シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

大妻中学校

2019年11月掲載

大妻中学校【社会】

2019年 大妻中学校入試問題より

(問)電力会社の発表資料によると、北陸地方の家庭用電気料金(家庭で使う電気につけられた値段)は、他の地方より安くなっていますが、富山市の1世帯あたりの電気代は日本全体でも高めになっています(電力自由化などに伴う料金の値引きサービスは考えないこととします)。この理由として考えられることを、資料1・2をもとに説明しなさい。

資料1 平成27年~29年の年間光熱費平均額
電気 都市ガス プロパンガス 灯油
全国 125,883円 全国 38,781円 全国 22,346円 全国 13,854円
富山市 151,426円 富山市 30,038円 富山市 17,326円 富山市 25,119円
資料2 1専用住宅あたり延べ面積・1世帯あたり人員
1専用住宅あたり延べ面積 1世帯あたり人員
全国 94.42m2 富山市 126.77m2 全国 2.33人 富山市 2.66人

(総務省統計局による)

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この大妻中学校の社会の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)

解答と解説

日能研による解答と解説

解答例

電気代と灯油代が全国平均より高いことから、富山は冬の寒さがきびしいと考えられる。また、富山は全国平均より住宅が広く、家族の人数も多い。したがって、富山では冬の暖房費がかさむため、電気代が高くなっていると考えられる。

解説

資料1から、富山市は全国平均と比べて電気代・灯油代が高いことが読み取れます。また、資料2から全国平均と比べて住宅あたりの延べ面積と、1世帯あたりの人員が多いことが読み取れます。それぞれの資料から読み取れたことと、富山は雪深く寒さがきびしいことを結びつければ、電気代が高くなっている理由を考えることができます。

日能研がこの問題を選んだ理由

都道府県の気候やくらし、資料の読み取りについて問われる入試問題は、毎年数多くの学校で見られます。今回の大妻中の入試問題は、富山市の1世帯あたりの電気代が高くなっている理由を、2つの資料を使って説明する問題でした。

この問題では、資料から読み取った情報と学んできたことを結びつけて考えたり、それぞれの資料から読み取れる情報を組み合わせたりしながら、筋道立てて考える力が求められています。また、資料を読み取っていく中で、その地域の人々のくらしが想像できる問題となっており、資料を読むことの楽しさを感じられるようにもなっています。

このような理由から日能研では、この問題を□○シリーズに選ぶことにいたしました。