シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

多摩大学附属聖ヶ丘中学校

2018年09月掲載

多摩大学附属聖ヶ丘中学校【国語】

2018年 多摩大学附属聖ヶ丘中学校入試問題より

(問)次のカタカナの文章を読んで、漢字とひらがなと読点を正しく用いて書き直しなさい。

イマノシャカイデハサマザマナキマリゴトヤセイドカガクギジュツヲオウヨウシタドウグヤセツビナドガオオキナヤクワリヲハタシテイマス。ソシテコレラヲリカイシツカイコナスタメノチシキガカカセマセン。キョウイクハソノクニノショウライニムケテニンゲンガシャカイセイカツヲオクルウエデヒツヨウナギノウヤチシキヲエルタメノヒジョウニタイセツナキカイナノデス。

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この多摩大学附属聖ヶ丘中学校の国語の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)

解答と解説

日能研による解答と解説

解答例

今の社会では、様々な決まり事や制度、科学技術を応用した道具や設備などが大きな役割を果たしています。そして、これらを理解し、使いこなすための知識が欠かせません。教育はその国の将来に向けて、人間が社会生活を送る上で必要な技能や知識を得るための非常に大切な機会なのです。

解説

この問題は、すべてカタカナで書かれています。まず、文章を読み、文章の内容をとらえましょう。それから、カタカナを適切な漢字とひらがなに直します。その上で、つなげて読むと意味がとりにくいところに読点を打つなど、読み手が読みやすくなるための工夫をします。

日能研がこの問題を選んだ理由

冠婚葬祭時に電報による祝電、弔電が届くことはあっても、昔のようにその文面がすべてカタカナだけで構成されることはなくなりました。その意味で、受験生はカタカナしか使われていない文章をこの問題で初めて目にしたかもしれません。

この問題と向き合うことで、受験生は、ふだん自分が目にしている文章や、自分が書く文章を見つめ直すきっかけを得ることに加え、「伝えたい内容が的確に伝わる文章とはどのような文章なのか」ということをこれからも考え続けていくのではないかと思いました。

以上のことから、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ばせていただきました。