シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

大妻多摩中学校

2019年09月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

大妻多摩中学校の社会科が求めているチカラとは?

大妻多摩中学校/先生
1与えられた情報を読み解くチカラ

「読解力」は国語の学習だけで身につくものではありません。社会科でも「読解力」を意識して学習しましょう。社会の教科書には文章だけでなく、写真や地図、表やグラフなどが出てきます。そこにも目を向けて、しっかりと読み解いた上で、知識として定着させることが重要です。農産物1つとっても、その地域で盛んに作られている理由があります。熊本はトマト、と覚えるのではなく、なぜトマトなのか、というところまで読み解くことができると、本物の知識が身につくと思います。

2相手を説得するチカラ

自分の意見を受け入れてもらうには、相手(聞き手)に「なるほど」と思わせる理由が必要です。入試問題でも「あなたはどのように考えますか」と聞く問題を出していますが、感覚的に「私はこちらの立場だな」と思うだけでなく、判断の根拠を示せるように問題を掘り下げて考えることを大切にしましょう。入学後の学習でも、説得力のある根拠を示すことを求めていきます。それが社会に出てからも役立つ力だからです。

3自分の考えを表現するチカラ

記述問題では、与えられた情報を読み解いた上で、考えを構築し、論理的にまとめて表現する力を問いたいと考えています。知識だけで解答できる問題よりも、複数の情報から想像力を働かせてその状況をイメージし、その中に自分自身がいる状態で考えてもらえるような問題を作成したいと考えています。その際には、地理、歴史、公民という枠を超え、生活者という立場で柔軟に考えることが大切になると思います。普段の生活の中でも、社会で起きている問題に目を向けて、当事者意識を持って問題点を考え、それを自分の言葉で話したり、書いたりしてみましょう。