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イベント

パネルディスカッションレポート

私立中高一貫校 帰国生OB&OGによるパネルディスカッション
帰国子女相談会 in 東京 (2012.7.29取材)

去る7月29日(日)開催の帰国子女相談会への多数のご参加、誠にありがとうございました。
当日開催の「私立中高一貫校 帰国生OB&OGによるパネルディスカッション」の模様をレポートします。
現在、大学に通う先輩の語る、海外生活、帰国してからの受験、中高生活、そして進路選択に、参加者は熱心に耳を傾けていました。
第一部、第二部に分けて開催いたしました。
第一部では、啓明学園かえつ有明頌栄女子跡見学園ご出身の方々、第二部では、渋谷教育学園渋谷同志社国際加藤学園暁秀ご出身の方々にお話いただきました。
全体を通じてのディスカッションを以下にまとめました。

『現地での生活』


一人を除く全員が現地校に通っていました。
現地校に通う傍ら、週末に日本人学校に通う、または、通信教育で日本語を学ぶ、といったように日本語の維持・向上のための学習機会を持っていたそうです。
滞在国や時期によっては大変貴重な経験をすることができた人もいました。

▼ 啓明学園卒業生
国旗南アフリカにいたころはちょうどアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃された直後でしたので、黒人の社会進出が進んでいた頃でした。
また、現地校に通っていたので様々な人種、黒人、白人、インド系などの人と交流していました。
そして、ウガンダとインドネシアではインターナショナルスクールに通っていたので学校では更に多くの国からの子がいました。
ただ、インドネシアにいた頃は9.11テロの後であってイスラム教が世界の脅威となっていた頃だったので幼いながらも色々と考えさせられました。

『帰国が決まってから帰国まで』


海外での滞在年数により、帰国することについての捉え方に違いがあります。
滞在年数が短い場合は、「もっと滞在したい!」という気持ちが強くなるようです。
逆に日本での生活よりも海外生活が長い場合だと、「日本は帰るところではなく遊びに行くという感覚の国」や「帰国するまでは自分のことをアメリカ人と勘違いしていた」というように、日本は外国という位置づけになるのかもしれません。
にもかかわらず、帰国後の生活について困ったことは?との問いに対し、意外にも全員が特に困ったことはないと回答したこと。すぐに順応できたようです。

『志望校』


学校選択のポイントとして、多くの方が重視されたのは、帰国生を受け入れる環境があるか否かということ。
具体的には、進学した学校に語学力を維持・向上させることができる環境があるかどうかということです。このことについてはほぼ全員が重視していました。
これらの情報については、学校説明会、個別相談会、学校HP等で入手するのが一般的のようです。

『中高時代』


多くが帰国生受け入れのしっかりとした環境がある学校へ進学したことから、海外での経験や語学を活かしつつ、充実した学校生活を送ることができたようです。
中高時代に語学力を維持するために意識的にしたこととしては、兄弟姉妹とは英語で会話する、ドラマや映画を観る、英語のウェブサイトを見る、英語に触れる機会に積極的に飛び込んでいく、などがあげられました。

『進路選択』


皆さんから、海外生活での経験に関係した将来の目標を持っていることがうかがえ、その目標を実現するために進路を選択したと話してくれました。
語学を活かした仕事、外交官、海外で働きたい。幼少期の貴重な経験が将来の夢に大きく影響しています。
今回パネラーの中に海外の大学へ進学された人がいました。
海外の大学へ進学しようと思ったきっかけ、そのための準備について語ってくれました。

▼ 渋谷教育学園渋谷卒業生 ハーバード大学へ進学
学生高校に入るときに先輩が渋渋から初めてハーバード大学に合格しました。
それまでは漠然と日本の大学に行くと思っていた自分はかなり刺激を受け、海外大学も選択の一つとして考えるようになりました。
そこから課外活動も積極的に参加し、英語も頑張るようになりました。
高2の夏休みにハーバードのサマースクールに1ヶ月参加し、あちらの寮で生活し、そこで授業を受けることによってここで学びたいという気持ちが強くなり、海外大学一本に絞るようになりました。
もともと理数系科目が得意でしたが、模擬国連活動などを通して国際問題にも興味を持ち始めましたので、大学入った後に専攻を決められるアメリカの教育制度の方が自分にあっていると思いました。
また、親元を離れ、世界各地から優秀な生徒、教授が集まっている環境で勉強したいという気持ちも強かったです。
アメリカの大学受験は日本のとは大きく異なり、統一試験(SATやTOEFL)以外にも学校の成績、課外活動、エッセイ、面接などなど様々なものが総合的に評価されるものです。
渋渋では毎年1,2人海外へ行きますので、海外受験に関するノウハウは先生方も知っていますので、サポートはかなり手厚かったです。
先輩などからのアドバイスも参考になりました。
それ以外の部分は自分で調べて自分でやりました。

『受験生にエール』


パネルディスカッションに参加してくださったパネラーの皆さん全員が異口同音にはげましのメッセージを発信してくれました。
「異文化での生活はかけがいのない経験。誰もができることではない」「大変恵まれた経験。その経験を先々の人生に反映させられると良いと思う」というように・・・。

▼ 跡見学園卒業生
家族海外に家族で滞在する機会というのは誰もが簡単に出来ることではないということを覚えておいて欲しいです。
また、この与えられたチャンスを受験やこの先の人生に生かしてもらいたいです。
保護者の方には、受験には子供の意見を尊重して、親と子が納得のいく学校選びをしてもらいたいです。


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