出題校にインタビュー!
茗溪学園中学校
2015年01月掲載
茗溪学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.一つの事象に対して、専門分野だけでは対応できない世の中。幅広い興味関心を持とう。
インタビュー3/3
入学後も文章を書く機会は多い
入試問題に記述が多いですが、入学後も記述を大事にされているのですか。
重光先生 定期試験の時はもちろんそうです。公民や歴史でも記述問題をたくさん出しています。行事も多く、そのたびにレポートを書かせますので、国語に限らず書く機会は多いと思います。「個人課題研究」に向けて、中学では読書感想文を書かせてコンクールに出したり、高校では小論文に取り組ませたり…ということもしています。
読書はいかがですか。好きな生徒が多いという印象でしょうか。
重光先生 本を読む子は読みますし、読まない子は読まないです。ただ、いろいろな本を目にする機会は多いので、以前に比べれば本を読む生徒は増えていると思います。図書館も毎月新しい本を入れていて、蔵書は約7万5000冊あります。原発を取り上げている本も一つの棚が埋まるくらいたくさんありますし、3人の司書が子どもたちに興味・関心を与えてくれるので、「個人課題研究」でも原発をテーマに取り組む子がいます。
国語の授業でディベートのテーマを設定した時も、図書館で2時間くらい調べ物をしますが、司書の先生が本を自分たちで探すことができるよう指導してくれたり、あらかじめテーマが決まっていれば、関連本をたくさん集めておいてくれたりするので助かっています。
個人課題研究
高1、高2で取り組む個人課題研究は大学の卒論のようなもの
「個人課題研究」について教えてください。
重光先生 高1のSSHの関連講座として探究講座を設けていて、その一環で行っています。生徒は高1の最初から自分の興味と向き合います。教員も専門分野を中心に、「現代文学」「言語学」など、さまざまな分野のお店を開き、3週間くらいにわたり、生徒はそれらのお店を見に行きます。興味のあるお店をのぞいて、こういうふうに研究していくのかというイメージをつかんだら、生徒自身でテーマの絞り込みをかけて、一つに絞ったところで基礎研究のような下調べが始まります。それが夏休み前後まで続き、秋になるとさらに進んだ課題に取り組んで、本研究に入っていきます。
大学でいう卒論のようなものですね。
重光先生 指導教官のもとで1年間研究した成果を論文にまとめて提出するのですが、これからはプレゼンテーション能力も求められるので、発表にも力を入れています。まず学内で発表し、選ばれた30名強の生徒が筑波大学を借りて行う発表会に進みます。そこではプレゼンテーションとポスター発表を行います。ポスター発表とは、研究成果をポスターにまとめて掲示し、見にきてくれた人たちに対して説明を行うというものです。パワーポイントを使ってのプレゼンテーションでは、テーマに関連した教授の方々にアドバイザーとしてついていただき、最後の発表が終わってから司会の生徒が質問を取って、教授から批評をいただきます。フィードバックをしてもらうことにより、研究への取り組み方を高めて、生徒によってはそれが大学の研究論文にまでつながっていけばいいと思います。
理系が6割、文系が4割。国立大学志望者が増えている
やはり筑波大学を志望する生徒さんが多いのですか。
佐藤先生 人気は高いですね。昨年度の実績は21名。そのうち医学部の推薦が3名。その他は一般入試で入っています。
国立大学志望の生徒さんが多いですよね。
佐藤先生 そうですね。クラスの半分くらいは国立大学志望だと思いますが。
重光先生 SSHの関係もあり、理系が6割、文系が4割と理系が増えています。そのため、国立大学志望者が増えていきます。数学を捨てずにやっていくので、それが国立大学を受ける気持ちをつくるのだと思います。
広報部長/佐藤賢士先生
教科の連携も行っている
教科の壁を超えての取り組みは行っていますか。
重光先生 理数科目の中に探究の講座があり、エネルギーの問題などを扱う時に、理科と家庭科と国語が連携して動くことがあります。教科ごとに授業を行いますが、1年生が水、2年生がエネルギーと、実はいくつかの教科が連携して同じテーマを扱います。一つの事象に対して、専門分野だけでは対応できない世の中になったのだと思います。ですから、中高の多感な時期に、教科の連携はとても大事なことだと思います。
SSHというと理系のイメージが強いのですが、ソーシャルサイエンスという意味もあるのです。ですから、理系だけではなく文系の教員も夏や冬に研修を行っています。筑波学園都市なので、いろいろな分野の先生に講演をしていただいたり、我々が出向いてお話を伺ったりというようなことも、比較的行いやすい環境にあります。
積極性を養ってきてほしい
最後に、受験生にはどんな力をつけて入ってきてほしいですか。
重光先生 言葉に対して興味を持ってほしいという思いがあります。また、興味・関心がなければ、進んで何かをしようという気持ちにはならないと思いますので、そういう積極性を養ってきてほしいですね。
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