出題校にインタビュー!
品川女子学院中等部
2015年05月掲載
品川女子学院中等部の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.クイズ番組を見ている時のように、自分で解決したいという気持ちをもって問題に取り組もう!
インタビュー2/3
根拠を探る気持ちがほしい
生徒さんに求めているチカラを教えてください。
田中先生 わからない問題があった時に、すぐ解説に頼るところがあります。そこに大きな問題があると思っています。クイズ番組を見ている時に、答えをすぐ言ってほしくないじゃないですか。数学でも、答えを見たくないという気持ち、自分で解決したいという気持ちをもって問題に取り組んでほしいのです。
質問に来ないのはいいことなのですか。
田中先生 わからない生徒を放置するのはよくないことですが、聞きに来る前にもう少し考えてきてほしいと思うことも少なくありません。自分でとことん粘るという意味で質問に来ないというのはいいことかもしれません。
聞き方もあるかもしれませんね。
田中先生 それはありますね。「こういう場合はどうなりますか」など発展的な聞き方をしてくれると嬉しいですね。
6年間なので、途中から変わる生徒さんもいると思いますが。
田中先生 ある学年から質問に来なくなったなと思う生徒もいます。そういう生徒は数学をおもしろいと思ってくれているのだと思います。そうなれば、放っておいても勉強します。
品川女子学院中等部
記述問題では自分の考えが伝わるように書こう
ここ数年、入試で式を書かせていますが、書けるようになっている実感はありますか。
田中先生 実は書けなくなっているのではないかと思っています。小学生に筋道立てて、きちんと書いてほしいというところまで要求していません。ただ、やみくもに数字を並べるのではなく、自分がこう考えたということがわかるように書いてほしいので、そこは工夫して、書いてくれないと合格はないよというメッセージを送っているつもりです。
受験生は最後まで到達していますか。
田中先生 時間が足りない受験生ももちろんいますが、問題を飛ばそうという感じはあまり見受けられないです。出来はともかく、立ち向かってくれようとはしています。
理系にはより気持ちの強い生徒が来るようになった
田中先生 入学時に算数が好きな生徒が多いかどうかはわかりませんが、進路を決める際に、数学が好きになってくれている生徒が多くなってほしいという思いはあります。現状は、算数がもともと好きで、そういう子がさらに伸びていくというケースのほうが多いと思います。
斉藤先生 本校では高1で文理選択をさせます。過去には数学が得意ではないけれど、興味関心で理系に進みたいという生徒がいたのですが、2014年度の卒業生から新課程になり、理科の基礎科目が3つ必要になりました。そのため高1で物理をやらなければいけなくなりました。文理選択をする学年が物理を学び、厳しさを感じている時に「(理系に進むと)これよりも難しいことをやっていかなければならない」と言われると説得力があるのでしょう。本当にきちんと習得する気持ちのある生徒が理系を選択するようになった気がします。
品川女子学院中等部
試行錯誤する力
幾何の苦手の克服法はあるのでしょうか。
田中先生 ベクトルも空間になると急にできなくなる生徒が多いですよね。平面でも空間でも、基本的なことは全部同じなのに、なぜか空間になるとできなくなってしまいます。
斉藤先生 生徒は公式など、前提となる基本的な知識はわかっているのです。けれどもどこに補助線を引けばいいのか、どういう手順で考えていけばいいのか、そういうことになると、戸惑ってしまうようです。幾何の力は、結局のところ、試行錯誤をする力。この問題も、試行錯誤する力を別の形で聞いていますが、物事に対してああでもないこうでもないと考えていく我慢強さのようなものも必要なのかもしれません。
インタビュー2/3