今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
日本大学藤沢中学校
2018年10月掲載
2018年 日本大学藤沢中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
(問)次の(ア)~(オ)はすべて慣用句です。
にそれぞれ場所を表すことばを入れたとき、ここ藤沢市(ふじさわし)からもっとも遠い場所にあたるものはどれですか。
記号で答えなさい。
- (ア)江戸(えど)の敵を で討(う)つ
- (イ) 評定
- (ウ) の舞台(ぶたい)から飛び降りる
- (エ)牛にひかれて 参り
- (オ)敵は にあり
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この日本大学藤沢中学校の国語の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
(ア)
解説
空欄には、それぞれ次の名称が入ります。(ア)長崎、(イ)小田原、(ウ)清水、(エ)善光寺、(オ)本能寺です。これらは、現在の都道府県名で言うと、(ア)長崎県、(イ)神奈川県、(ウ)京都府、(エ)長野県、(オ)京都府にあたります。設問では「藤沢市からもっとも遠い場所」と指定されていますから、神奈川県から最も遠い場所にある(ア)を選びます。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
この問題は、単純な知識問題ではなく、「ここ藤沢市からもっとも遠い場所」という視点にそって具体的な場所をイメージして考える問題に見えました。
知識と、それが表す具体的なことがらを結びつけてイメージすることは、ものごとを理解するだけでなく、新しい視点でものごとをとらえるきっかけにもなります。
現代では、インターネットの発達によって人間が接する情報の量が飛躍的に増えています。身のまわりに情報があふれているからこそ、表面的な理解にとどまらず、それが何を表しているのか、イメージしてほしいというメッセージだと感じられました。
また、長崎や小田原といった地名、善光寺や清水、本能寺といった歴史的な場所を、頭の中の地図に浮かび上がらせることで、子どもたちは社会で学んだことと言葉とを結びつけることができます。
以上のことから、この問題に取り組むことで、子どもたちがこれからの学びで必要な「言葉とそれが表す具体的なことがらを結びつける体験」「科目の枠を越える体験」ができると考え、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。