シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

佼成学園中学校

2020年06月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

佼成学園中学校の国語科が求めているチカラとは?

佼成学園中学校/先生
1「逆説」の構造をとらえるチカラ

この問題では、世の中にある「逆説(パラドックス)」の構造を自分の言葉で説明できるかどうかを試しています。本文の意図を読み取って、「一見矛盾しているように思えることも、ある側面からみると1つの真理をなしていること」を見いだします。1つの物事を別の角度から見ることができるかどうかは、社会で必要とされる思考力・判断力に通じます。

2世の中に興味・関心を持つチカラ

文中の例(ダイナマイト)を参考に、ねらいとは逆の結果を及ぼしてしまっている例を挙げます。
子ども達はダイナマイトを実際に見たことも、使ったこともありません。例は、子ども自身の経験というより、ニュースや読書など、見聞きしたことの中からふさわしいものを取り上げます。世の中をどのように見ているか、社会のことに興味・関心を持っているかどうかが問われます。

3根拠を示して自分の言葉で説明するチカラ

文章記述問題は、具体的かどうか、根拠が明確かどうかを見極めます。この問題の場合は、「ねらい」と「結果」を押さえているかどうかを見ます。
挙げた例は同じでも、きちんと根拠を示して説得力のある文章が書けるかどうかについては差がありました。「~だが、~になった」というように、ねらいを逆接にして、結果とその理由を説明します。結果だけの解答が多かったのは、「ねらいは自明だから」と省いてしまったものと思われます。