シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

渋谷教育学園渋谷中学校

2017年08月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

渋谷教育学園渋谷中学校の理科が求めているチカラとは?

渋谷教育学園渋谷中学校/先生
1概算でデータの傾向を読み取るチカラ

小学生が目にするグラフは、完全な比例関係にあるような“きれいなグラフ”がほとんどだと思います。しかし実際の実験では誤差がつきもので、きれいなグラフにはなりません。問1は、データの誤差にとらわれすぎず、「このような傾向がわかる」ということを概算で読み取る力を試そうと思い、出題しました。理科を学ぶうえでは、理想と現実のギャップを受け止めて全体からデータの傾向をつかみます。

2外に出て自然に興味・関心を持つチカラ

沖縄と本州で砂浜の温度が違う原因は、砂浜の色の違いにあります。問2でこの点に気づけるかどうかは、普段から屋外に出て自然に興味・関心を持っているか、フィールドに出ている経験の有無が影響したのではないかと思います。
沖縄の海で遊んだことがなくても、本州の海で砂浜を素足で歩いて「熱い!」と感じたり、波に濡れた砂浜を見て「案外黒い」印象を持ったことがあると、取り組みやすかったのではないでしょうか。

3自然界の不思議に食いつくチカラ

ウミガメは産卵や生まれたばかりの子ガメが海へ向かうシーンがテレビで取り上げられることもあり、比較的知られた動物です。けれど、卵がふ化する環境温度によって性別が決まることはあまり知られていないでしょう。これは子どもにとって大きな驚きだと思います。
いままで知らなかった自然界の不思議に出会ったとき、「ホントにそうなの?」「どうして?」と食いついてくれるお子さん、興味・関心を持って自分で調べるようなお子さんに入学してほしいと思います。