
帰国生OG編 帰国子女相談会 in 実践女子学園 (2009.7.26取材)
去る7月26日(日)開催の帰国子女相談会は、多くの方のご参加をいただき、誠にありがとうございました。当日、各参加校の個別相談と並行して、跡見学園、渋谷教育学園、頌栄女子学院、横浜英和女学院を卒業した帰国生OG4名による体験談と、GSC〈グローバルスタディーズクラス〉を開設して2年目を迎えた実践女子学園の在校生(帰国生)保護者による体験談を聞くパネルディスカッションを行いました。多くの皆さまに参考になる情報やアドバイスがありましたので、ここでご紹介したいと思います。
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帰国生OG編 part 1
『自己紹介』
- ▼ 司会
それではお時間になりましたので、始めさせて頂きたいと思います。実は私も帰国子女ですので、英語で簡単に自己紹介をさせていただきます。(以下英語)本日の司会進行を努めさせて頂きます。本日は、素晴らしいお天気の中で皆様にお集まりいただき、心から嬉しく思っております。ずいぶん昔になりますが、私自身も父の転勤の関係で4年ほど家族でアメリカのニュージャージー州に滞在しておりました。その後、大学に入学する時に帰国をしましたので、私学の中高受験の経験はないのですが、そのような形で帰国し現在に至ります。では、彼女たちにも自分たちの滞在していた国の言葉と日本語で自己紹介をして頂きたいと思います。

- ▼ TI
- (英語で)おはようございます。跡見学園中学校高等学校の出身で、小学校4年生から6年生までニューヨークにいました。現在、上智大学の外国語学部英語学科に進学し1年生です。今年の夏休みから、イギリスにありますケンブリッジ大学に留学することになりました。今日は、1日宜しくお願い致します。

- ▼ TS
- (英語で)おはようございます。渋谷教育学園渋谷中学高等学校出身で、今年の春に卒業し、現在は慶應義塾大学法学部法律学科の1年生です。私は小学校4年から中学1年の終了時までイギリスのロンドンに住んでいました。宜しくお願い致します。

- ▼ OY
- (英語で)おはようございます。私は頌栄女子学院中学校・高等学校に通っておりました。現在は慶應義塾大学法学部政治学科の2年生です。小学校1年生から3年生終了までの3年間、アメリカのメリーランド州に住んでいました。宜しくお願い致します。

- ▼ YM
- (英語で)こんにちは。私は横浜英和女学院中学・高等学校の卒業生です。今は東京女子大学の現代文化学部の言語文化学科2年生です。私はイギリスで生まれて生後3ヶ月の時にドイツに行き、2歳の時にルクセンブルクに移り、4年生の時に日本に帰って参りました。宜しくお願い致します。
『現地での教育』
- ▼ 司会
- ありがとうございます。彼女たちが現地でどのような教育を受けてきたかというお話を聞きたいと思います。TIさんからお願いします。
- ▼ TI
- 私は小学校4年から6年生までニューヨークに住んでいました。学校は、コネチカット州にありますグリニッジ日本人学校に2年間通っていました。インターナショナルスクールや補習校の経験はなかったのですが、2年間日本人学校に楽しく通っていました。
- ▼ TS
- 私は小学校低学年の間は日本にいて、4年生の時にロンドンに行きました。アクセントがアメリカなまりなのは、アメリカンスクールに通ったからです。イギリスに行ったばかりの時には英語ができませんでしたので、ESLのプログラム(=第二言語としての英語)がある学校を探して、まずインターナショナルスクールに入りました。そこでは周りの生徒さん達も第二外国語として英語を話している状況でした。もっと英語ができるようになりたいと思い、他にESLのプログラムのある学校を探して、アメリカンスクールという選択肢に辿りつきました。その間、4年間通じて、補習校で国語の教育は受けてきました。
- ▼ OY
- 私は小学校1年から3年生までアメリカのメリーランド州に住んでいました。月曜から金曜までは普通に現地校に通い、土曜日だけ補習校に通って、日本人が月曜から金曜まで小学校で勉強している量を、土曜日に補習校の授業と宿題で全部補っておりました。
- ▼ YM
- 私は保育園から小学校4年生までインターナショナルスクールに通っていました。水曜日はインターナショナルスクールが終わってから、国語と算数を2時間、土曜日も午前中に国語と算数の日本語の授業を受けていました。
『帰国が決まって』
- ▼ 司会
- みなさんが帰国された時点では、日本語の読み書きにはほとんど問題がなかったわけですね?では、日本への帰国が決まった時に、どんな気持ちで帰国することを受け入れ、その後受験という過程を経られたのかを伺ってみましょう。
- ▼ TI
- 私は2000年から2002年までニューヨークに滞在しました。2001年の9月11日にニューヨークでテロがありまして、その関係で安全のために帰国することが決まりました。帰国したのは2002年の5月頃で、小学校6年生になっていました。帰国したばかりの頃は、アメリカに戻りたいなぁとか、もっといたかったなぁと思っていたのですが、だんだんに乗りこえて、中学受験に備えました。
- ▼ TS
- 私は親から帰国する旨を伝えられた時、アメリカンスクールでは友達もたくさんできて生活がすごく楽しくなってきたところでした。英語もやっとできるようになったところでしたので、帰りたくないという気持ちは本当に強かったのですが、中学生がひとりだけ残るという選択肢はなく、親と一緒に来たのだから親と一緒に帰らなければいけないと自分の中で見切りをつけて帰国しました。残りたい気持ちはあったのですが、前向きな気持ちで中学に編入学できたかなと思います。
- ▼ OY
- 私は、父親の転勤の都合で、最初から3年間という滞在期間が決まっていました。残りたい気持ちもあったのですが、前向きな気持ちで帰国しました。
- ▼ YM
- 私は一度も日本で生活したことがありませんでしたので、正直なところ日本に帰国したくはなかったのです。日本の小学校にも行ったことがありませんし、どういう所だろうという不安もありました。父の仕事の関係ということと、私が小学校4年生だったということで、残るという選択権はなく渋々帰って参りました。
『受験への準備と帰国後の困難』
- ▼ 司会
- みなさんは様々な気持ちを抱えて帰国されたわけですが、中学受験までどのくらいの期間があり、小学校の間に「中学受験に向けてどういう準備をされたのか」、もしくは、「日本の生活になじむために出会った困難」というエピソードのどちらか、みなさんの話しやすい方を伺わせてください。
- ▼ YM
- 日本の生活になじむまでの話をします。初めて日本の小学校の教室に入って驚き、衝撃を受けたことは、みんなが前を向いて座っているということでした。小学校だったからかもしれませんが、アメリカンスクールでは、グループでまとまって勉強をします。日本で毎日の生活をしていく中で、両親にも何があったか話をしましたし、両親も気を遣って話を聞いたり相談に乗ってくれましたので、最初に感じた違和感はすぐに取れたと思います。
- ▼ OY
- 私は中学受験に向けた対策について話したいと思います。私は小学校4年生の時に帰ってきましたので、中学受験までは約3年間ありました。その間に、いかに英語力を低下させないかということが私の中での目標でした。現地ではほぼ毎日英語で会話していたのが、帰国してからは英語に触れる機会が少なくなってしまいましたので、週1回土曜日に原宿にある帰国生だけがいる英語教室に通って、ネィティブの先生や帰国生の人たちと会話するレッスンを取ったり、なるべく父親とは英語で会話するとか、英語の本を読むとか、ビデオを見るなどして一生懸命英語力を保持しようとしました。その他には、頌栄女子学院の受験対策のために家庭教師の方に来ていただいて、英作文の対策を徹底的にやって中学受験対策としていました。
- ▼ TS
- 私は中学1年終了時に帰国したということもありまして、中学2年への編入試験を受けました。帰国してから編入までの期間がものすごく短くて、日本のことも学校のことも何もわからないままに編入試験を受けました。特に対策はしなかったのですが、中学1年の間はロンドンにあります日本の塾に通って、そこで国語と算数の授業を受けておりました。
- ▼ TI
- 私は小学校6年生の5月に帰国しましたので、最初から帰国子女枠の受験をしようと思いました。帰国子女入試までは8ヶ月くらいしかなかったのですが、私も帰国してから英語力を維持しようと思い、帰国してすぐに英検の勉強を始めました。他には帰国子女の試験科目は国語と算数と作文でしたので、塾と家庭教師をつけて毎日国語と算数の勉強をして、一般入試でも対応できるように8ヶ月頑張りました。
『学校選びのポイント』
- ▼ 司会
- 少し具体的にお聞きしますが、学校をいくつか見て歩いた経験がある人は、どういうポイントを重視して学校を見て歩いたのか、またご自身が積極的に学校選びに関わったのかと言う点についてはいかがですか?
- ▼ OY
- 学校選びは、主に母親といろいろな学校の文化祭に行っみました。いちばん学校の雰囲気が伝わるのは、文化祭だと思います。そこで、「頌栄の帰国生は学年の4分の1を占めている」というお話を伺いました。同じ境遇の人達が中学・高校にたくさんいるということは、とても大きなポイントだと思いました。また、頌栄の文化祭の雰囲気がとても元気で溌剌として、やることはちゃんとやるけれど上品なところは上品でしたし、この学校が自分に合うと思いました。個人的には、制服がかわいいというのも女の子としてはとても嬉しかったですし、いろいろな面でみて頌栄が良いと思えましたので、この学校を選びました。
- ▼ YM
- 私も母と一緒に学校選びをしました。その中で横浜英和女学院を選んだ理由は、この学校は少人数教育で、生徒一人ひとりを丁寧に見て下さるという点に惹かれたからです。私は日能研に2年間通っていたのですが、今日の相談会会場にいらっしゃる松下先生や谷沢先生が、日能研に積極的に来て帰国生にも説明をしてくださいました。他には英語力を低下させないプログラムもきちっと組まれていますし、国語と数学の取り出し授業もあります。英語の時間に、国語と数学が不安な帰国生が教室を出て、特別に国語や数学の授業をして頂きました。また、帰国生だけが集まって話し合いの場をもつ「帰国生の会」というのがありまして、不安等も解消できるところも学校選びのポイントになりました。
- ▼ TI
- 私は何校か文化祭や普通の授業の時にも見学に行きました。跡見学園に決めたいちばんの理由は、自宅から通いやすいということでした。中学1年生の時はまだカラダも小さいですし判断力もありませんでしたので、遠くの学校に通うのが怖かったです。また、跡見学園は図書館や洗面所などがとても綺麗で、過ごしやすいと思いました。また、英語を強化する一方で日本の文化・作法やマナーを教えてくれることにも興味がありました。文化祭では先輩たちがとても明るくて楽しそうで、雰囲気が良いと感じました。また、部活動の種類が多く、中高一貫で活動していきますので、高学年と低学年が一緒になってひとつの目標に向かって進むというのも良かったと思います。
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