出題校にインタビュー!
日本大学三島中学校
2017年08月掲載
日本大学三島中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.子どもの力を伸ばすには、手をかけすぎずに応援することが大切。
インタビュー3/3
柔軟なカリキュラムで授業を工夫
規定の授業時間とは別に1時間、授業を設けていますが、ここではどのような教材を使い、どのような授業を行っているのでしょうか。
瀧上先生 私は昨年、一昨年と、現代口語文法問題集を使い、言葉の学習を行いました。
澤先生 私は、先ほどお話したように、古典文法(中2)を取り入れたり、プレゼンテーションやスピーチの時間にあてたりしています。教材はそのつど、検討しています。
瀧上先生 教科書を全部やると、それだけでかなりの時間を取られます。それでも、中学校の授業を担当するときにはスピーチやプレゼンテーションを入れて、授業を組み立てるようにしています。
瀧上 雅彦先生
生徒参加型の授業で生徒自身に気づきが生まれる
スピーチやプレゼンテーションをどのように取り入れていますか。
瀧上先生 私は昨年、一昨年と中1を担当していましたが、授業の中ではビブリオバトルや、教科書にポスターセッションという単元があったので、模造紙に書いて発表する、ポスターセッションを行いました。
ポスターセッションのテーマは、生徒が選んで取り組めるように2つ用意しました。1つは「学校をアピールする」。もう1つは教科書の単元にあった「1年間国語の学習をした中でもっとも印象に残った話」です。 発表は土曜日を借りて、担任の先生にも見に来てもらうかたちで行いました。 生徒の様子をビデオに撮り、後日、教室のテレビで生徒と見ると、「俺ってこんな言い方しているの?」「声が小さくて聞こえないよ」など、いろいろな気づきがあっておもしろかったです。 俳句を創って句会も行いました。詠んだ句を生徒同士で評価し、投票するというもので、これも結構おもしろかったです。
生徒会主導の勉強会では異学年と学び合う
グループワーク(学び合い)は盛んに取り入れているのでしょうか。
瀧上先生 組織立ったものはありませんが、6期生が中学生の頃からグループワークを行っていました。それこそアクティブラーニングがこんなにはやる前からです。 そのきっかけは一方通行の一斉授業ではきついなと感じたことでした。生徒が主体的に授業に参加できる方法を考える中で思いついたのがグループワークです。
生徒にも浸透し、10期生(現高3)が中学生のときに生徒会主導の勉強会が始まりました。平日は7時間授業ですが、木曜、金曜の7時間目は教科を入れていません。そこでなにをやるかは、そのつど決めています。その時間を活用して勉強会を企画し、例えば定期試験前に「得意教科を教えてあげるよ」という子が手を挙げる。それを聞いて「教えてほしい」という子も手を挙げる、というかたちで、基本的には上の学年の生徒が下の学年の生徒に教えています。
この勉強会に教員はほとんど入りません。生徒会の生徒が中心となって段取りを行い、生徒たちが参加して真剣に取り組んでいます。教えることは、相手だけでなく自分の勉強にもなるということをじかに感じるわけですから、考えようによっては究極のアクティブラーニングです。教えた側にも充実感や達成感があります。
日本大学三島高校中学校 校舎
新聞に掲載されている新しいニュースを読もう
最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
瀧上先生 小学生にぜひ取り組んでほしいことが3つあります。
- ①本や新聞をたくさん読みましょう。
- 読書体験が大切なことは言うまでもありませんが、新聞に掲載されている新しいニュースにも目を通す習慣をつけましょう。そこで得た知識が会話のもとにもなります。
- ②大人の人とたくさん会話をしましょう。
- 自分がもっている知識をつかって、たくさん会話をしましょう。
- ③挨拶をはじめ、当たり前のことをできるようにしましょう。
中学受験で親も子も成長しよう
瀧上先生 保護者には、私が我が子の受験で得た経験も踏まえて、お願いしたいことが3つあります。
- ①大人だからできる我慢をしましょう。
- 大切な受験期だからといって、過保護にならないでほしいということです。子どもが困っていると、つい手を出したくなってしまいますが、それをできるだけ我慢して、見守ってほしいと思います。
- ②親自身が学ぶ姿勢を見せましょう
- これは私の反省ですが、子どもに「勉強しなさい」と言いながら、自分はテレビを見ていて怒られたことがあります。勉強させたければ、テレビを消す、本を読むなど、大人も協力して環境をつくるということが大事なのではないかと思います。
- ③中学受験は『親の責任』です。
- 子ども自身の希望もあるかもしれませんが、子どもの将来を考えて、どの中学校を選ぶかは親御さんに責任があることを忘れないでください。親にとって、中学受験は子どもにかかわれる最後の期間かもしれません。悔いのないように取り組んで、受験という機会で親も子も成長できるといいですね。
日本大学三島高校中学校 総合体育館「桜アリーナ」
インタビュー3/3