出題校にインタビュー!
大宮開成中学校
2019年03月掲載
大宮開成中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.覚えた知識は活用しないともったいない
インタビュー2/3
基礎知識の定着度とともに知識の活用力も試す
社会科の入試問題ではどんな力を試していますか。
片田先生 まずは基本的な知識を押さえているかどうか。難問・奇問はありません。当たり前のことを、当たり前に答えられることが大前提です。
さらに、その知識がしっかり理解できているかどうかを大問中の文章記述問題で確認します。入試では、知識を自分のものにできているか、それを使いこなせるかどうかを見たいと思っています。
その点、受験生の答案を見てどのように思われていますか。
片田先生 歴史分野に関しては、基礎知識は概ね押さえることができています。しかしながら文章記述はあまりできていません。知識が消化しきれていないと言えます。
出来事の因果関係が苦手な傾向が見られます。いつ、どこで、誰が、何をしたかは押さえていますが、「なぜ」その出来事が起こったか、その結果どうなったかが答えられません。
本校の生徒を見ると、試験対策の問題を欲しがります。それは、一問一答形式のように知識を確認しよう、問い方と解答をパターンとして覚えようとしているからです。丸暗記に陥らないように、中学入試でもワンパターンの問い方をせず、知識を活用する力を測れるような問題を出したいと思っています。
社会科主任/片田 成貴先生
きちんと読んで設問の要求に正しく応えよう
社会科の文章記述力としてどんな力を求めていらっしゃいますか。
片田先生 文章記述問題は難しいことは聞いていませんから、書けないことはないと思います。リード文や設問文をきちんと読んで、設問の要求に正確に応えることです。一見、当たり前のことですがこれができない高校生もいます。
知識を知っているだけでなく理解できていれば、文章記述問題にも対応できると思います。知識を自分のものにして自分の言葉で表現した文章からは、主体的な姿勢も感じられます。難しい言葉を使う必要はありませんし、多少の誤字・脱字も許容します。読み手に伝わるかどうかを重視します。
大宮開成中学校 自習室
論述問題を最後に単独で配置している理由
片田先生 論述問題はぜひ取り組んでもらいたい。最後に単独で配置しているのは、答えられなかった基礎知識の問題があったとしても、頭をリセットして、受験勉強で身につけたことを総動員して受験生の本来の力を見せてほしいという思いがあるからです。知識の有無によらず、発想力などその場で考える力を確認したいと思っています。
山中校長 公民分野の問題は、知識に頼らなくても世の中の動きに興味・関心が高ければ解けるような問題づくりを意識しています。加えて読解力があれば、与えられた情報を読み取って知識不足を補えます。
失敗を恐れずチャレンジし続けよう
片田先生 生徒と接していて気になるのは、教員の意見が“模範解答”だととらえがちなことです。私は自分の意見が絶対ではないと繰り返し、生徒自身の意見を引き出すように心がけています。歴史の授業では歴史上の人物の立場で考えさせたり、「もし、そうだったら」その後どうなっていたか、「たら・れば」を自由に発想させたりしています。
山中校長 生徒や教員には「失敗の体験をたくさんしよう」と言っています。正解が出てこなくても、成果を出せなくても、チャレンジし続けることが大切です。失敗を恐れて何もやらないことが一番よくない。失敗してもその失敗から学べばいいのです。そうした学校文化をつくりたいと思っています。
大宮開成中学校 図書館
インタビュー2/3