出題校にインタビュー!
茗溪学園中学校
2018年02月掲載
茗溪学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
1.新しい視点で考えることをおもしろがろう
インタビュー1/3
自分で考える意欲を問う思考力問題
町田先生 一般に国語の問題というと、理解力や表現力が問われることが多いのですが、本校ではこの問題のような「思考力」も意識しています。本校が考える思考力とは、「自分の考え(主張)とその根拠を整然と論述できる力」です。
大学受験で小論文が増えるなど、思考力の重要性が増しています。入学してから本格的に鍛えますが、自分で考えることができる、自分で考えようと意欲のあるお子さんに入学していただきたいと思い、この問題を作りました。
国語科主任/町田 雅弘先生
設問の条件に沿った答案が多かった
この問題の採点基準を教えていただけますか。
町田先生 筆者の主張を踏まえて、設問の要求に応えていること。すなわち「駅前の放置自転車」という問題に対して具体的な対策を説明すること。一番大事なことは「福祉的な視点」で、相手の立場に立って考えることです。
評論でも小説でも、どの視点で書かれているかは、主観的か客観的かという大事なポイントが含むため非常に重要です。受験生は普段から福祉的な視点を意識していないでしょうから、これまでとは違う視点で考えなければなりません。自分が持っていなかった視点で考え、表現することにチャレンジしてほしいと思います。
この問題の出来具合はいかがでしたか。
町田先生 予想よりもよかったと思います。中には「まちづくり」として広く考えたり、駅前の放置自転車以外の対策を述べた解答がありましたが、設問を自分勝手にとらえず、条件に合った答えを書いた受験生が多かったように思います。
無答もそれほどありませんでした。その点では「考えてみよう」と思ってくれたのではないでしょうか。ただ、この問題は全体の最後の問題なので、時間が足りず手がつけられなかったと思われる答案がありました。
自分で考えれば自ずと自分の言葉で語りたくなる
町田先生 面接をすると、予め用意していた“優等生な”解答も見受けられます。そうした受験生が決して悪いわけではありません。学校側としては「一生懸命準備してくれたんだな」と思いますが、自分の考えを自分の言葉で表現してもらえると、「普段からしっかり考えているな」「こんなことに目を向けているんだ」というその受験生らしさが見えてきます。
自分のことに落とし込んで考えたことであれば、自ずと自分の言葉で表現しようとするでしょう。そうした答案は、表現が拙くても伝えようとする熱意が感じられます。「私の近所の駅が~」といった答案からは、そのお子さんが日々考えている姿勢がうかがえます。
広報企画部長/佐藤 賢士先生
アクティブラーニングは普段の生活の中でもできる
佐藤先生 自分の考えを書く文章記述問題は、他教科でも出題しています。現代では未知なる問題への対応が求められており、机上の学問だけでは難しくなっています。直面する新たなタイプの問題にどう対応するか、獲得した知識の活用などいろいろな力が求められます。だからこそ受け身ではなく、普段の学習や生活の中で「考える」ことを大事にしてもらいたいと思います。
佐藤先生 身近な事柄に興味・関心を持ってほしいですね。この問題は身近な課題に対して具体的なアクションを提示する、言ってみればアクティブラーニングと言えます。生活の中に考える材料はたくさんあるのです。
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