出題校にインタビュー!
駒場東邦中学校
2017年11月掲載
駒場東邦中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.答えを出すこと以上に、考え方(なぜそうなるのか)に興味をもってほしい。
インタビュー2/3
数学科では小テストを頻繁に行う
駒場東邦らしさという点で、感じていることがあれば教えてください。
千田先生 面倒見はいいのではないかと思います。先生方が熱心で、小テストを頻繁にやっています。ここまでやる学校はあまりないような気がします。
新しい先生がいらしたら研修会を行うなど、数学科で共有されていることを伝える機会はあるのでしょうか。
佐藤先生 同じ学年の授業を担当している先生とは、打ち合わせというほどのものではありませんが、「こんな感じでいきましょう」ということや、「小テストをいつやりましょうか」というような話など、いろいろコミュニケーションをとっています。
千田先生 私は駒場東邦に来て4年目になりますが、入ったばかりの頃はこちらからお願いして(先輩の先生方の)授業を見せていただきました。
数学科/千田 一樹先生
生徒全員に同じ内容を理解させたい
小テストは先生により異なるのですか。それとも学年として行っているのでしょうか。
佐藤先生 基本的には学年共通です。
千田先生 そこは足並みを揃えますよね。
佐藤先生 最近は「こういうところも教えたほうがいいですかね」という相談もしています。
千田先生 クラスにより、差が出ないように配慮しています。
佐藤先生 生徒全員に同じ内容を理解してほしいという思いがあるからだと思います。
授業の雰囲気はいかがですか。
千田先生 同じような能力をもつ子の集団。しかも男子だけなので、全体が同じ方向を向きやすい環境です。生徒にとっても、学びやすい環境だと思います。
小テストが学習のペースメーカー
習慣づけのために、なにかやっていることはありますか。
千田先生 やはり小テストじゃないですか。学習内容の切りのいいところで、定期的に行うので、生徒には「それを目安に勉強しなさい」と言っています。
佐藤先生 問題集なども定期試験ごとにチェックすることが多いです。生徒は学習のペースを自分で決めなければいけません。ペースメーカーになるのが小テスト。「ここまでやっておかないと小テストで間に合わないな」というように、自分なりに計画を立てて進めています。
自主性を重んじているのですね。入学後まったく勉強しない生徒さんはいませんか。
佐藤先生 やはり入試が終わったあとは、やっと終わったという晴れやかな気持ちなので、なかなか勉強に身が入らないということがあるとは思います。
もちろん学校生活に慣れることも大事ですが、その土台は学習習慣にあると思います。ですので、気持ちを切り替えてしっかりと学習に取り組んでほしいです。学習ペースをつかんでもらうために最初はこまめに課題を課すこともありますが、徐々に自主的に取り組むということを求めています。
駒場東邦中学校 掲示物
算数が得意でも数学でつまずくこともある
数学でつまずく生徒さんはいませんか
佐藤先生 中1は算数の延長上にあるものが多いので、あまりいないです。
やはり算数が得意な子が多いのですか。
佐藤先生 そうですね。多いと思います。ただ、算数から離れられないのは問題だと思います。例えば方程式も、塾で算数を勉強していればいろいろな方法を知っています。そういうものを使って簡単に解けてしまうと、実際に文字を置き、式を立てて方程式を解くという作業をやりません。やらなくても答えが出てしまうので、そこが一番難しいところだと思います。
少し抽象度を上げて、方程式という考え方でいろいろなものが解けるということを理解しようとする生徒がいる一方で、答えが出ればいいんでしょという生徒は小学校で学んだものから離れることができません。
もっと手を動かして考えてほしい
最近の生徒さんを見ていて感じる傾向はありますか。
佐藤先生 最近は高校生しか見ていないのですが、問題を解かせても試行錯誤をしない生徒がいます。入試問題でそういうところも問うてはいるのですが、なかなかそういうところを気にしてくれないというか。すぐに答えを知りたがるところが気になっています。
千田先生 こちらの解説を待つところがありますね。「自分で手を動かせばいいのに」と思うことはよくあります。どうにか効率よく解きたいという意思を感じます。
佐藤先生 ただ、生徒によりまちまちなので、一人ひとり様子を見て、手が動いていないようなら声かけをして、そこでヒントを与えることもあれば、「考えろ」という時もあります。
駒場東邦中学校 生徒が作った多面体模型
ずば抜けた力をもつ生徒は自ら学ぶ
一方で、人並み外れた能力をもつ生徒さんもいるのでは?
千田先生 いますね。
佐藤先生 数は少ないかもしれないですけど。
そういう生徒さんは授業中、どんな様子ですか。
千田先生 自分で課題を見つけています。教科書に「~であることが知られている」などと書いてあると、その証明を考え始めるなど、自分でおもしろそうなことを見つけて試行錯誤しています。暇そうな顔をしないのですごいなと思います。
インタビュー2/3