出題校にインタビュー!
共立女子中学校
2014年09月掲載
共立女子中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.自分の考えを端的にまとめて伝えるプレゼンテーション力を鍛える
インタビュー3/3
ブックトークで生徒の新たな一面が見えた
米津先生 「話す」表現指導としては、プレゼンテーション能力の向上を目的に中学でブックトークを、高校でビブリオバトルに取り組んでいます。高校ではLHRでディベートを行っていますが、特に高3はAO入試や医療系入試の集団討議の対策に力を入れています。
ブックトークは昨年度からの導入ですが、ビブリオバトルで他校の生徒さんのプレゼンテーションのうまさに刺激を受けて始めました。社会人になると自分の考えを端的にまとめて話す機会が多くなりますから、社会で使える力を中学の段階から少しずつ身につけるのがねらいです。ピックアップする関連本は中1、中2は1冊ですが、中3は2冊です。
プレゼンテーションは可視化できるので、資料の提示の仕方や身振り手振り、目線、声のトーンなど工夫できる要素がたくさんあります。やってみると、プレゼンテーション能力は単なる文章読解力では計れないと改めて感じました。読解は得意ではないけれど、わかりやすく説明したり、チャーミングに伝えたり、生徒は別の一面を見せてくれました。将来理系で研究員になったときにも、研究の予算獲得のために自分のやりたいことを語れるプレゼンテーション能力は強みになりますから、どんどん伸ばしたいと思います。

国語科/米津先生
群読のグループでの調整作業がまとめる力を養う
米津先生 プレゼンテーションの練習は、話すのが恥ずかしいと思わないように、声を出すことから始めます。例えば、今まで学習してきた作品を音読します。詩を音読する場合、読解したことを活かして、どこをどのように読むと主題が伝わりやすいかを考えます。生徒同士で音読を聞いた感想のやり取りもします。
群読も行っています。主題としてどの部分が大事か、それをどのように表現するかをグループで話し合います。この調整作業が結構重要なのです。自ら率先してアイデアや指示を出せるように、グループ授業も積極的に行っています。卒業生にいろいろな職種や立場の人たちのまとめ役が多いように思うのは、こうした取り組みが活かされているのかもしれません。
このように、あの手この手で「書く」「話す」授業を行っています。いろいろと試す中で、生徒は自分が評価されるポイントを見つけられます。すると「国語が一概にだめなわけではない」と自信を持つようになります。
大勢の中で自分を活かす立ち位置を見つける
米津先生 本校は伝統的に「社会に貢献できる自立した女性」の育成を目指しています。人と関わることがない仕事はまずありません。他者との関わりの中で、周りと協力しながら自分の能力を活かすことができる、どのように自分の立ち位置や役割を見つけて他者に貢献できるか、自ら考えられる女性を育てたいと思っています。本校は中学が約1000名、高校も900名以上で生徒数が大変多い学校ですから、それができる学校だと思います。
学校生活の中で、自分が活躍できる場面が必ずどこかにあります。勉強や部活動、行事も盛りだくさんですから、自分の居場所を見つけられるでしょう。
それには自分の力を活かす工夫も大事です。それは問題を解く際にも当てはまります。見たことがないからと放り出すのではなく、持っている知識と与えられた情報から何とか答えを導こうとする姿勢が大事です。そうしたお子さんならば、本校で自分の立ち位置を見つけられると思います。

共立女子中学校
インタビュー3/3