シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

渋谷教育学園渋谷中学校

2018年05月掲載

渋谷教育学園渋谷中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.自分の考えを人にわかりやすく伝えていけるような生徒になっていける指導方針

インタビュー2/3

自分が調べて考えたことをみんなに発信したいという気持ちを生み出す学習指導

普段の授業で心がけられていること、実践されていることについて教えてください。

矢谷先生 本校のシラバスでは中1・中2の段階で中学校の教科書が終わります。ここで基礎力・計算力を身に付けてもらいます。中3からは高校の教科書に入りますので、中3・高1の段階で論理的に物事を考えて上手に発信できるようにしていきます。高2・高3の段階では、自分の考えを人にわかりやすく伝えていけるようになる、という流れを組んでおります。

具体的にはどういうことをしているかというと、例えば中1・中2の間では相似形を学んだ際に自分の好きな建物を選んで高さを測ってみようということをしています。算数や数学の中だけでなく、実際の建物を計測することで、学んだことが知識として使っていけることがわかるようになります。基本的な相似形の学習の中で、大きなものを測ることができる、ということを実践しています。

学年主任/矢谷 裕子 先生

学年主任/矢谷 裕子 先生

お互いで問題を出し合ったり教え合ったりするグループ学習

矢谷先生 普通の授業の中ですと、自分で問題を作成し、隣の子と問題を交換してやるということをしています。また、グループ学習の一環として、先生が難問を出題し、グループ内で解けた人が発表してみる、グループの中で解けた生徒が周りの生徒たちにどうやってこれが解けたのかを自分なりに説明してあげる、ということも行っています。

そうすることで、解けなかった生徒たちも少人数の中であれば「どうしてそうなるのか」を簡単に聞けるため、お互いに学力を高め合うことができるようになっていけるのです。反対にわかる子は、自分が解答したものをみんなに披露することを嬉しいと感じ、そこで自分の解答をよく深く理解でき、定着する。そのような機会を増やしたいと思っています。

これらの学習を通し、自分の勉強の方法がわかった生徒は、知識を深めようと進んで学習に取り組みます。数学に限らずどんな教科でも自分が調べて考えたことをみんなに発信したいという気持ちがすごく生徒の中に出てきますので、それを引き出すように各教員が工夫しています。

渋谷教育学園渋谷中学校

渋谷教育学園渋谷中学校

宿題の期限は長期的に設定

計算力をつけるために特別なことは何かされていますか?

矢谷先生 数学の習慣というものを週に1回プリントで配っています。数学科の宿題の出し方は長期的です。たとえば「一学期の中間テストまでにこれだけのことをやってこの日に提出しましょう。ただしやり方は皆さんに任せるので計画をたててやりましょう」といった形で行っています。

もちろん中1の時はなかなかできないので、最初のうちは細かく説明して日割りや週割りでやることを説明していきますが、その指導も継続するのではなく徐々に生徒たちに任せていくようにしています。

また、問題集・参考書などの活用に関してですが、自分が既習して不得意だと思った分野を勉強し、学習ノートを提出するようにしています。「ここからここまでをやりましょう」ではなく「自分の不得意とするところを重点的にやりましょう」と話しています。

渋谷教育学園渋谷中学校/創立者 田村先生銅像

渋谷教育学園渋谷中学校/創立者 田村先生銅像

低学年のうちは教員が「自調自考」を後押ししていく

矢谷先生 本校の基本理念である「自調自考」というのは非常に難しく、身につくまでに後押しが必要ですね。中1・中2の低学年の段階では、教員側が「がんばったね」というメッセージによるフィードバックを行っています。「自調自考」がきちんと身についてしまえば、こちらが意図している方向に進んでくれるという期待はあります。

また本校では「自調自考論文」というものを高1から高2にかけて書くので、それに向かって自分の興味や関心といったテーマを、教員がまいた種を使って上手に見つけていけるとよいかと思います。当然そのようなテーマをなかなか見つけられにくい生徒もおります。そのような生徒には一緒にブレストなどを通して子供の口からテーマが出てくるまで考えていくことを心掛けています。

インタビュー2/3

渋谷教育学園渋谷中学校
渋谷教育学園渋谷中学校地上9階・地下1階の校舎は、地域との調和と快適な環境をコンセプトとして設計されており、都市工学の先端技術が駆使されています。これからの新世代にふさわしい、充実した学校生活を提供されています。教育目標は、21世紀の国際社会で活躍できる人間を育成するため「自調自考」の力を伸ばすことを根幹に、国際人としての資質を養う、高い倫理感を育てる、という3つです。
学習面における「自調自考」を達成するために、シラバス(学習設計図)が活用されています。シラバスは、教科ごとに1年間で学習する内容と計画が細かく書かれたもので、家づくりにたとえるならば設計図にあたるものです。シラバスをもとに、生徒自身が「いま何を学んでいるのか」「いま学んでいることは何につながるのか」ということを常に確認し、自ら目標を設定することで学習効果が上がるように指導されます。「何を学び、学んでいることは何につながるのか、全体のどのあたりを勉強しているのか」を確認しながら、授業に目標を持ち積極的に参加して、毎日の学習に取り組むことができます。外国人教師による少人数英語教育が実践され、さらに、中学3年生から、希望者は英語以外にもうひとつの言語を学ぶチャンスがあります。ネイティブの教師と一緒に自分の世界を広げてみましょう。開講講座は、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語です。海外研修は希望者を対象に、中学のオーストラリア研修、高校のアメリカ・イギリス・シンガポール・ベトナム研修があります。研修の目的は若者交流です。異文化理解や語学研修など、さまざまな経験を通して交流の輪が広がります。海外からの帰国生も多数在籍しており、留学生も受け入れています。
自分を律する心を養い、一人ひとりの人生をより豊かにし、人のために役に立ちたいと思う人間を育むため、生徒の発達段階に合わせたテーマで、6年間で30回にわたる「学園長講話」が行われています。