シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

逗子開成中学校

2018年01月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

逗子開成中学校の社会科が求めているチカラとは?

逗子開成中学校/先生
1実技と主要教科を関連づけるチカラ

一般に、受験に直結しない「実技4教科(副教科)」は二の次にしがちです。けれど、実技でバランスよく頭も体も鍛えることで、主要5教科にもプラスにはたらくのではないかと思います。実技教科も教科の枠を超えて主要教科と根底でつながっていることを伝えたいと思い、この問題を作りました。

2初見の資料からポイントを読み取るチカラ

設問文に「資料を踏まえて」とあるので、まず、それぞれのデータから何が読み取れるのかを整理します。得点率が75%程度だったことから、資料の読み取りはある程度できていたと思います。昨今の社会環境に受験生が関心を寄せている姿勢がうかがえました。

3視点の異なる資料を組み合わせるチカラ

完答の条件は、資料A・Bどちらの資料も踏まえていること、「男女ともに」という点に触れることです。部分点に留まった解答は、片方の資料だけの解答が多かったと思います。受験生の答案を見ると、視点の異なる資料を「組み合わせる」ことが難しいのかなと思いました。
記述の力としては、主語と述語のねじれなく、日本語の文章として成立していること。拙い表現でも読み手に考えが伝われば、この段階では十分です。