出題校にインタビュー!
昭和女子大学附属昭和中学校
2018年08月掲載
昭和女子大学附属昭和中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.女子の特性に合わせて、楽しく、興味が持てる授業を心がけている
インタビュー2/3
考え方を大事にする
小西先生 本校の算数の問題で特徴的なのは、計算問題でも答えだけでなく、途中の計算も書くスペースを用意しているということです。答えが間違っている時に、どこを間違えたのかを確認し、場合によっては部分点をあげることもあります。考え方を大事にするというのが本校の基本的な考え方です。
入学すると正負の計算をやりますが、プラス・マイナスがころころ変わります。答えしか求めないと、途中の式がおかしくても最終的に答えが合っていれば○になるので、○でも理解していない子がいることに気づきます。例えば右辺の中での移動だけで符号が変わってしまったり、( )が外れたのに符号が変わらなかったり、いろいろなことをしているうちに自然と符号が変わって答えが合ってしまうことがあるので、途中の計算を見て、考え方が間違っている場合には×にする。数字の読み違いで(考え方は合っているけれど)答えが間違った場合は×ではなく△にする。そういうところを大事にしています。
そのスタンスが、来年の入試からスタートする2月1日の思考力入試に発展しました。思考力入試は教科別ではなく4教科の総合問題なので、問題作成はこれまで以上に大変だと思いますが、実施に向けて準備を進めています。
今村先生 テーマを決定して、算数的、社会的、理科的な要素をどこに入れられるかを検討しているところです。
入試広報部顧問/小西 泰先生
生活に密着した題材を心がけている
算数の問題を作るにあたり、共有されていることはありますか。
今村先生 まずは小学校で習うことから大きく逸脱しないということですね。また、知らなければできない問題はできるだけなくすこと。身の回りの生活に即した数字や現象を使うことを心がけています。例えば氷の体積が増えた、減ったなど、身の回りの生活の中で「おやっ?」と思えることをなるべく問題に反映させたいと思っています。
過去にハードルの問題もありましたよね。
今村先生 そうですね。もともと陸上の人間なので…。
小西先生 私たちは2人とも陸上なんです。
今村先生 だからトラックの問題、表彰台の問題、オリンピックのメダルの問題など、陸上を題材にした問題をよく出しました。サッカーW杯も題材にしたいところですが、入試は半年先ですからちょっと古くなってしまいますね。
6割できたら合格できる問題が理想
どんなふうに問題を作っていますか。
今村先生 数学科の教員全員で作っています。
数学の先生は何名ですか。
今村先生 講師を入れて18名です。それぞれが問題を作り、まとめ役の4名が問題を精査します。
ボツになる問題もありますか。
今村先生 難しすぎる問題はボツになります。出てきた問題をもとに形を変えて採用することもあります。問題が出揃ったところで、小学生の立場に立ってシミュレーションし、問題を難易度別に分けて、バランスよく出題できるよう配置して、毎年の問題が出来上がっています。
小西先生 他教科との打ち合わせ会も年に数回、行っています。6割取れたら合格できるような問題づくりを心がけています。
今村先生 問題づくりで難しいのは問題文の表現です。意図とは異なるとらえ方をされないよう気をつけています。
小西先生 作問者は1つの考え方にとらわれてしまいがちなので、できた問題はみんなで見るようにしています。それは数学科の教師ではなく、他教科の教師です。「この表現はわかりにくい」「もう少しわかりやすい言い方はないか」など、さまざまな助言に基づいて直していきます。
昭和女子大学附属昭和中学校/実用数学検定グランプリ 金賞受賞
数学科で大切にしていることが入試問題にも反映される
今村先生 毎年、新しい年度が始まる前に数学科の科会を行い、科の中で共有すべき事柄を確認しています。例えば、新大学入試テストに備えて、思考力、表現力の向上を促す工夫をし、授業の質を上げていくことなどを申し合わせました。アクティブラーニングにも取り組みます。数学はやりにくいのですが、挑戦していこうと考えています。
生徒の伸ばしたい力としては、確かな計算力、図形感覚、論理的思考力、表現力、活用力の向上を指導目標に掲げています。自ずとこれらが入試問題にも反映されます。答えは解答のほんの一部ということも浸透させていきたいです。途中の式が間違っていたり、論理的におかしいところがあったりしてはいけないということを強調しているので、入試においてもそういうことが表現できる問題を作りたいと思っています。
入試問題の解答用紙が毎年3枚あるというのも、そこを大事にされているということなんですね。
今村先生 はい。どういう考え方をしてくれるのかなと、受験生の立場になって考え、十分なスペースをとるようにしています。
1学期の中間テスト後から習熟度別授業を開始
小西先生 私は中1の習熟度別クラスの真ん中を担当していますが、今村先生は一番下のクラスを担当しているので大変です。
中1の最初から習熟度別授業なのですか。
小西先生 これまでは入学してすぐにべーシックなテストをして分けていたのですが、今年度から中間テストまではホームルームのクラスを単純に2つに分けて授業を行い、中間テストの点数でクラス分けを行って、習熟度別の授業を始めました。
そのほうがいいですか。
今村先生 よかったと思います。中間テストに向けてのモチベーションが上がりました。
女子に数学を教える上で苦労されるところといえば?
今村先生 やはり苦手な子が多いですよね。今年、久しぶりに中1を担当していますが、そもそも数学が嫌い、数字が嫌いというところから入るので、いかに楽しく、興味を持たせていくかというところに力を注いでいます。
小西先生 数学は「数楽」であってほしいですよね。ともすると「数が苦」になってしまいます。私はそんな話からスタートして授業をしています。
昭和女子大学附属昭和中学校/展示物
4色のチョークを使いわかりやすい授業を実施
「数楽」にさせるための工夫を教えてください。
小西先生 授業で本題に入る前に、前回の内容を確認するテストをしています。間違ったらやり直して再提出させています。もう一度見るのは大変ですが、そこでどういう間違いをしているかを確認できます。それをもとに個別に指導ができるので、子どもたちの理解に役立つのです。
「見ましたよ」というサインにスタンプを押すのですが、女の子はスタンプやシールをもらうのがとても好きなので、それもモチベーションアップにつながっています。
今村先生 好きですよね。それにいくらかけたか…(笑)。
小西先生 「25題解いたら大きなハンコをあげる」などと言うととても喜びます。
今村先生 高校生になってもスタンプ好きは変わりません。1つの学年を男の先生ばかり3人で担当した年がありました。めったにないことなので3人の顔写真を撮ってオリジナルのスタンプを作りました。「スタンプカードが100枚になったらそれを押すよ」と言ったら大人気でした(笑)。
板書も工夫しています。4色のチョークに意味を持たせて、あらかじめ「こういう意味の時はこういう色を使うよ」と伝えて、使い分けています。例えば途中の式をどこまで省略できるか、というのは生徒が悩むところです。ですから板書をして説明する時に、「わかったら省略してもいい部分は青で書くよ」「絶対省略できない部分は白で書くよ」「間違いが多いので注意してほしい部分は赤で書くよ」というように意味を持たせて板書しているので、生徒はノートを見直した時にわかりやすいと思います。
丁寧な授業ですね。
今村先生 今は一番下のクラス(α・β・γのγ)を担当しているので、丁寧でわかりやすい授業を心がけています。
インタビュー2/3
1920(大正9)年に人見圓吉が創設した、日本女子高等学院が前身。建学の精神である「世の光となろう」のもと、「清き気品、篤き至誠、高き識見」の言葉を掲げ、人格と能力を兼ね備えた、社会に貢献する人材の育成をめざしています。