令和6年2月4日。
「あった!受験番号X001番!」
パソコンの画面に自分の受験番号があった。今まで体験したことのない重たい4日間のプレッシャーから、一気に解き放たれた瞬間だった。
高輪中学校に合格できたことは今まで生きてきた中で一番感動したことだ。
2月1日の第一志望校 芝中学校、そして2月2日の第二志校 高輪にも落ち、赤穂浪士に取り囲まれた吉良上野介のように私の心は追い込まれてしまった。増上寺のお守りを持って泉岳寺の門をくぐったことでそうなったのではないだろうか。色々とネガティブなことばかり考えてしまう。
赤穂浪士の悪い呪縛から解き放たれるために、私にとっての駆け込み寺である日能研に向かった。実は埼玉受験の時にも、1回目に落ち、ここで敗因についてしっかりと振り返った結果、2回目の試験で合格したという成功体験があった。再び、ここまで支えてくれた先生から喝を入れてもらった。次は赤穂浪士が私の味方になってくれると信じ、再出陣の強い心を作ることができた。
この感動は自分一人で作り出せるものではない。これまで厳しくも優しい言葉で諭してくれた日能研の先生方、受験勉強に集中するために休団を許してくれた少年野球チームのコーチ達、受験直前に応援のお手紙をくれた小学校の先生、車での送迎をしてくれた父、お弁当を届けてくれた母、たくさんの自分応援団のおかげで合格という結果につながったと思っている。
高輪では野球部に入りたい。きっと勉強を優先し、野球を満足にできなかったもどかしさを経験した同じような仲間がいるはずだ。だから6年間、文武両道でそんな仲間たちと一緒に頑張っていきたい。
赤穂浪士のように同じ強い意志を持った仲間と支えあい、高校3年の夏に満足する野球部の引退をしたい。次の感動のため、大学受験に全力で取り組む未来を見据えている。
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