娘の中学受験生活の始まりは、4年生でした。「自分で考える」ということを大切にする日能研の授業は娘にとって非常にワクワクするもので、体験授業を受けてすぐに入塾を決めました。
4年生のときはまだコロナ禍ということもあり、実際に学校を訪問できる機会はありませんでした。5年生の春にようやく学校説明会やオープンスクール等で学校訪問ができるようになり、行きたいと思う学校が見つかりました。
行きたい学校が見つかったとは言え、そこを目指す本人のやる気はなかなか上がりません。やらなければいけないとわかっていても、大変なことや面倒くさいことを避けて通りがちで、「このまま受験勉強を続けるかどうか」という話し合いが幾度となくありました。恥ずかしながら、ノートやテキストが家の中で文字通り飛んだことも、ゴミの日の前にビニール袋にひとまとめにされたこともありました。
天王山と言われる6年生の夏期講習では、娘も毎日午前中から自習室に行くなど受験生らしい生活を送りました。ただ、周りのみんなも頑張っている中では維持することすら難しく、成績は上がったり下がったりを繰り返し、親の不安は増すばかりでした。テストの結果が出る月曜日の午後は、毎週気が重くなりました。
しかし、6年生の秋以降に始まった過去問対策は、自分自身の好きな学校に向けた勉強ということもあって、積極的に取り組んでいました。「今日は2年前のA校の問題に取り組もう」と自ら考えるなど、受験が「自分事」になったように感じられました。
そうして迎えた本番の入試は、どの学校も娘自身が楽しみながら臨むことができました。「普段通りに落ち着けば大丈夫」と自分に言い聞かせ、その言葉通りに1月2校・2月4校のすべての学校で合格をいただきました。
決して穏やかで順調な中学受験生活ではありませんでしたが、娘が「受験を辞めたい」と言ったことは一度もありませんでした。続けていた習い事との両立がどんなに大変でも、日能研も習い事も絶対に辞めないという意志だけはとても固いものでした。
すべてが終わった今、娘は大変だった日々をすっかり忘れ、「中学受験は楽しかった」と話しています。
このように晴れ晴れとした気持ちで受験を終えることができたのは、いつも的確なサポートと叱咤激励をくださった日能研の先生方、そして一緒に頑張ってきた日能研の同じクラスの仲間たちのおかげです。
本当にありがとうございました。
山あり谷ばかりの3年間の日能研生活を振り返り、いくつかの経験を記しておきたいと思います。
◆苦手な科目(算数)への取り組み
娘が特に苦労したのが、算数でした。日々の積み重ねが大切な科目ですので、家での勉強でも最も時間を割きましたが、どれだけ頑張っても手応えを感じられない科目でした。
「計算と漢字」の計算問題や「栄冠への道」の学び直しなどは、苦手だと間違える問題が多くなり、間違い直しと振り返りに時間がかかるため、ますます後回しにしたくなり、やる気が出ないという悪循環に陥っていました。そのため、先生方に相談し、「栄冠への道」はやるべき問題を取捨選択して取り組んだこともありました。
また、応用クラスの在籍ながらも、基礎クラスの算数の補習に参加させていただいたり、基礎基本の確認のための追加課題を出していただいたりして、算数の先生方には基本の確認と苦手の穴埋めのためのサポートとフォローをずっとしていただいていました。
6年生の夏期講習テキストの共通問題(428題)をこなすのにも、苦労しました。本来なら、夏期講習中に何周も進めるはずのものですが、算数が苦手なのに加えて他の科目の授業や課題もあり、思ったように捗りませんでした。結局、6年生の後期にも継続して取り組み、先生方に添削していただきながら2周目がすべて終わったのは、入試直前の1月末でした。
こうして最後まで算数に時間をかけた結果、入試の本番では「4科目の中で算数の点数がもっとも良かった学校」や「算数1科目入試で合格した学校」など、算数によって良い結果がもたらされました。算数の先生方が本当に粘り強くご指導くださったおかげだと、心から感謝しています。
◆習い事との両立
娘本人の希望で、6年生の12月まで習い事も続けていました。時間のやりくりは大変でしたが、習い事は娘にとっての良い息抜きになっていたと思います。また、短時間に集中して取り組むことや本番に良い緊張感を持って臨むことは、習い事の経験が役に立ったのではないかと思っています。
受験勉強のために習い事を辞めるか迷われる方もいらっしゃると思いますが、必ずしも両立を諦める必要はないとお伝えしたいです。
◆Nフレンズ
夏に行われるNフレンズは、本当に素晴らしいイベントでした。
どの生徒さんも日能研の卒業生ということもあって、学校の説明会等で話を聞くときよりも距離が近く感じられました。そして、みなさんから「ぜひうちの学校に来て、後輩になってほしい」という気持ちが伝わってきました。
先輩である生徒さんたちは、日ごろの勉強や過去問の取り組み方などの自らの体験を惜しみなく話してくださり、本当に参考になりました。また、展示物(各科目のまとめノート、過去問の解き直しノートなど)も参考になるものばかりで、みなさんの努力の一端を見せていただきました。
「来年は自分が生徒として参加したい!」と話すほど、娘のモチベーションも上がりました。
◆早朝「Zoomアップ!講座」
6年生の12月~1月に行われた朝のZoom講座は、素晴らしいオプション講座でした。
本番の入試に向けて朝型の生活に切り替えさせたいと思いつつも、朝はのんびりしがちで朝勉がまったく捗らない娘だったので、この講座が朝型に切り替えるきっかけとなりました。また、直前期に、Zoomを通して一緒に頑張っているたくさんの仲間の姿が見られたことは、娘にとって非常に励みになっていました。
1月試験当日の朝も、普段通りの気持ちで過ごすために会場に向かう移動中に参加しました。そうして一度も欠席することなく完走し、2月の本番への意気込みも高まりました。
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- 今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。