シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

共栄学園中学校

2018年10月掲載

共栄学園中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.気配りと観察眼に通じるところあり

インタビュー2/3

誰かに話したくなるような問題づくりを意識

新免先生 この問題に限らず、入試だけで終わらない問題づくりをしたいと思っています。受験生が「こんな問題が出たよ!」「バイオミメティクスって、知ってる?」とご家族に話してくれたら、出題した甲斐があります。
文章記述の問題として、正解が一つではない問題、例えば実験の結果から考察する問題は出題していましたが、どの生物から発想するか、素材を一から考える問2のような出題は、本校にとってチャレンジでした。

松宮先生 数年前から新テスト対策として、特に理科と社会科では正解が一つではない問題を出しています。採点は大変ですが、それ以上に教員は受験生の自由な発想の解答を楽しんでいます。

教頭/松宮 博先生

教頭/松宮 博先生

観察のスケッチなど絵をかくのが好きな生徒が多い

正解が1つではない入試問題を経て入学した生徒さんたちは、どんな様子ですか。

新免先生 相手や周りをよく見ているという印象があります。話を聞くべきときは耳を傾け、片付けるときは周りを手伝います。周りに気配りできるともいえるかもしれません。

観察眼にも通じるところがありそうですね。

新免先生 そうかもしれません。観察眼という視点で見ると、中1は絵をかくのが好きな生徒が多いように思います。中1の理科の最初の宿題は、「通学路の途中にある植物の観察・スケッチ」です。上手・下手に関係なく特徴をつかんでかいています。手を動かすことを面倒くさがらないようにも感じます。
私自身がそうですが、上手にかこうとしないでポイントがわかるようにかけばいいと思います。

文章記述問題は大問のまとめとして出題

貴校の入試問題は文章記述の問題が多いと感じます。出来具合はいかがですか。

新免先生 何かしら書いてくれていますが、正解にたどりついているのは半数を超えるくらいでしょうか。
文章記述問題は大問のまとめとして出題することが多いです。設問は順序立てて構成しており、まず基礎知識を確認し、次に基礎知識を使った応用問題を、最後に考察などまとめの問題を出します。この流れにうまく乗ることができれば、得点できる答えを書けるのではないかと思います。

新テストは「書く」ことが中心になりますから、中学生のうちから新テストに沿った問題に慣れておく必要があります。定期テストは選択問題だけでなく、答えを説明する文章記述問題を出しています。生徒には「暗記するだけではダメ。どんな角度から聞かれても答えられるようにしておこう」と強調しています。
6年間を通して、答えに至るプロセスを自分で考えて文章化できるように鍛えます。

共栄学園中学校/エントランスホール

共栄学園中学校/エントランスホール

中1の実験レポートは「気づいたこと」を記録

理科の書く力はレポートを通して鍛えているのでしょうか。

新免先生 中1は「考察」の前段階として、「気づいたこと」を丁寧に書くように指示しています。「感想」の欄も設けていて、「難しかった」など生徒の率直な気持ちがうかがえます。
学年が上がってもスムーズに実験できるように、中1は観察の方法や実験器具の使い方など操作の基礎を身につけるのに時間を割きます。そのため考察は教員が補足することが多くなります。

中2になると生徒自身で実験の手順を確認し、必要な器具を揃えて実験を行い、結果と考察をまとめて提出します。自分で考察できるように、考察に至るプロセスを示します。私は授業中に生徒に積極的に問いを投げかけます。各班に実験結果を発表してもらい、そこからわかることを聞きます。さらに班で相談して答え合わせのような形で考察します。

ちなみに、どんな実験に生徒さんは目を輝かせますか。

新免先生 印象に残っているのは、化学実験(炭酸水素ナトリウムの分解)でカルメ焼きがふくらんだときの感激ぶりです。カルメ焼きはやってみるとうまくふくらまないことが多いのです。この実験は準備や手順が簡単なので、繰り返しやるうちにコツを覚えます。うまくいった、思い通りにできた成功体験は大切にしたいと思います。

共栄学園中学校/理科室

共栄学園中学校/理科室

インタビュー2/3

共栄学園中学校
共栄学園中学校和裁塾を前身とし、1938年本田裁縫女子学校設立。1942年共栄女子商業学校、1946年共栄高等女学校を経て、1947年に共栄学園中学、翌年高校が開校した。2001年に中学、2003年に高校が共学校となった。「礼儀・自立・社会貢献」を教育目標としている。
知・徳・体が調和した全人的な人間育成を目指し、協調性や社会性に富んだ創造性豊かな生徒を育てることを目標としている。また、創立者が至誠(至高の誠実さ)を一生涯貫く人物であったことから、現代社会においても最も大切なことであると考え、「至誠一貫」をモットーにしている。
6カ年を短いスパンで区切り、成長の跡が具体的に把握できるよう、身体的、精神的、学力的にそれぞれ達成すべき目標を設定して指導していく一貫教育。[前期課程][中期課程][後期課程]と分けた指導体制で、発達段階に応じた適切な指導が行われる。
「特進クラス」と「進学クラス」の2コースで1年生をスタートする。中学3年時までは、授業進度をそろえながら、「特進クラス」では発展的な問題の研究を積極的に取り入れ、「進学クラス」では基礎学力の完全定着に主眼をおいて授業を進める。また、中学1年時より「長期休暇中の特訓講習」などが行われ、高校課程進級時には、「選抜クラス」も設置し、より高い目標を目指す。
外国人講師と過ごす2泊3日の国内留学K-SEPの他、希望制で実施している中学2年生から参加可能なカナダ海外研修、米国ニューヨークの公立中学校との交換留学、海外在住の外国人講師とマンツーマンで会話を楽しむオンライン英会話など、実践的で楽しみながら学べる英語教育に力を入れている。
体育祭・文化祭・合唱祭が三大行事。中3北海道郊外学習では、搾乳体験なども行う。中高のバトン、バレーボール、少林寺拳法部などは全国大会レベルだ。特に高校バトン部は世界大会優勝の実績もある。