シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

明治大学付属明治中学校

2018年07月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

明治大学付属明治中学校の社会科が求めているチカラとは?

明治大学付属明治中学校/先生
1世の中の問題を我が事として考えるチカラ

本校の社会科では、世の中で起こっている問題を自分の問題として引き受けられる、すなわち当事者意識を持てる生徒を育てたいと思っています。入試問題はその入口として、小学6年生がどのように世の中を見ているかを知りたいと思い、この問題を出題しました。
中3の授業ではこの問題のようなテーマについても議論します。彼らが高3になったとき、もしかすると、憲法改正の国民投票を経験するかもしれません。憲法改正の議論を他人事と思わずに、少しでも自分に引きつけて考えてもらえたらと思います。

2世の中の動きにアンテナを張るチカラ

2017年は「日本国憲法施行70年」にあたりました。世の中の出来事に関心を持てるようにアンテナを張っておきましょう。
時事問題を出すのは、常日頃、自分の「外」にどれだけ目を向けているかを測るねらいもあります。世の中に関心を持てるお子さんなら、家族や友達など自分の周りの人たちにも気配りできるのではないかと思います。

3選んだ立場の理由を具体的に述べるチカラ

この問題の評価のポイントは、具体的な理由がきちんと説明されているかどうかです。
Aの場合、単に「年数が経ったから」では具体性がなく説得力に欠けます。年数が経つとどんな不都合が生じるのか、もう一歩踏み込んで考えてほしいところです。Aの理由としては「新しい人権」や「自衛隊」を挙げた解答が多く見られました。
Bの場合は、「憲法を変えてはいけない」というニュアンスしか伝わってこない解答がありました。「なぜ」変えてはいけないのかを説明しないといけません。Bの理由としては「平和」を挙げた意見が多かったです。どちらかというと、Bを選んだ受験生の方が「考えよう」という意欲を感じました。