我ながらのんきだったなと思ってしまう。6年の夏期講習の前に志望校を駒場東邦中学校に決めた。親は何の反対もしなかったが、偏差値は3ポイントほどとどいていなかった。夏期講習が始まって算数の先生に「この夏で必死にやって成長しよう」と言われたが、算数の課題を期限に間に合わせることができなかった。そんな自分が恥ずかしくてたまらなかったが、本気になることができなかった。
少し危機感をいだいたのは駒場東邦の算数の過去問を初めてやった時。36点だった。それから5年分やってもずっと30点台で焦っていた。国語、社会は合格者平均点より上を取っていたが、理科は受験者平均点を取れるぐらいだった。反抗期がまだ残っていたこともあって「勉強して」と言われてもあまりやろうとはしていなかった。
しかし1月受験で栄東東大特待と市川が不合格で「勉強をしなければ落ちる」と思い、残りの十日で死に物狂いで理科と算数をやった。
受験当日は初めて緊張したが、先生の応援でリラックスして試験を受けることができた。試験が終わった後はやりきったという感覚だったが、すぐに午後の東京農大に移動した。東京農大はそこまで悩むことなく解ききった。1日試験が全て終了して家に帰った。その夜は不安であまり眠れなかった。
2日は桐朋の試験だったが、試験中に駒場東邦の発表だった。試験が終わった後、駒場東邦の結果を見た。その時、自分の番号があった瞬間を僕は一生忘れない。
受験生に言いたいことは、自分が一番だという自信を持って受けてほしい。自信は文字どおり自分を信じること。あとは、受験会場で誰かと話している人がいたら、こいつは不合格だと思って試験に臨もう。保護者の方も子供に、勉強を任せられているという自覚持つような声掛けをし、責任感を持たせてください。
自分を、子どもを、信じよう。
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