出題校にインタビュー!
東京女学館中学校
2020年04月掲載
東京女学館中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.初見の問題は設問の流れに乗ろう
インタビュー2/3
次の問題がヒントに。設問の流れに注目しよう
阿部先生 この問題の次の問題は、日常生活にあることのうち、「テニス用の車いすが一般用よりも小さな力で回転させられる」という力の原理とは違うものを選ぶ問題です。車いすの車輪の跡の大小を意識すると解きやすい問題だと思います。
「硬くて開かないビンのふたにタオルを巻き、太くしてから回す」というシーンは、目にしたことがあるのではないでしょうか。ここで同じ力でも小さな輪より大きな輪の方が回しやすいことに気づけば、この問題に立ち返ることができます。
入試問題は設問の流れ(ストーリー)を意識して作っています。その問題でわからなくても、前後の問題との関係性に注目すると、問題が解きやすくなると思います。
力学の原理・原則と、「回しやすさ」という日常的な動作を結びつけることができると、理科がおもしろくなってくると思います。原理・原則に当てはまる身近な事柄を選ぶ問題がありますが、パターンとして丸暗記するのではなく、原理・原則と結びつけて考えてもらいたいと思い、締めくくりとして出題しました。
東京女学館中学校 コンピューター室
最初の小問集合で問題を解く弾みをつける
貴校の入試問題は2019年度から大問4題のうち大問1が小問集合になりました。
阿部先生 問題の構成は、各分野の大問の出題(4題)を経て、思考力を見ようと2018年度までは4分野から3題出題していました。ところが深く問ううちに“受験生泣かせ”になっていたのです。
問題の後半に思考力を問う問題を出すにしても、まず小問集合で弾みをつけて「理科もできるぞ」と思って解き進めるようにしよう、最後に「理科もできた!」と上を向いて帰れるようにしたいと思い、このような構成にしました。2年目ですが試行錯誤しているところです。
本校の受験生は、生物や地学に比べ、化学や物理で点数が取りにくい傾向にあります。ただ、計算問題は7割近く得点できおり、基本的なことはしっかりできていると感じます。
小関先生 受験生の答案を見ると、基礎知識はきちんと押さえていると感じます。合格者はなおさらです。
理科科/小関 正裕先生
設問の流れに乗れば初めての問題も対応できる
阿部先生 入試問題は、基礎・基本が身についているかどうかを測る問題と、その場で考える初見の問題とのバランスよく出題するように心がけています。大問2~4でも基礎的な問題を出題しますが、そこで終わりではなく、思考力を試す問題につなげるようにしています。
初めて見る問題は、設問の流れを追って設問の意図を読み取ることができれば、解答の糸口をつかめるようにしています。提示した実験結果からどんなことが読み取れるか、条件を変えると結果はどうなるか、設問の流れに乗って考えましょう。
東京女学館中学校 体育館
インタビュー2/3