出題校にインタビュー!
学習院女子中等科
2021年01月掲載
学習院女子中等科の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.自分の考えを伝える力は、算数や数学の世界を超えて役に立つ。
インタビュー3/3
問題文をよく読んで考え、答えを導いたプロセスを書こう
受験生に向けて、入試準備におけるアドバイスをお願いします。
堀江先生 3つあります。1つは、プロセスをしっかり書いていただきたいということです。配布している過去問の解答は、大人も読むので大人向けに書かれていますが、実際には小6である受験生に、そこまできっちりとした解答は求めていません。式でも筆算でも図でも、なんでもいいので、こう解いた、という痕跡を残していただきたいと思います。
野本先生 プロセスを書くには、普段からお友だちと解答を見合ったり、問題集の解答をきちんと読んだりして、こういうところが大事なんだなと理解することが大切だと思います。それは中学生、高校生になっても必要となることなので、自分だけで完結せずに、相手に伝えるということも意識してほしいと思います。保護者の方も、時々お嬢さんの解答を見ていただき、「これはどういうことなの?」と、聞いていただけると良いのではないかと思います。
堀江先生 2つめは、手を動かしていただく問題を数多く出していますので、作図などは練習をしていただきたいということです。そして、使い慣れた三角定規とコンパスをお持ちください。新品ではなくて…。
学習院女子中等科 課題掲示物
状況を図式化し、目で見える状態にするとわかりやすい
堀江先生 3つめは、問題文をよく読んでいただきたいということです。入試の採点をしていると、時折、問われていることと違うことを答えていたり、問題の意図とは異なる解釈をして解答している答案に当たることがあります。これは恐らくそれまでに類題をたくさん練習してきた受験生が、実際に問われていることとは異なるにもかかわらず、自分が練習してきた問題に沿って解答しているものと考えられます。
まずは問題文をよく読み、問題で問われていることをしっかりと把握していただきたいと思います。
確かに保護者の方からも、「文章が読めない」という相談が増えている印象ですね。「書けない」よりも、「読めない」子が増えているような気がします。
野本先生 数学の日本語は少し特殊ですよね。例えば「または」という言葉も、普段の使い方と全然違います。数学が苦手な子はそこからわからなくなってしまうので、生徒には「簡単でもいいので図式化し、どういう状況かを目に見えるようにする」ということを伝えるようにしています。この問題では何を聞かれているのか。例えば今、教えている曲線の微分では、曲線の接線を求める時になんとなくでいいから図を書いてみる。そうすると、接点が与えられていて、この傾きを出すのか。じゃあ微分係数でこれを代入して、ということが、かなりわかりやすくなると思います。
学習院女子中等科 図書室
数学ができる生徒のノートにも図が多く書かれている
野本先生 本校にはみずから問題集に取り組んで提出する生徒がいるのですが、できている生徒のノートにはそういう図がたくさんあって、こういうところを見ているのだな、ということがわかります。あまり結果が出ていない生徒のノートには、ただ数式が書いてあるだけ。これだと自分が実際に何をしているのか、わからないだろうな、と思います。最初にもお話しましたが、状況を把握して、それに対してどういう解決策を講じるか、というのは、何にでもつながる能力だと思います。状況を把握できないと何もできないので、一番大事なところだと思います。
堀江先生 中学受験をしている子は、○×算、あるいは面積図など、いくつかスキルを持っているので、そういうものを入学後も生かしていけるといいと思います。
入学後も自分の考えを相手に伝える力を重視
貴校では数学科だけでなく、学校全体で考えを伝えるということを大切にしていますよね。
堀江先生 そうですね。入試だけでなく入学後も、自分の考えを相手に伝える力を重視しています。国語はもちろん、理科、社会でも、自分の考えを相手に伝える力を問えるような問題を作っていると思います。
国語の記述問題はすごいですよね。
野本先生 解答用紙を見ると、1つの問いに対して2、3行、書く問題が数多くあります。国語の試験を受けた後、受験生の鉛筆を持っていた手は真っ黒です。
近年、記述問題を増やしている学校が多いですが、かなり前からそういう趣旨で問題を作っているのですか。
堀江先生 そうです。だから即日発表ができないのです。
野本先生 算数の解答用紙には必ず「考え方」という欄を設けています。定期テストでも考え方を書いてもらうことが多いです。
学習院女子中等科 校内
大人顔負けの「考える力」「伝える力」を発揮する生徒たち
自分の考えを伝える力を問う入試問題を突破してきた生徒さんは、やはり発言することに積極的ですか。
豊泉先生 中1の夏は全員の保護者と面談をします。その時に「数学が苦手なのですが…」というご相談を受けることがありますが、授業ではよく質問をしてくれます。授業の途中で「わからないところはありますか」と聞くと、「ありません」とか「ここをもう一度お願いします」とか。
反応があっていいですね。
堀江先生 数学が得意な子、頑張る子は、きっちりやっていると思います。定期試験の答案を見ても、相手によく説明できる力のある生徒は多いなという印象です。
それは教科だけでなく、学校生活にも生かされていると思いますか。
豊泉先生 他の活動にも結びついています。今は道徳も教科になりましたが、道徳で感想を書く、行事の感想を書くなど、いろいろな場面で文章を書いてもらう時に、しっかりした文章で自分の意見を相手に伝えることができている、という印象はありますね。よくここまで書けるな、というくらい、我々が感心するような文章を書く生徒が多いです。
堀江先生 本校の課外活動や委員会活動は生徒の自主性をもって行っています。委員の生徒が一般の生徒に言葉で伝える、あるいはプリントなどの手段を見ても、大人顔負けのものを作っています。スケジュール管理も、大人よりもできているように思います。
インタビュー3/3
1847(弘化4)年、京都で開講された公家の学習所がその起源。1885(明治18)年に華族女学校開校、創立140年を迎える。1906年学習院と合併し、学習院女学部となる。1918(大正7)年に学習院から女学部が分離して女子学習院となる。1947(昭和22)年、宮内省の所管を離れ、私学として現校名に。1999(平成11)年から高校募集停止。