新制明治中学校、1948年の新制明治高等学校の発足に伴い、推薦制度による大学までの一貫教育の方針が確立された。2008年に調布市へ移転し、共学化。
明治大学への内進率は約90%で、国公立大学進学希望者は、明治大学への推薦資格を保持したまま併願可能。私立大学も併願受験の対象となる場合があるが、学部・学科ごとに条件が異なるため、受験には予め明治大学からの許可が必要。7時間目に週1回ずつ英・数の補習講座を設定し、ていねいに基礎力を固めている。高大連携教育にも力を入れており、大学の先生による「高大連携講座」や、長期休みを利用した法曹入門講座などの「高大連携セミナー」、大学の単位として認定される「プレカレッジプログラム」など、付属校としての魅力ある講座も豊富。
1450名収容のホール、2つの体育館、蔵書約7万冊の図書館など、充実した施設がそろっている。英語科教員が1冊ずつ読んで独自のレベル分けをした英語の多読本が約7000冊あり、積極的に活用されている。「質実剛健」「独立自治」という建学精神のもと、紫紺祭(文化祭)、体育祭、東京六大学野球応援、球技大会などの行事や、中学でほぼ100%、高校で90%以上の生徒が加入するクラブ活動も盛んである。