シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

実践女子学園中学校

2019年02月掲載

実践女子学園中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.自分のメッセージをしっかり伝えよう

インタビュー2/3

知識の積み重ねがあるから発想力を発揮できる

西崎先生 この問題のように、入試では持っている知識を総動員して答えを導き出す力を問いたいと思っています。発想力を発揮するには知識の積み重ねが必要です。基礎・基本となる知識を確実に身につけましょう。4分野まんべんなく出題するのはそのためでもあります。

理科/西崎 守之先生

理科/西崎 守之先生

理社で50分。時間配分を考えて取り組めている

西崎先生 出題する分野の順番は、物理・化学・生物・地学の順で固定しています。

金川先生 問題を解いて手応えを感じてもらいたいので、始めに物理の問題を置いています。

髙橋先生 入試時間は理科と社会科合わせて50分になりました。私が試験監督をしたクラスは社会科から解く受験生が多かった印象です。覚えたことをすぐ書き出したい気持ちは、用語記述が多い社会科の方が強いのかもしれません。

理科については「どこから解いてもいいですよ」と入試説明会で話していますが、ほとんどの受験生は大問1から順番に解いています。時間が足りなかったような答案はあまり見当たらなかったので、時間配分を考えて取り組んでいるように思います。

わかっているならアピールしないともったいない

受験生の答案を見て何か気になることはありますか。

西崎先生 知らないことが出ると、反射的に「難しい」と思うのか、まったく手をつけない答案もあります。こちらは受験生の思いをできるだけくみ取って点数をつけようと採点しています。文章記述は何か書けば点数がもらえる可能性があります。でも、無答では点数をあげられません。早々に諦めてしまうのはもったいない。受験生が出せる力をすべて見たいので、粘り強く取り組んでほしいと思います。

その点、入学された生徒さんの「書く姿勢」はどうですか。

金川先生 自信がないと書かない生徒は多いですね。
始めは文章にならなくても、「キーワードがわかっているなら、それだけでも書こう」と言います。わかっているのに書かなければ、生徒がどこまでわかっているか、教員は判断できません。「勉強していない」「覚えていない」のと同じになってしまいます。「あなたのメッセージを伝えて」と繰り返し言い続けることで徐々に書くようになります。中3は大分書いてくれています。

実践女子学園中学校 理科実験室

実践女子学園中学校 理科実験室

インタビュー2/3

実践女子学園中学校
実践女子学園中学校渋谷駅から徒歩10分、表参道から徒歩12分にある実践女子学園は、女子教育の先覚者下田歌子によって、明治32年に創設された。皇女教育を拝命することになった下田は宮内省の命を受けて2年間の欧米女子教育視察を行い、先進諸国の女性たちの社会的地位の高さや、自立して生きる姿を目の当たりにし、日本における一般の女子教育こそ不可欠と痛感、帰国後、女子教育の普及のため全国を奔走した。実践女子学園はその中心として、下田が私財を投げ打って設立した学校である。校名の「実践」は、学問を実際に役立てて実行するという意味で、「知識」を習得するだけではなく、それらを実生活において「実践」し、社会に貢献するという理念が込められている。
生徒一人ひとりが、仕事と家庭を両立しうる高い社会的スキルと、将来を生き抜く強い人間力を獲得し、高い志と品格を持って、自らの生きる道を切り開いていくための全人教育が伝統となっている。生徒が凛とした女性として国内外で活躍できるようにするため、「グローバル教育」「探究教育」「感性表現教育」を教育の柱としている。
「グローバル教育」では“日本を知る”“世界を知る”“自分の役割を知る”というコンセプトのもと、日本人であることを基盤にグローバルな視点から自分の未来をデザインする力を養うことに力を注いでいる。“レベル別少人数多展開”の授業、ネイティブ教員11名体制での英語教育の充実はもちろん、交換留学や海外研修、模擬国連の出場、帰国生の受け入れ、海外進学指導など、学校全体がグローバル教育の舞台となっている。
人と協働して思索を深め、みずから課題を発見して解決する力を養うことが狙いの「探究教育」では、全ての授業で「考えさせる」取り組みを推進するほか、多様なプログラムが数多く設けられている。中3の「総合学習プロジェクト」や高1の「クエストエデュケーション」は全員が取り組み、そのほか、「理科ゼミ」「数学ゼミ」「サイエンス探究ゼミ」「沖縄自然体験教室」など理系のプログラムも豊富。在校生の約3割が理系進学希望と年々増加している。
「感性表現教育」では、“観る力”“聴く力”“感じる力”を養い、自らを“表現する力”へとつなげていく取り組みで、日々の授業を始め、教育活動すべてが、豊かな感性を磨く場になっている。中でもクラブ活動や学校行事は非常に活発に行われており、クラブ活動は中学校は必修、高校では自由参加としているが、高校生の約80%は最後までクラブを続け、かけがえのない友と苦楽や感動を共有している。またほとんどの学校行事は、生徒たちの実行員会によって企画・運営され、その伝統が豊かな教育文化として継承されている。
キャリア教育の充実により生徒の進路は多様化し、理系学部(医歯薬系、理工系)への志望者が大きく増加したほか、文系学部でも法学、経済・経営、商学、国際関係、外国語系といった時代性を反映した学部への関心が高まっている。高1でキャリアプランを作成することにより、生徒たちは明確な夢や目標を持って主体的に進学準備に取り組み、自分の進路実現を着実に果たしている。職員室内にカウンセリングコーナーがあり、熱心な個別指導や活発なコミュニケーションが促進されており、大規模な学校だが、きめ細かく手厚い指導を実現する仕組みが構築されている。