シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

鎌倉学園中学校

2017年09月掲載

鎌倉学園中学校【算数】

2017年 鎌倉学園中学校入試問題より

(問)同じ大きさの立方体をいくつか積み上げて立体を作りました。
その立体の(A)真正面から見た図(B)真上から見た図(C)真横から見た図を見て、何個の立方体からできているか答えなさい。
ただし、使う立方体の個数は最も少ない個数を考えます。

例

問1、問2、問3

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この鎌倉学園中学校の算数の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)

解答と解説

日能研による解答と解説

解答
  • (1)9個
  • (2)15個
  • (3)23個
解説

真上から見た図(Bの図)に個数を書きこんでいくと、状況がとらえやすくなります。
また、真正面から見た図(Aの図)と真横から見た図(Cの図)の向きを変えてみることも有効です。

(1)
A、B、Cを左下の図のように表すと、2と書かれた位置に2個積めば、それ以外の位置には1個ずつでよいことがわかります。
ただし、影をつけた位置は、周りの4方向に立方体があるため、積む必要はありません。
よって、最も少ない個数は、右下の図のように積んだ場合となり、個数は1×7+2=9(個)となります。

図(1)

(2)
A、B、Cを左下の図のように表すと、2と書かれた位置に2個積めば、それ以外の位置には1個ずつでよいことがわかります。
ただし、影をつけた位置は、周りの4方向に立方体があるため、積む必要はありません。
よって、最も少ない個数は、右下の図のように積んだ場合となり、個数は1×13+2=15(個)となります。

図(2)

(3)
A、B、Cを左下の図のように表すと、2と書かれた位置に2個積めば、それ以外の位置には1個ずつでよいことがわかります。
ただし、影をつけた位置は、周りの4方向に立方体があるため、積む必要はありません。
よって、最も少ない個数は、右下の図のように積んだ場合となり、個数は1×17+2×3=23(個)となります。

図(3)

日能研がこの問題を選んだ理由

「ただし、使う立方体の個数は最も少ない個数を考えます。」
問題文の最後におまけのように加えられているこの一文は、使う立方体の個数が1通りに決まらないことを述べています。いくつか考えられる状況のうち、際(きわ)の部分を明確にとらえることが求められているのです。

この問題は条件設定がシンプルで、取り組むのに特別な知識は必要ありません。
例えば、左下の図のようにア、イ、ウ、エに立方体があれば、オに立方体がなくても、真上から見たときに「立方体があるように」見えます。問題の例にある短い線(右下の図の矢印の先)が、このことを伝えています。この短い線が、非常に重要な意味を持ち、全体を左右するほどの重大な役目を持つことに、この問題の面白さがあります。

図:日能研がこの問題を選んだ理由

問題の例を通して「立方体を置かない場所があることも考えなければいけないよ」と教えてくれていますが、「立方体を置かない場所」なのかどうかを判断するには周囲との兼ね合いも考えなければならず、思考の奥行きが深まっていきます。
このように、子どもたちに算数の思考の深さをあらためて感じさせてくれる問題として、□○シリーズに選ぶことに致しました。