シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

明治大学付属明治中学校

2018年07月掲載

明治大学付属明治中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.知識は使えるようになってこそ価値がある

インタビュー2/3

地理・歴史・公民3分野揃って「社会科」になる

河村先生 本校の社会科入試は、地理・歴史・公民の3分野から均等に出題します。まず、基礎知識がきちんと備わっているかどうか。漢字指定がない問題でも、教科書で漢字表記の人名、地名、出来事などの用語は漢字で答えるのが基本です。加えて、覚えた知識を使えるかどうか、思考力を試す問題も出題します。

宮下先生 どの分野もまんべんなく学習するようにしましょう。その際、分野で分けずに、地理と歴史、公民の関係性を意識しましょう。生徒には「3分野揃って社会科だよ」と強調しています。

広報主任/河村 弘祐先生

広報主任/河村 弘祐先生

機械的に解くだけでは初見の資料に対応できない

図や写真、史料などを使った問題が多いのも、貴校の入試問題の特徴の一つではないかと思います。
受験生は都道府県の気候の特徴を「雨温図の形」で覚えています。ところが、第1回入試では年間降水量が「表の数値」で示されました。元データは同じですが、見せ方が変わると対応できなくなる小学生は結構います。

河村先生 雨温図を見て機械的に解いてばかりだと手が止まってしまうかもしれませんね。気候の特徴をきちんと理解できていれば、さほど難しい問題ではないと思います。資料からどんなことが読み取れるか考えるようにしていると、初見の資料にも対応できると思います。

リード文を読んで学校のメッセージをキャッチしよう

河村先生 本校を受験されるお子さんはよく勉強されているので、いわゆる一般的な問題は正答率が高い。少しひねった聞き方をしたときに、リード文などにあるヒントに気づけるかどうかで差がついているように思います。普段からアンテナを高く張っているお子さんは、「気づく感度」が高いように思います。

宮下先生 受験生に読んでもらえるような、読みたくなるようなリード文を作ろうと心を砕いています。

貴校のリード文は読むだけでも勉強になりますし、新たな視点をもらえます。

宮下先生 リード文には、こんなことを考えてもらいたい、気づいてもらいたいという思いを込めて作っています。公民の問題は最後の意見記述で、リード文のヒントを回収して締めくくれるような問題作りを心がけています。

明治大学付属明治中学校/展示物

明治大学付属明治中学校/展示物

時事問題の関心の高さは周囲への気配りにも通じる

宮下先生 時事問題も毎年出題しています。時事問題をどうやって勉強すればいいか、オープンキャンパスで授業体験できます。
時事問題を出すのは、常日頃、自分の「外」にどれだけ目を向けているかを測るねらいもあります。世の中に関心を持てるお子さんなら、家族や友達など自分の周りの人たちにも気配りできるのではないかと思います。

インタビュー2/3

明治大学付属明治中学校
明治大学付属明治中学校1912年に旧制明治中学校として神田駿河台の明治大学構内で開校した。戦後は、1947年の新制明治中学校、1948年の新制明治高等学校の発足に伴い、推薦制度による大学までの一貫教育の方針が確立された。2008年に調布市へ移転し、共学化。
明治大学への内進率は約90%で、国公立大学進学希望者は、明治大学への推薦資格を保持したまま併願可能。私立大学も併願受験の対象となる場合があるが、学部・学科ごとに条件が異なるため、受験には予め明治大学からの許可が必要。7時間目に週1回ずつ英・数の補習講座を設定し、ていねいに基礎力を固めている。高大連携教育にも力を入れており、大学の先生による「高大連携講座」や、長期休みを利用した法曹入門講座などの「高大連携セミナー」、大学の単位として認定される「プレカレッジプログラム」など、付属校としての魅力ある講座も豊富。
1450名収容のホール、2つの体育館、蔵書約7万冊の図書館など、充実した施設がそろっている。英語科教員が1冊ずつ読んで独自のレベル分けをした英語の多読本が約7000冊あり、積極的に活用されている。「質実剛健」「独立自治」という建学精神のもと、紫紺祭(文化祭)、体育祭、東京六大学野球応援、球技大会などの行事や、中学でほぼ100%、高校で90%以上の生徒が加入するクラブ活動も盛んである。