今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!
共立女子中学校
2015年11月掲載
2015年 共立女子中学校入試問題より
- 問題文のテキストを表示する
(問)表A〜Eは、映画館・温泉地・海水浴場・ゴルフ場・スキー場のいずれかの施設数を示しています。このうち、映画館・海水浴場・スキー場にあてはまるものはどれですか、それぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。なお、施設数のうち、映画館はスクリーン数を、温泉地は温泉地数をあらわします。
日本の観光レクリエーション施設数(2012年、Cのみ2011年)
(帝国書院『地理データファイル2014年度版』より作成)
A | |
---|---|
県名 | 施設数 |
長野 | 82 |
新潟 | 36 |
北海道 | 30 |
群馬 | 23 |
岐阜 | 18 |
福島 | 16 |
兵庫 | 14 |
富山 | 9 |
青森 | 8 |
岩手 | 8 |
全国 | 310 |
B | |
---|---|
県名 | 施設数 |
新潟 | 68 |
長崎 | 68 |
千葉 | 67 |
福井 | 62 |
鹿児島 | 60 |
静岡 | 55 |
山口 | 53 |
北海道 | 52 |
兵庫 | 42 |
沖縄 | 39 |
全国 | 1,177 |
C | |
---|---|
県名 | 施設数 |
北海道 | 263 |
長野 | 230 |
新潟 | 153 |
福島 | 138 |
青森 | 129 |
秋田 | 119 |
静岡 | 115 |
熊本 | 114 |
群馬 | 105 |
鹿児島 | 100 |
全国 | 3,185 |
D | |
---|---|
県名 | 施設数 |
長野 | 231 |
北海道 | 192 |
兵庫 | 162 |
千葉 | 158 |
栃木 | 144 |
茨城 | 126 |
静岡 | 90 |
岐阜 | 89 |
埼玉 | 84 |
群馬 | 82 |
全国 | 2,565 |
E | |
---|---|
県名 | 施設数 |
東京 | 342 |
愛知 | 247 |
神奈川 | 216 |
大阪 | 195 |
埼玉 | 182 |
千葉 | 176 |
福岡 | 175 |
北海道 | 119 |
兵庫 | 113 |
静岡 | 101 |
全国 | 3,290 |
中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この共立女子中学校の社会の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)
解答と解説
日能研による解答と解説
解答
(映画館)E、(海水浴場)B、(スキー場)A
解説
それぞれの施設の立地条件から考えるとよいでしょう。映画館は、映画を見に行く人が多いところ、つまり人口が多い都市に多くつくられると考えられるので、人口の多い三大都市圏をふくむEだと考えられます。海水浴場は、海のある都道府県にしかつくることができません。B以外には内陸県が含まれていることやBに沖縄県がふくまれていることから海水浴場はBだとわかります。残ったA・C・Dをくらべると、降雪量が多い地域を多くふくむAはスキー場、北海道や東北地方、九州地方、静岡県、群馬県など、火山とともに有名な温泉地が多いCは温泉地だと考えられます。残るDがゴルフ場ですが、北海道や長野県は面積も広く、ゴルフ場に適した土地が多いからだと考えられます。そのほかに三大都市圏に比較的近い都道府県が多いのは、休日に車で出かけられるような場所にもゴルフ場が数多くつくられているからだと推測できます。
- 日能研がこの問題を選んだ理由
映画館や海水浴場、スキー場の多い都道府県を「暗記している」という中学受験生はまずいません。問題をパッと見て「こんな細かいことまで知らないし習っていない」と思ってしまった受験生もいるかもしれませんが、これは登場する5つの施設がどのようなところなのかを知っていれば、その立地条件から推測して考えることができます。
例えば、スキー場は、冬に雪が多い地域にたくさんあるだろうということは想像しやすいと思います。それがわかれば、あとは5つの表の中から「冬に雪が降る都道府県が多くふくまれているもの」を探せばよいのです。「あまり雪が降りそうにない都道府県(沖縄など)がふくまれているもの」を外すという視点でも選ぶことができます。
この問題では、情報をもとにして筋道立てて推測していく力が試されているといえます。また、比較して似ているところや違うところを探す力も試されています。これらの思考力を使うことで、「知らない」と思った問題でも解決できる面白さを味わうことができます。
このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。