日能研に通い始めたのは小学4年生の時でした。
中学受験という選択肢があることを知り、自ら塾に行きたいと言い出しました。
小4最初の授業の帰り、真新しいNバックを背中に駅で写真を撮りました。その時はまだまだ先は長いなと思っていましたが、振り返るとあっという間の3年間でした。
うちは、夫婦ともに関西出身です。"御三家"も知らず、関西でも知名度がある大学附属の学校くらいしか分からない状態からのスタートでした。
日能研で言われたように、まずは"別学or共学"、"進学校or附属校"を絞ることから始めました。
"別学or共学"については、娘が「女子女子した感じは苦手だし、今の塾の雰囲気が好きだから、共学で!」というので、共学に決定。"進学校or附属校"は私自身が附属校出身で、もっと多くの選択肢からやりたいことを選びたかったという想いがあったため、進学校を中心に見学にいこう、ということになりました。そして、通学はドアtoドアで90分以内と決めました。
5年生になってからコロナも落ち着き、人気アーティストのコンサートのチケットを取るかの如く、ミライコンパスで必死に文化祭や学校見学を予約しました。そして、第一志望に決めていた学校の予約が取れ、見学に。しかし、娘は終始浮かない表情。帰りの電車で「思ってた感じと違う・・・」と言い出しました。
「えっ?まぢか・・・」
またイチから学校探し?お母さん、もう知ってる学校ないけど・・・
親子で志望校迷子になり、その日すぐに先生に相談しました。
先生からは「共学でも女子校でもやっていけるタイプだと思いますが、個性を伸ばすなら女子校もいいですよ。1度見に行ってみてください。」と言われました。
慌てて、方向転換し、娘に合いそうな学校を教えていただき、順番に見に行きました。
色んな学校をみるうちに娘が「好きだ」と思う学校がどんな学校か掴めてきました。"女子校"とひとことでいっても校風、宗教の有無、生徒と先生の関わり方、授業の進め方・・・それぞれ特色があることが分かってきました。
ある学校では、学校見学の途中に実行委員の生徒さんが「そこ通路なのでこっちで話してください」と校長先生に指示を出す姿があり、なんてフラットな関係なんだと感心しました。生徒が自分自身で考え動く姿を目の当たりにした瞬間でした。
また、土地勘もないので、実際に行ってみて通えるかどうかも確認しました。乗換案内で調べると「遠いな」と思ったところでも、実際行ってみると乗換が便利でスムーズだった、ということもありました。逆に乗換案内では通学範囲だと思っていたけれど、学校側に生徒さんの居住地を聞くと、うちの家の近辺から通学している人はほとんどいないことが判明したこともありました。
情報やイメージに惑わされず、実際に行って、見て、生徒さんや学校の先生と話すことの大切さを実感しました。生徒さんに「なぜこの学校を選んだの?」と聞いてみるのはおすすめです。返ってくる答えは、その学校をとてもよく表していると思います。
また、子どもに合った学校を探すとき、塾の先生のアドバイスは大変参考になりました。高学年になると親が知らない塾での社会的な姿というものがあり、その一面も踏まえて学校を検討しました。
6年になり、やっと志望校が固まりました。日特では志望校が同じ友達も出来、友達と一緒にその学校に合格したいという気持ちが日に日に強くなりました。
フルタイム共働きのため、勉強に関しては何もサポートしていませんでした。
自分で丸付けして、分からないことは先生に質問。6年生になってからは、授業後に1時間質問することも多々ありました。夫がコインパーキングへ貢献した100円玉は数知れず・・・塾が入居するビルの警備員さんとも顔見知りになり、「お疲れさまです」と声をかけられるまでに・・・
質問に対応いただいた先生方には感謝しかありません。
そして、同じクラスのメンバーは同志でした。切磋琢磨し、このクラスのメンバーだったからこそ、ここまで頑張れたと思っています。前期日特最後の日とお正月の志望校別講座の日にみんなと撮った写真は、受験当日にお守りとして持っていきました。
結局、埼玉の共学校1校と埼玉の女子校2校、東京の女子校2校を受験しました。
どこの学校も個性を尊重し、自律を育む教育をされており、親としてはどこの学校に進学してもよいと思っておりました。
受験後、「国語の答案用紙の受験番号の欄に日能研番号を書いた気がする」と言い出し血の気が引いた日もありましたが、有り難いことに受験した学校全てから合格をいただきました。結局、娘が第一志望としていた女子校に進学することになりました。
母はお弁当を作り、せっせと湯たんぽを温め(冬の勉強に湯たんぽはおすすめです)、学校を休んだ1月に運動不足解消のため一緒にラジオ体操をしただけですが、振り返ると楽しい日々でした。色んな景色を見せてくれた娘にありがとうの気持ちでいっぱいです。
日能研での出会いに感謝し、新しいステージへ羽ばたいて欲しいと思っています。
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- 今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。