出題校にインタビュー!
聖学院中学校
2018年12月掲載
聖学院中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.傍線なしなど入試問題は新テストを意識
インタビュー2/3
受験生にとってよき出会いとなる素材文を選びたい
安達先生 中学入試で取り上げた書籍は図書館で紹介しています。この問題の素材文は『十歳のきみへ』というタイトルですが、中学生が読んでも共感できると思います。
説明的文章問題の素材文選びは、どんなことを意識されていますか。
安達先生 子どもの生活に近いものを選ぶようにしています。すると、語彙や抽象度はやさしいものになります。
過去に貧困をテーマしたときは、まずエピソードを読ませて受験生が内容に寄り添えるようにしました。うまく誘導することで小学生には少し背伸びする内容でも、文章を読み進められるように工夫しています。
読書は「縁」のようなところがあります。受験生にとってよい出会いになるような素材文選びを心がけています。
中学では読書の取り組みは何かなさっていますか。
安達先生 司書教諭ら図書館のスタッフが知恵を絞って、本との出会いをいろいろ仕掛けてくれています。封筒にいろいろなジャンルの本を3~4冊入れて配ることもあります。開けてみてのお楽しみです。興味があれば読んでくれればいいというスタンスです。
中1は国語科の授業でオススメ本のPOPを書きます。自分のPOPが貼られるとうれしいので、「次は何を読もうか」と読書のきっかけになっています。
聖学院中学校/正門
出題は物語文→説明文の順番で取り組みやすく
国語科の入試問題ではどんな力を測っていらっしゃいますか。
安達先生 国語の力は他教科の基礎になる力でもあります。論理的な思考力・表現力や語句・語彙力など総合的な力を試しています。
受験生の答案を見ると、聞かれたことを受け止めてはいるけれど、頭の中できちんと整理されていません。例えば、「3つ答えなさい」とあるのに、2つしか答えていないことがあります。2つ目と3つ目が一緒になっていたりするためで、その点は入学してから鍛えます。
説明的文章と物語的文章では出来具合に差は見られますか。
安達先生 説明的文章は表現が硬くなるので読み取りが難しくなるようです。子ども向けといっても大人が書いた文章ですから、読むのに時間がかかります。受験生が取り組みやすいように、出題は、語句問題、物語的文章、説明的文章の順番にしています。
説明的文章を先にすると、物語的文章の最後の問題まで行き着かない答案が少なからずありました。それでは受験生の本来の力を見極めることができません。説明的文章をあとにしたことで全体の解答率が上がりました。
聖学院中学校/H.H.ガイホール
説明的文章はほぼ「傍線部なし」で出題
説明的文章には傍線が引かれていません(語句問題1カ所のみ)。どんな意図があるのでしょうか。
安達先生 新テストを意識して作問しました。説明的文章のモデル問題を見ると、本文は傍線なしで、全体を見通して考える問題が出されています。
表現する力に重きが置かれがちですが、表現するにはまず内容を受け止めなければなりません。従来の形式では傍線部の前後から答えを探そうとしてしまい、全体の意図をつかみ損ねます。
一方、物語的文章には登場人物の心持ち、よりどころがあります。それをどう解釈して直接書かれていない心理状態を読み解いてもらうには、傍線を引く必要があります。
過去にもほとんど傍線部なしの出題もありますし、2018年度のアドバンスト入試ではグラフを読み取る問題を出しています。今の受験生は、21世紀型といわれる問題に慣れていかなければなりません。中学入試はそのスタートと思って、取り組んでみてください。
聖学院中学校/制服
インタビュー2/3
米国の宣教師H・H・ガイ博士が1903年(明治36年)に設立した神学校を母体に、聖学院は1906年(明治39年)、石川角次郎を初代校長とする中学校を開校。以来、一貫してキリスト教精神に根ざした“唯一無二の人間教育”を実践し、2002年には3カ年にわたる教育会議を経て「聖学院教育憲章」を策定しました。創立100年の節目を経て、その“原点”へ立ち帰る教育指針を掲げた聖学院は今、“世界水準”の教育プログラムを駆使し、次代を担う若者の育成に力を注いでいる。