シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

明治大学付属明治中学校

2017年01月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

明治大学付属明治中学校の社会科が求めているチカラとは?

明治大学付属明治中学校/先生
1当事者意識を持って考えるチカラ

入試では、考えさせる問題、それも一段階深く考えさせる出題を意識しています。この問題のように、「あなたならどうしますか」という問いは本校の大きな特徴と言えます。広い視野と柔軟な思考で当事者意識を持ち、答えのない問題に取り組んでほしいと思っています。
「自分ができる取り組み」としては、「戦争についての知識をもっと増やしたい」「戦争のことについてもっと知らなければいけない」などの意見がありました。中には「自分から情報発信する」というように、自分のことだけでなく、周りに働きかけようとする姿勢が見られた受験生もいました。

2 与えられた資料から情報を読み取るチカラ

設問文に「表も参考にしながら」とあるので、表から読み取ったことを書きます。こんな読み取り方もできるかなと思える事柄が少しでも書かれていれば点数をあげられますが、表を無視して、自分が知っていることだけを羅列した答案は点数をあげられません。
戦争についての世代別の正答率データからは、戦争が風化している現状と同時に、 戦前・戦中世代でも戦争を正しく理解できていないことも読み取れます。ここまで読み取れた受験生はごく少数でした。情報を深く読み取る力は中学入学後に鍛えます。

3設問の意図をきちんととらえるチカラ

最近の文章記述の答案を見ると、設問で問われるものとは別の事柄を答えて得点を落とす答案が目立つようになっています。受験勉強で「このグラフが出たら、ここを読む」という解き方のパターンが強くインプットされているせいか、設問文をきちんと読まずに反射的に知っていることを答えてしまっています。
まず設問をきちんと読んで、何が問われているのか把握しましょう。キャッチボールするようなつもりで問題に取り組んでもらえたらと思います。早合点してどんどんボールを投げ込まないで、まずこちらが投げているボールを受け取ってください。