出題校にインタビュー!
駒場東邦中学校
2017年11月掲載
駒場東邦中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
1.算数の学習は日常生活につながっているということを意識しよう。
インタビュー1/3
自分の問題意識を発信する力を問いたかった
問題の意図から教えてください。
佐藤先生 従来どおり問題を解決する能力を問うなど、入試問題における方向性は変わっていないと思いますが、これから社会に出る人たちに求められる力として、自分でいろいろ問題を探して解決していく力が必要であろうと考えました。そこで自分の問題意識を発信する力をはかれる問題を出したいという意図で、このような問題をつくりました。
自分の勉強していることが、日常生活につながっているということを意識して勉強してもらいたいというメッセージでもあります。
数学科主任/佐藤 武芳先生
ささいなことでよい
実際、どのようなことを書けばよかったのでしょうか。
佐藤先生 聞かれているのが「感動したり、おもしろいと感じたりしたこと」ですからささいなことでもいいのです。いろいろあっておかしくないと思います。受験生がどこまで考えたかはわかりませんが、ほかにも問題がたくさんあるなかでの1問なので、ここに多くの時間はさけなかったのではないかと思います。最初から順に解いていき、パッと思いついたことを書いた子もいれば、最後にまわした子もいる。それぞれだったのではと推測しています。
これが5年後、算数を数学に置き換えて聞いたらどうなるのかという疑問を抱きました。たくさん感動が生まれていたらいいなと…。
佐藤先生 そうですね。数学になると理解するだけで大変ということもありますが、数学に携わっている者としてはそういう経験をたくさんさせたいと思います。
小学生なりの経験が書けていれば評価した
採点基準などの共有はありましたか。
佐藤先生 はい。解答例を設けて、基準を共有して採点しました。本人が、日常生活のなかでどのくらい意識しているか、というところだと思います。小学生が経験したものが書けていれば評価しました。小学生らしい楽しい解答がありました。
駒場東邦中学校 二代校長 高山(こうやま)政雄先生
バランスのいい出題を心がけている
問題をつくる時に意識していることはありますか。
佐藤先生 自分で考えたり、手を動かしたりしてほしいという思いはあります。特定の分野にかたよることなく学習してほしいと思います。いろいろな力を問いたいので、バランスよく出題するということを心がけています。
問3の問題から、根拠を持ちながらの数的感覚というものを大事にされているのかなと思いますが、いかがでしょうか。
千田先生 「すべて求めなさい」という出題ですので、根拠を持って求めるということが大事になります。
入試で見たいのは考える力
数の問題は、知識ももちろん必要ですが、作業して得られることを大事にしてほしいということが受け取れる問題が多いですよね。この問題が解ける子は賢いと思える問題が多いので感心しています。
佐藤先生 やはり塾などに通っていればいろいろな知識が入りますから、そういう学習してきたことをきちんと使えるかというところも見なければいけないと思いますが、私たちがもっとも見たいのは考える力です。知識をそのまま使って答えがパッと出てきてしまうというよりは、その場で考えてもらいたいという思いは大いにありますね。
合格するために乗り越えなければならない、壁になるような問題は設けていますか。
佐藤先生 それぞれの問題の中で、あるいは全体を通して、それはあると思います。
算数が得意なお子さんが数多く受けているのでは?
佐藤先生 そうですね。どちらかというと、今までも算数や理科が好きな子が多いです。
駒場東邦中学校 職員室
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