シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

明治大学付属明治中学校

2021年01月掲載

明治大学付属明治中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.地理・歴史・公民はすべて一つに繋がっていると意識しておくこと

インタビュー2/3

試験全体を通して考えていることがあれば教えてください。

平田先生 実は地理・歴史・公民はすべて繋がっているんです。よって、現代の問題を解決するために歴史を勉強しなければいけないとか、地理的な視点で見ることも必要だよね、といった視点からも出題するようにしています。

この傾向は例年続けていて、順番としても地理が土台にあり、歴史をさかのぼり、それを活かして今の問題を考えるという流れで最後に公民を持ってきています。

そのため入試問題のコンセプトも、「過去から今を考える」「歴史をどう生かすか」といった視点で作成するようにしています。実はこれが現在の本校のカリキュラムのベースにもなっていて、中学校では、中一で地理、中二で歴史、中三で公民という流れで完結します。高校でも、高一で地理、高二で世界史・倫理、高三で日本史・政治経済という流れが組まれています。

本校の場合は地理が土台にあって、中学生から段階的に考えさせています。地理は選択でやらない学校もある中で、現在の本校の場合、高校の文系だと社会科の科目は全部必修です。理系の場合には日本史以外は全て必修で、地歴公民の繋がりを重視しています。

本校は大学付属校でもあるので、大学受験に向けた学習ではなく、大学で論文をまとめたり課題解決のための知識を培ったりするための土台作りといった観点から授業を進めるようにしています。

明治大学付属明治中学校 図書館

明治大学付属明治中学校 図書館

英語の授業は高校のほうが大学より大変?

近年では、明治大学の卒業生たちがリーダー的な存在になっていますね。

平田先生 お陰様で最近はそういわれます。
英語なんかは大学より高校のほうが大変だったという卒業生もいます。英語の多読や資格を必ず取らせるというのが進学要件に入ってきたことにより、生徒の意識も変わってきて自信が付いてきました。ハードルをしっかりクリアする風土になっていて、「先輩もやっているから自分も大丈夫」と自信を持ってやってくれていますし、解決能力ではありませんが、気概をもった生徒が増えてきているのを感じます。

高校に上がるためには英検準2級の一次合格まで、高校から大学への進学では英検2級とTOEIC450点クリアの2本が必須です。英検は授業の中で力を培ってもらい、ほぼ100%クリアしています。高2でも英検準1級を取った生徒は数名いますし、1級を取った生徒もいますのですごく頼もしいですよね。さらにもっと上を目指す生徒もいます。

TOEICはビジネス中心の内容なのでバックグランドを知らない高校生が学ぶのは大変なんですが、英語を聞く力で何とかカバーできるので、知識を与えたり興味を持つような話題や時事問題を与えたりしています。そこでは社会科ともリンクしています。社会は社会、英語は英語ではないということは知ってほしいところです。

本校では、他に調べ学習も中学からやりますので、絶えずアンテナを張っていろいろなものに目を向けて課題を追及するという学習は必要だと思います。

明治大学付属明治中学校 校舎内展示物

明治大学付属明治中学校 校舎内展示物

レポート指導はテーマの作成や文章の書き方からしっかりと

高校で社会を全てやるというお話を伺いましたが、社会の授業での特徴があれば教えて頂けますか?

平田先生 ただ知識を覚えるのではなく、考えて生かしていくことに重点を置く授業となります。ただ前提として、知識を持っておくことも大切なので、定期考査などでも両方をバランスよく出題することを意識しています。コンセプトとしては、6年間を通じて課題を発見したり、学んだことから解決策を考えたりするということになります。

たとえば「ここがテストに出るよ!」とかではなく、時事問題などを授業に取り入れたりテストに出したりして、「こんなところに使うんだよ」「知識として身に着けて使うんだよ」と伝えるようにしています。

また現在の高校2年生では、テストのために授業を行うだけではなく、日頃からレポート作成に取り組んでいます。具体的には、一冊本を読んでテーマ設定をし、関連する文献を探してきて、まとめて自分の考えを書く、といったことを1年間かけてやっています。付属校ならではというわけではありませんが、大学でも当然レポートは書きますので、テーマの作り方や書き方といった作法を中学・高校のうちにやっていこうと考えています。

明治大学付属明治中学校 初代校長 鵜澤総明先生像

明治大学付属明治中学校 初代校長 鵜澤総明先生像

インタビュー2/3

明治大学付属明治中学校
明治大学付属明治中学校1912年に旧制明治中学校として神田駿河台の明治大学構内で開校した。戦後は、1947年の新制明治中学校、1948年の新制明治高等学校の発足に伴い、推薦制度による大学までの一貫教育の方針が確立された。2008年に調布市へ移転。中学・高校の多感な時期に、男女が協力し合って生きていくことの意義を学ぶことが重要であるとの考えから、明治大学直系付属の共学校となった。
明治大学への内進率は約90%で、国公立大学進学希望者は、明治大学への推薦権を保持したまま併願可能。私立大学も併願受験の対象となる場合があるが、学部・学科ごとに条件が異なるため、受験には予め明治大学からの許可が必要。7時間目に週1回ずつ英・数の補習講座を設定し、ていねいに基礎力を固めている。「探究」にも力を入れており、高3の「小論文演習」をはじめとして、大学の先生による「高大連携講座」や、法曹入門講座などのサマー・スプリングセミナー、大学の単位として認定される「プレカレッジプログラム」など、付属校としての魅力ある講座も豊富。
1450名収容のホール、2つの体育館、蔵書約6万冊の図書館など、充実した施設がそろっている。英語科教員が1冊ずつ読んで独自のレベル分けをした英語の多読本が約5800冊あり、積極的に活用されている。「質実剛健」「独立自治」という建学精神のもと、紫紺祭(文化祭)、体育祭、東京六大学野球応援、球技大会などの行事や、中学でほぼ100%、高校で90%以上の生徒が加入するクラブ活動も盛んである。