出題校にインタビュー!
世田谷学園中学校
2014年04月掲載
世田谷学園中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.問題の意図を読み取り、伝わる文章を書けるように
インタビュー2/3
身近な状況設定で問題に入りやすく
古澤先生 入試は基本問題が中心で、基礎知識がしっかり定着しているかどうかを見ます。実験・観察に沿って出題するので、実験・観察をどれだけ理解しているかも測ります。また、普段の生活の中にある不思議を科学的な視点で解く問題や、ニュースも含め身近な自然にどれだけ興味・関心をもっているかを見る問題も出すようにしています。
2014年の第1回入試の大問1は、中1の行事であるサマースクール(長野県・黒姫高原)で拾った岩石について調べるという設定です。自分がその状況にいるように、自然な流れで問題を解いてもらえるように設定を工夫しているつもりです。机の上の学習だけでなく、日常の生活にちなんだ問題を出したいと思っています。
理科/古澤 誠先生
問題文が長めの理由
古澤先生 本校の問題は、状況設定の説明を丁寧にしているため文章が長めです。実験の流れをきちんととらえてもらうためにも、ある程度の文章量を必要とします。問題を解く際は、必要な箇所にアンダーラインを引いたり、自分で整理することも必要です。この問題の実験そのものは基本的な実験ですが、温度設定が40℃の他に0℃と80℃があるので、その条件で何を聞きたいのかを読み取ります。
受験生の答案を見ると、出題の意図を読み取れていないと思われるケースが多く見られます。問題文をやや長めにしているのは、読み取りを試す目的もあります。普段から問題の意図を読み取ることを意識して、文章をきちんと読む習慣をつけましょう。この問題のように、条件のどこが同じでどこが違うのかを確実に読み取れると、正解に近づくことができます。
自分だけがわかっている文章が多い
古澤先生 生徒を見ると、文章の読み取り不足もそうですが、書けない、伝わらない文章も多い。短い文章でも、自分だけがわかるような文章を書いてしまって、相手に読ませる意識が足りません。こちらが「こういうことを伝えたいのだろう」と汲み取るのですが、それはその生徒を知っているからできるのであって、知らなければ別の解釈をするかもしれないと思われる文章が、中2までは多いですね。
塾のテストでも、子供の中ではきちんと説明しているつもりでも、客観的に見ると言葉足らずで意味が伝わらない答案はよくあります。採点者が補足しないと意味が通じない答案は不正解にします。
古澤先生 伝わりにくい例としては、「こうだから、こうなる」ではなく、「こうではないから、こうなる」という文章です。打ち消しの言葉が入るとまわりくどくてわかりにくい。相手の気持ちを想像して文章を書くことをあまりしていないのではないでしょうか。それは誤字が多いことからもうかがえます。
わかりにくい表現は、できるだけ早い段階で、そのことに気づいて修正するように注意しています。特に中1の始めはレポート提出が頻繁なので、添削で指摘したり、多く見られた伝わらない表現は授業で取り上げるなどしています。
レポートはフォーマットがあるわけではなく、実験ノートにある実験の項目(目的、方法、結果、考察)に準じて書きます。決まっているのは項目だけなので、最初は「レポートは表紙を付ける」ところから指導します。
世田谷学園中学校 古代蓮
インタビュー2/3