シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

聖光学院中学校

2018年11月掲載

聖光学院中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.地道に真摯に取り組む姿勢を評価

インタビュー3/3

何年たっても聖光学院の生徒の本質は変わっていない

生徒の雰囲気はここ10年前後では大きく変化しているでしょうか?

小野先生 校舎も新しく変わりましたし、SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)の認定も受けましたので、外部から見ると大きく変化したのかもしれません。偏差値も10年前よりもかなり上がっています。

とはいえ根っこの部分、つまり生徒の持つ真面目さや素直さといったものは変わっていないかなと思っています。以前も今も、礼儀正しくてしっかりした家庭の生徒さんが多い印象です。本校の在学生のそうした雰囲気に魅力を感じ、入学してくれる生徒が多いのではないかなと思っています。

聖光学院中学校 校舎

聖光学院中学校 校舎

受験勉強はオーソドックスなスタイルを

どんな生徒に入学してほしいと考えていますか?

小野先生 こんな生徒にきてほしいというのは特にありません。聖光学院に入りたい!と思ったらぜひ来てほしいと思っています。我々は、出会った生徒たちと一生懸命にやっていくだけなんです。ですから本校が理想とする生徒像や、聖光学院中学校自体を理解した上で、そういう自分になりたいと思える人なら誰でも入学試験を受けてほしいと思っています。

最後に、受験までにこういう力をつけてきてほしいなど、受験生や保護者に対してのメッセージをお願いします。

小野先生 問題の傾向はとてもわかりやすいです。数学科としては、きちんと勉強した子や本校に入学したいと思って頑張った子が点数を取れるように問題を組んでいます。簡単な問題をおろそかにせず、難しい問題・初めて見た問題にも面倒くさく思わずにトライしてみるようにしてみてください。問題文をわかるまで読み込む、また具体例・図などで手を動かしてじっくり考えてみるなど、王道と言われるような方法で、しっかりと勉強してきてほしいと思っています。

聖光学院中学校 生徒作品

聖光学院中学校 生徒作品

インタビュー3/3

聖光学院中学校
聖光学院中学校1958(昭和33)年、学校法人・聖マリア学園により設立。同学園は“生涯を青少年の教育に捧げる”ことを目的とした、カトリック・キリスト教教育修士会(1817年フランスに設立、現在本部はローマ)を基盤とする。同学園は世界各国に276の学校を設置・経営しており、静岡聖光学院は兄弟校だ。
「カトリック的世界観にのっとり、人類普遍の価値を尊重する人格の形成、あわせて、高尚かつ、有能なる社会の成員を育成する」ことを建学の精神とし、「人の役に立つ人間になれ」「紳士であれ」という姿勢を貫く。難関大への高い現役合格率は、学校のきめ細かい進学指導と生徒一人ひとりの自覚と自律による。教師と生徒は尊敬と信頼の絆によって結ばれていて、自由な雰囲気の学校である。
山手地区に連なる丘陵の一画、文教風致地区にあり、背後が根岸森林公園という抜群の環境。マルチメディア教室や階段教室のある校舎や、聖堂、ラ・ムネ・ホール(講堂)、ザビエルホール(多目的ホール)、食堂、グラウンド、体育館など施設は充実。20時まで使用できる高2・高3用の自習室もある。プールは屋外。猪苗代湖畔にキャンプ場「聖光ボーイランド」もある。
面倒見の良さは折り紙つき。英語は首都圏屈指のレベルで、中1は週7時間。中2・中3・高1の英会話の授業を1クラス2分割で実施。帰国生対象の英会話補習もあり、希望すれば一般生も受講できる。高2から文系・理系に分かれ、高3は演習中心。平常時(中1~中3まで指名制)、夏期(中1~高1は英・数・国中心で成績不振者の指名制、中2~高3は希望者対象で各教科)、冬期(高3のセンター試験対策)、特別(高校高学年の英・数ハイレベル特講)など、親身の補習で「予備校いらず」といわれる。東大・早慶上智大への現役合格率は首都圏トップクラス。
クラブ活動では、特にバスケットボールや吹奏楽部などが盛ん。カトリックの宗教行事が多く、週1回中1は聖書研究会に所属、入学・卒業の祝福ミサ、クリスマスなどがある。ほかの行事ではスキー教室、芸術鑑賞会、文化祭などがあるが、なかでも福島県猪苗代湖畔にある「聖光ボーイズランド」での夏期キャンプは、忘れられない思い出になるようだ。カナダ、ニュージーランド、イギリスなどでのホームステイも実施。また、豊かな感性を育むため、毎週土曜日には中2の選択芸術講座が開かれる。夏休みの数日を使って、体験学習重視の「聖光塾」(中1~高3、自由参加)も開講。ボランティア活動は日常的に行われている。