シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

昭和女子大学附属昭和中学校

2017年07月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

昭和女子大学附属昭和中学校の数学科が求めているチカラとは?

昭和女子大学附属昭和中学校/先生
1統計データの数字を比較できるチカラ

昭子さんを選んだ解答は、「平均」を取って時間当たりの人数を比べます。
「中休みの20分」と「放課後の1.5時間」では時間の長さが違いますから、時間単位を同じにして比べます。10分あたりの利用者で比べると、中休みが4.5人、放課後が4.1…人となり、中休みの方が混んでいるといえます。

2「混んでいる」状況を想像するチカラ

和子さんを選んだ解答は、「中休みの方が混んでいるとは言いきれない」状況を取り上げて説明します。
中休みに利用した9人が20分間ずっと利用していたか、すぐに退出したかどうかなどの利用状況は、提示された情報からはわかりません。提示された情報の“あいまいさ”に気づけば、「9人全員が中休みの20分間ずっと利用していたとは限らない」というように説明できるでしょう。

3根拠を示して表現するチカラ

どちらの主張でも、賛成の根拠をきちんと示すことができていれば正解です。小学生の算数の記述力は、解答の根拠をきちんと示せるかどうかを重視しています。
この問題では、自分の図書館利用の経験を基に「混んでいる」状況を考えるといいでしょう。ただし、提示された情報と関係のない個人的な理由では根拠に乏しく説得力がありません。