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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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5連敗からの合格

  • 年度:2024
  • 性別:男子
  • 執筆者:
「お子さんは武蔵とか芝とか合ってそうですね。武蔵狙えると思いますよ」
5年生の春の面談で当時のクラス担任の先生からの一言で、我が家は武蔵受験を意識しました。
「ウチの子が御三家を狙えるなんて。でもまだ時間があるから可能性はあるかも」
そう思い始め、武蔵の学校説明会や文化祭などで校風を知るにつれて親も子も憧れを強めて行きました。

そうは言っても、所詮は小学生。5年生の間は受験生という意識はなく、偏差値は50台半ば〜後半で武蔵に受かるようなレベルにはありませんでした。
6年生の5月、後期日特受講クラスの受講資格を決める最後の模試で今までにない偏差値を叩き出し、すべり込みセーフで武蔵日特を受講できることになりました。

夏期講習でほとんど休みの日がない夏休み、自宅でもメモリーチェックや算数の共通問題428題を繰り返しやり、基礎固めをしました。
9月からは公開模試受験後の振り返りを徹底し、並行して時間が取れる時に過去問を解いていきました。息子の場合、やった問題の振り返りが嫌いで、妻が一緒にやり直してあげていました。解説を見ても分からない問題は塾で先生に聞いてくるようにし、分からないままで放置しないようにしました。11月までは塾の宿題と模試の振り返りで過去問はあまりこなせませんでした。12月、塾の宿題がなくなり過去問を解く時間が取れるようになりました。この頃はまだ志望校の合格最低点を取れることは少なかったです。

1月、前受けとして栄東を受験しました。2回受けて2回とも不合格でした。栄東は合格最低点と自身の得点を開示してくれるのですが、数点差での不合格でした。1点、数点の重み、本番の厳しさを感じました。息子もショックだったようで、その後の勉強に向かう姿勢が変わりました。本人が本当の意味で本気を出したのはこの時からだったと思います。しかし、武蔵の過去問はどうしても合格最低点に届くことができませんでした。特に算数は問題によって出来不出来の差があり、本人もだいぶプレッシャーを感じており、親としてはこのまま2月1日に突入するのは危ないと感じていました。

芝の学校説明会で校長先生が「第一希望を3校考えておくこと」とおっしゃっており、我が家は武蔵、芝、K中学の3校を第一希望にしてきました。
栄東の不合格、武蔵の過去問の状況から、2月1日受験校をどうするか、親子で相談しました。本人は迷っていましたが、私の「武蔵にこだわらなくても、どこも素晴らしい学校だからきっと楽しい6年間が過ごせるよ」という言葉が効いたようで、本人が「芝にする」と決めました。受験1週間前のことでした。後から聞いたら武蔵を諦めたら親が残念がると思っていたようで、あまりにも武蔵、武蔵と追い込んでしまっていた事に反省しています。

そこからは芝の過去問をやり込んで2月1日を迎えました。1日芝1回目、不合格でした。芝への思い入れや、試験の手応えもあったのか、結果に息子は大粒の涙を流して泣きました。親は涙をじっと我慢。次に目を向けることに気を遣いました。

1日午後S中学、不合格。2日午前S中学、不合格。埼玉前受けからここまで5連敗。へこんでいる息子を連れて日能研に行き、先生とお話しました。各教科の先生総出で息子を励ましてくださり、明日の受験はきっと受かると自信を取り戻しました。2日夜、2日午後受験校の発表。合格でした。6回目にして初めていただいた合格で、家族で大喜びしました。気持ちも楽になり、3日のS中学受験も合格をいただきました。
翌4日は最後の受験、芝の2回目です。今までの努力を出し切れるよう、最後まで諦めずに、でも落ち着いて受けるようアドバイスして送り出しました。試験後、教室から出てきた息子はやり切ったという表情で、受験が終わったことに安堵しているようでした。

4日夜、芝の発表。合格でした。本人はあっけらかんとしていましたが、私、妻、妹は大号泣。日能研の先生も今年1番嬉しい合格かもしれないとおっしゃってくださいました。憧れ続けた武蔵には届きませんでしたが、武蔵を志望していなかったら芝の合格もなかったと思います。おかげさまで第一希望のうちの1つとして考えていた芝にご縁をいただき、本人も親も納得のいく結果になりました。

妻は在宅勤務中、勉強する意欲が湧かない息子を机に向かわせたり、塾のお弁当を作ったりしました。4歳下の妹はお兄ちゃんが勉強している間は観たいテレビを我慢していました。私は塾のお迎えや夜中までかけて過去問のコピーなど。本人が頑張ったのはもちろんですが、家族みんなで息子を支え、勝ち取った合格でした。

今息子は中学1年の5月。色々な部活に顔を出し、どの部に入ろうか迷っているところです。人格形成も重視している芝学園で、6年間勉強も部活も頑張って、夢中になれるものを見つけ、たくさんの仲間を作り、立派な青年に成長してもらいたいと願っています。

最後になりますが、親にもたくさん声を掛けてくださり、ずっと親身になって見守ってくださったK室長、4年生の時から3年間ずっとお世話になりっぱなしだった算数のS先生、国語の記述問題をたくさん添削してくださったY S先生、楽しいトークで人気者の社会のHことK先生、多くの先生方、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。今後も皆様の手厚いサポートで後に続くお子様達が多くの栄冠を手にされることを祈念しております。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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