今とつながる学校の歴史 ~雙葉学園編~

  • Vol. 1959 : 2022/05/23

雙葉中学校女子校

私学は個性にあふれている、
それはひとつに、学校創設にいたるまでの歴史が様々だからだ。

私自身が中学から大学にかけて、ミッション校(キリスト教系)で過ごしてきたからか、
ミッション校の設立母体とそれらがいかにして日本に学校を開いたのかという歴史は興味深く、調べてみると今の
学校とのつながりをとても感じる。

イエズス会(栄光学園)、ラ・サール会(ラ・サール学園)、マリア会・汚れなきマリア修道会(晃華学園・暁星中)などあるが、

今回は雙葉学園の設立母体「幼きイエス会」についてご紹介したい。

幼きイエス会の設立は1666年のフランス。
設立者はニコラ・バレ神父。神父の家庭は裕福だったが当時のフランスは貧富の差が激しく、特に子どもの人権など認められていない時代なので、一番の被害を受けるのが子どもであったことは想像に難くない。

バレ神父は、当時修道院(と教育)の在り様が貴族・富裕層中心であったことに心を痛め、
北フランスの小村に貧しい子どもたちのための無月謝学校を開いた。
この活動に参与していた若い女性たちとともに貧しい人々への愛、無私無欲、謙遜の心で、活動をしていく共同体として、幼きイエス会が始まったのである。

当時の修道女は、隔世大修道院の中だけで暮らすのが当たり前だったが、幼きイエス会は女教師達が社会の人々の必要に応じてどこにでも出かけて行くことができるようにと、既成の修道会の形態をとらなかったそうだ。バレ神父自身もミニム会(修道会のひとつ)に属していた中で、このような革新的な活動を行うのは、とても困難なことではなかっただろうか。

そして、この幼きイエス会が、貧しい子どもの救済と布教・教育を目的として来日し、今の雙葉学園につながる。
初代校長のメール・セン・テレーズ(いわゆる外国の方)が日本で女子教育の場を創るプロセスにおいても相当な苦労があったようだ。


信念をもって素直に目的に向かって困難なことにも向き合いつづける。。。
学園の創立にいたる歴史は、今の学園の理念であり、生徒像に色濃く反映される。


そういえば何年か前に雙葉に進学した生徒、「雙葉に絶対合格する!」と強固な意志で、苦手なことにも向き合いながら中学入試を迎えていた。
そして進学して数年たった今も、学内の活動や学業において常に目標をもって全力で楽しんでいる。
もともとの彼女の性格でもあるが、雙葉に進学してさらに洗練されたなと感じる。

雙葉生は溌剌(はつらつ)として心が強い・・・
ひとくくりにキリスト教カトリックの学校といっても、その生徒像や学校の雰囲気はそれぞれ異なり、その背景から探ると、またひとつ学校の魅力に気付くことができる。


≪雙葉中学校のホームページはこちらから≫

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