シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

森村学園中等部

2020年09月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

森村学園中等部の数学科が求めているチカラとは?

森村学園中等部/先生
1問題の状況を正確に把握するチカラ

この問題はお金の出入りがあります。問題を解くにあたり、状況を正確に把握しなければなりません。手元に持っていない商品を借りて売る「空売り」の仕組み、商品の値段が毎日変わる状況を正確にとらえるには、読解力や情報の処理能力が必要です。

2段階を踏んで論理的に考えるチカラ

状況を把握した上で、「こう考えるから、この計算をする」というように、段階を追って論理的に考える力も測りました。ひと言付け加えながら考え方を説明できる受験生は少なく、計算式だけが並ぶ解答がほとんどでした。それでも受験生の意図を読み取って、問題を解く過程をできるだけ評価するようにしました。

3計算結果を文章で表現するチカラ

(問3)は答えを文章で説明します。印象的だったのが、「25円以上」という誤答です。段階を踏んで計算すると最後に「25」という値が出ます。損をしない条件は「25円以下」ですが、「25円以上」にして減点された答案が結構見られました。何のためにこの計算をしているのか、計算で出てきた値が何を意味するのかをわかっていれば、こうした間違いは避けられると思います。