出題校にインタビュー!
立教池袋中学校
2016年12月掲載
立教池袋中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
1.初めて見る設定とグラフを受験生に提示
インタビュー1/3
「目新しい設定」と「グラフ」が作問のポイント
吉田先生 入試問題の作問で心がけているのは、「受験生が初めて見るような設定」と「グラフを用いること」です。見たことがない問題だけれど、知識を使って類推すれば正解にたどり着けるような設定を選んでいます。
生物分野はグラフを用いることが多いと思います。このグラフはインターネットの検索で見つけました。見慣れた直線的な変化とは違い、曲線的で、見たことがないような変化をしています。このグラフを使って問題を作れないかと思い、グラフからどんなことが読み取れるかを問題に落とし込みました。
宇津木先生 「光合成」は入試問題としてはよくあると思いますが、ハウス栽培を切り口にした出題は珍しいのではないでしょうか。初見の問題でも、「見たことがないから」と放り出さずにあきらめないで取り組んでほしいと思います。
理科/吉田 清典先生
なぜイチゴをビニールハウスで栽培するか
宇津木先生 この問題を含む第1回入試の平均点は、50点満点で29.7点、得点率は約60%でした。この問題の正答率は、問1が65%、問2が76%、問3が35%でした。
吉田先生 イチゴは近年、冬のフルーツとして定着して冬に大量出荷されるようになりました。そのことを知っていると、問3は正解を選ぶことができます。選択問題の場合、与えられた情報から読み取って選んだかどうか答案から見極めることはできません。中には偶然正解する受験生がいるのではないかと思っていたので、正答率が35%と低かったのは少々意外でした。
ビニールハウスで栽培するのは、外気より暖かい環境で育てるためです。そのため外気温が低い1~3月は、ハウス内に冷たい風を入れるのはよくないと考えて正解を選んでもらいたいところです。
1問1分ペースで解く中で、慌てずきちんと読んで
この問題が解ける受験生はどんな力があると思われますか。
吉田先生 まず、状況をきちんと整理できることです。問1の選択肢は似ていますが、低いor高い、夜間or昼間、増加or減少というように、選択肢の一部が違う紛らわしい文章になっています。きちんと読んで情報を整理できる力があると、問1は正解できたのではないかと思います。
本校の理科の入試問題は25問、入試時間30分ですから、およそ1問1分ペースで解いていかなければなりません。設問文を斜め読みして適当に選択肢を選ぶと間違えてしまうような問題になっています。限られた時間の中でも丁寧に読んで状況を整理し、判断してほしいと思います。
問2は、明らかに「これだ」という選択肢がありません。また、一見してすぐ「違う」と外せる選択肢も入れていないつもりです。何を聞かれているのかをしっかり理解した上で、条件に当てはまるかどうか1つずつ吟味していかなければなりません。反射的に答えるのではなく、慎重に解いてもらいたい問題です。
立教池袋中学校 地学実験室
インタビュー1/3