今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
芝浦工業大学柏中学校
2016年01月掲載
2015年 芝浦工業大学柏中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
左下にある九九の表を使って、右下のような100との差を考えた表を作りました。これを「百ひく九九の表」と呼ぶことにします。この「百ひく九九の表」について後の問いに答えなさい。
一の段 | 1 | 2 | 3 | 4 | … |
---|---|---|---|---|---|
二の段 | 2 | 4 | 6 | 8 | … |
三の段 | 3 | 6 | 9 | 12 | … |
四の段 | 4 | 8 | 12 | … | … |
… | … | … | … | … | … |
九の段 | 9 | 18 | … | … | … |
百ひく九九の表
一の段 | 99 | 98 | 97 | 96 | … |
---|---|---|---|---|---|
二の段 | 98 | 96 | 94 | 92 | … |
三の段 | 97 | 94 | 91 | 88 | … |
四の段 | 96 | 92 | 88 | … | … |
… | … | … | … | … | … |
九の段 | 91 | 82 | … | … | … |
(問)
表の中でという形で囲まれた5つの数の和が420になるとき、5つの数のうちで最も下側にある数はいくつですか。考えられる数をすべて答えなさい。
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この芝浦工業大学柏中学校の算数の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
76、80、82
解説
「百ひく九九の表」と「九九の表」を行き来しながら、決定していきます。
まず、「百ひく九九の表」で考えます。
下の図のように、ア~オとします。
このとき、ウに入る数はア~オに入る数を平均した値となります。
420÷5=84……ウに入る数
次に、「九九の表」で考えます。
「九九の表」では下の図のように、カ~コとします。
「百ひく九九の表」で84になるということは、「九九の表」では100-84=16です。よって、クに入る数は16です。
かけ算九九の中で16になるものは、2×8、4×4、8×2の3通りが考えられます。
そこで、それぞれの場合について、コに入る数を求め、再び「百ひく九九の表」に戻り、オに入る数を求めます。
2×8のとき
このとき、次の図のように考えると、コに入る数は24とわかります。
また、100-24=76より、オに入る数は76とわかります。
4×4のとき
このとき、次の図のように考えると、コに入る数は20とわかります。
また、100-20=80より、オに入る数は80とわかります。
8×2のとき
このとき、次の図のように考えると、コに入る数は18とわかります。
また、100-18=82より、オに入る数は82とわかります。
以上より、5つの数のうちでもっとも下側にある数(オ)は、76、80、82とわかります。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
子ども達にとって見なれた「かけ算九九の表」をもとにして、この問題では「百ひく九九の表」が登場します。新たなルールによって生まれた「百ひく九九の表」がどのような特徴を持っているのかをとらえるためには、既存のルールに則った「かけ算九九の表」の理解を欠かすことはできません。このように、ルールが異なる世界同士を行き来しながら、論理的に思考を組み立てていくところに、この問題の面白さがあります。
このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。