我が家では娘が4年生から日能研の教室にお世話になっていました。4年生の間は上のクラスの一番下辺りの成績でしたが、最終的に偏差値60前半の第一志望校と、併願で受けた更に偏差値の高い学校(60後半)の合格通知も頂きました。伸び方という意味では理想的な生徒の一人だったのではないかと思います。少しでも参考になればと思い、我が家での私の役割(妻が時間・体調の管理、私はメンタル・モチベーションと学力の向上を担当しました)にて気を付けたこと・効果があったこと・反省点を時系列・教科別にまとめさせて頂きました。
【時系列】
[~4年生]
・得意(好きな)教科を作る
私自身が理数系なので、算数が得意教科になるといいなという思いで、電車の中など時間を持て余した時に図形問題の動画を一緒に見たり解いたりしました。自分でも受験生が解くような難しい問題を解けるんだ!という体験を共有しました。おかげで最後まで算数の図形は得点源であり心のよりどころでした。
理科は、漫画やテレビ番組で紹介される科学知識を、「中学・高校で習うんだけど・・・」と言って分かりやすく説明することで、少しわかった気になって関心を持つようになりました。おかげで理科も生物など苦手な単元はあったものの、水溶液や星など得意単元も見つかり、理科という教科が丸ごと苦手になることを避けることができました。
国語か算数のどちらかが得意だと思えると、受験そのものに対して恐怖心が和らぎます。得点源になるという直接的な効果だけでなく、得意教科の勉強ならちょっとやる気が出ない時も始められる、など精神的な効果も大きいです。1つでも得意教科と思えるものができると後がとても楽になります。
・勉強を嫌いにならないようにする
この時期から受験を意識して勉強することはとても難しいと思いますし、難しい問題にチャレンジしていない時期から時間だけかけて勉強しても仕方がないと思い、この時期は「分からない部分があって取り残されていないか」と「嫌々やって勉強そのものを嫌いになっていないか」を気にしました。特に勉強しろと言ったり、宿題をやったかどうか確認したりはせず、自主的にやってその結果がどうなったかを確認するようにしました。その結果は惨憺たるものでしたが、「自分でやった(何もやらなかった)らこうなった」という事実が最後まで本人の教訓となったようです。最初から親の命令で勉強を始めていたら、おそらく最後まで(あるいは大学受験まで)親の管理を必要としていただろうな、と思います。
・読書の習慣は継続すべきだった
一時期、時間があるときは本を借りて読んでいましたが、だんだんと忙しくなるにつれて冊数も減り、最後には借りても読まずに返すような状態になっていました。特に難関校受験では「ざっと長文を読む」「主旨をまとめる」スキルが重要になってくるのですが、こればかりは一朝一夕で身に付くものではありませんでした。せっかく本を借りる習慣が身に付いたならば、時間がない時こそ「ざっと読んで」「どんな話だったか説明する」ということも習慣づけていれば、6年生後半の国語でかなり役に立ったのだろうと思います。
[5年生~6年生前期]
・塾で決められた宿題(栄冠への道 予習・復習)を管理する
4年生の間放置していた結果、成績は「上のクラスの一番下」といった状態でした。上のクラスとはいえ、自分の視界に入る範囲で一番下であるという事実は、自分自身に激甘超ポジティブな娘にとっても、さすがにかなり悔しかったようです。そこで今まで塾で指定されてきた宿題(栄冠への道の予習・復習)がやってあるかを確認したところ、明らかにやっていない。4教科半期分の表と毎週1週間分の予定表を冷蔵庫に貼って親子で確認する仕組みを作ってようやく、毎日・毎週の予習・復習ができるようになりました。すると、すぐにその成果が成績に現れ始め、どんどん席順が前になっていき、最終的に上のクラスの最前列に行けるようになりました。「決められた勉強をすれば伸びる、しなければ伸びない」という事を実感したようです。そして、「決められた勉強を継続的に行うには親に管理されないと難しい」という事も分かってきたようで、少なくともこの宿題管理のシステムについては本人も必要性を感じており、結局最後までこのシステムは継続しました。順位で席順が決まるシステムは、初めは親として少しあからさますぎて心配しましたが、順位が良い時も悪い時も本人のモチベーションとなり、結果としてよい方向に働きました(マンツーマン指導ではなくグループ指導の効果!)。
・「勉強」にネガティブな感情を持たせない
宿題を管理し始めると、どうしても、今やらなければ宿題が溜まる/溜まった宿題を解消できない、ということを強く伝えなければならない瞬間があります。その際、「勉強しろ」というのではなく、「受験したいので塾に行く、と決めたのに、決められた宿題をやっていないのは約束違反、約束を守れないならば塾にも行けない」と、決めたことをやらないという事について叱るよう気を付けました。どちらにせよ、叱られればネガティブな気分になります。その矛先が「勉強」そのものに向けられるのは得策ではありません。「宿題をしないなら塾にはいけない」、終始この概念を基準とすることで、塾の時間が増えるにつれて好きな習い事を優先順位順に諦めていくこと、パソコンの時間を制限することなどを自ら納得して受け入れることができたようです。子どもにとっては姿の見えない「勉強」のためではなく、友達がいて今まで努力を積み重ねてきた「塾に行く」ため、の方が納得感のある理由なのかもしれません。
・各教科の「苦手な単元」を自覚する
この期間は全単元を2回ほど繰り返して隔週で単元ごとのテストを受けるため、各教科における苦手な単元を把握することに努めました。「□が2つある計算が苦手なんだね」「生物が苦手なんだね」と、点数や答案用紙をみて本人に確認することで、なんとなく点数が悪かった、ではなく、そこが毎回間違える単元なのだという事を親子共に理解し、対策を立てることができました。苦手であることには理由があるため(例えば生物は虫などが嫌い、など)、そんなに簡単には克服できないのですが、意識することで本人も対策できますし、受験直前の限られた時間で対策を立てるときにも役立ちます。逆に「この単元が苦手なのだ」と思うことで、教科自体に「苦手教科」といった意識が植え付けられることを避けたつもりです。
[6年生後半~12月]
・志望校と本人の特性の相性を自覚する
この時期は第一志望校別の授業・テスト(日特など)になるため、テストの点数や本人の感触も変わってきます。正確に言えば、志望校と本人の「タイプ」の乖離が明らかになり始めます。例えば娘は「中級レベルまでの問題を確実に解けるが、上級の問題が解けない」というタイプです。中級レベルの問題を全て解ければある程度の学校には合格できるのですが、学校と教科によっては合格者平均点を下回ることもあります。逆に、中級レベルの問題よりも簡単な問題の割合が多い学校では他の受験者との差ができず、何かの拍子に落とす恐れが出てきます。「ほどほどに難しい問題傾向のある学校」が最も適切で、幸運にも行きたい第一志望校もそのような傾向がありました。なので、上級の問題を解けるようにする勉強ではなく、上級問題の小問一つでも解ければいい方略(時間配分の作戦など)をつかむことに注力しました。相性の良い学校に志望校を変えたり、志望校の特性に合わせた特訓をしたり、といった努力も必要があればするべき期間なのかもしれません。この辺りは保護者が状況を客観的にみて、先生や本人と相談しながら決めていくことになるかと思います。
・6年生前半までのテスト結果で安易に得意・不得意を判断してはいけない
この過程で一つ失敗したことがありました。それは、6年生前半まで「国語を得意科目だ」と親子共に信じていたという事です。単元によっては150点中140点、順位もクラスで1・2番というテストが何回かあったため、親子共々国語は得意科目で得点源だと思っていました。ところが、6年生後半、特に第一志望校タイプ別のテストになると、実は文章が長いと全部の問題に手を付けることすらできない状態であることに気が付きました。はじめは単に調子の悪い回もあると思っていたのですが、内容を見てみると4択の2択までは落とし込めているが多くの問題で不正解の選択肢を選んでいる(設問者の罠にひっかかっている)、問題文が長すぎて読んでいるうちに時間が無くなった、心情の機微をつかむ読解問題の記述で要点を外す、など基本的な点で点数が採れないでいることが分かったのです。つまり、どちらかというと苦手教科という事になります。これに気づいたのが1月受験中だったため、根本的な対策をとることができず、「問題文を読む速度・程度を調整して問題全体に回答できる時間配分にする」という方略を調整することぐらいしかできませんでした。6年生前半までのテストは単元ごとのテストですので、得意な単元にあたれば点数がよいのは当たり前です。しかし、実際は志望校の特性に合った「得意」でない限り、点数には結び付きません。6年生前半までの点数や順位だけで教科の得意・不得意を判断するのではなく、6年生後半のテスト内容で志望校の傾向と合わせても得意・不得意が通用するかを確認すべきでした。
[1月受験・2月受験]
・1月受験は受験の練習と思って親子共に様々な状況を体験しておく
1月受験は4校、2月受験は5校受けました。特に1月受験では第一志望校から極端に低い偏差値の学校は受けず、どちらかと言えば偏差値の高い学校を多く含めて受けました。とにかく様々な面で練習となるよう、例えば交通機関がマヒした際にホテル前泊して受験することにしていたため、その練習でわざわざ1月受験も2日連続となる日の2日目はホテル宿泊から向かうようにしました。逆に遅刻寸前で受験しても動揺しないよう、敢えて前泊せず集合時間ギリギリとなる学校も受験しました。とにかく練習なので「あんな状態でもそんなに悪い点数じゃなかったのだから大丈夫」と本人が2月に思えることを目標にしました。
・1月受験は不合格から学ぶことが多い(1月全合格だったら2月に落ちていたかも・・・)
そんな1月受験でしたが、4校中1校不合格(別の1校は予定していた下のクラスで合格)となりました。しかし、実はこの不合格こそが2月受験の成功に繋がったと思っています。もしも1月受験で全合格していたら、2月は不合格だったかもしれません。1月受験で不合格だった学校は、実は受験後の感触は悪くないものでした。そのため、不合格を知った時にはかなり驚き、ショックを受けていたようでした。更に、点数開示のない学校でしたが自己採点の結果「数点の差」で不合格であった可能性が高いこと、その数点を稼げた場所が沢山あったことが分かったのです。これには本人も深く反省し、得点源である算数では問題の読み間違い、確かめ不足などがないこと、国語は空白で出す問題がないこと、暗記で回答できる漢字・理科・社会向けに暗記を徹底することを自ら肝に銘じたようです。
・受験を重ねる度に自分の特長や弱点に気づいていく
また、「中級レベルまでの問題を確実に解けるが、上級の問題が解けない」という特長を本人が強く意識する機会にもなりました。不合格・想定クラス外の合格だった学校はいずれも共学校でした。つまり、ある程度得意だと思っていた算数も、男子向けの上級問題に対しては通用しないという結果を表しています。逆に、女子校は合格、しかも算数はそれほど難しくないという感触でした。これにより、本人は自ら、女子校であれば算数で点数を稼げる、むしろケアレスミスを徹底して無くさなければ差が埋まってしまう、今年の問題傾向が難しいものならばラッキー、と解析していました。国語での大逆転は無理なので、全問を解く努力と漢字・語句を頑張ろう、と最後の1週間の過ごし方を定められたようでした。
・1月受験は第一志望校と同じ特性・同程度の偏差値の学校を選ぶ
とにかく1月受験はお勧めです。実際に通う気持ちがないのであれば下手に安全牌の学校をうける必要はなく、むしろ「不合格があっても納得」できるような、志望校に近い合格率50%の学校を4~5校(50%の確率の4校を受ければ7/8の確率で1校は合格・不合格があるはず)、1つは合格・不合格があるように受けることが最もお薦めです。そして子供にも、練習であること、失敗や厳しい状況でも動揺しないために受けている(だから落ちることも練習)と言い聞かせることが重要です。そして、遠い受験会場が多いことから保護者が会場への道のりを事前チェックする必要もあるかと思います。
・1月は本番形式の過去問、2月直前は暗記
塾の授業がなくなる1月からはとにかく過去問に向き合いました。方略や苦手対策の最終調整です。我が家では感染症予防の目的で1月の第2週位から学校を休みました。それにより朝から時間が作れるようになるので、実際の受験と同じ時間割、同じ用具、同じ配布物・解答用紙(本からコピー)で過去問・振り返りを繰り返しました。特に国語の長文対策は過去問提出時に先生からアドバイスを受けていました。弱点の取りこぼしや、方略の方向性を確認するためにも、親が過去問の結果をみて、本人が嫌な気持ちにならない程度に分析してあげるのがよいかと思います。最後の3日間は暗記に集中しました。日特の漢字、理科・社会の苦手分野のメモリチェック(弱点克服)、500枚プリントです。3日くらいなら暗記は持続するし、1日中取り組んでも体がもつだろう、と判断しました。結果として、当日の受験の安心感にもつながりました。この3日間は親もほぼつきっきりで、暗記物のプリント用意や問題出題役などを行いました。
・2月本番は徹底して「いつも通り」に
2月受験本番は、食事も経路(電車/新幹線)も、なるべくいつもと同じになるよう心掛け、とにかくいつも通りに取りくむ、今更新しいこと・変わったことはしない、という事に心がけました。日特で散々志望校特化の授業やテストをしてきたため、むしろ2月1日の試験が一番スムーズに行けた気がします。
・合格発表を知るタイミングは一度親が考えた方がよいかも
併願校は第一志望校に合格しても受験すると決めていたので、2日目以降の判断については特に事前に話し合いませんでした。しかし、「第一志望校合格発表までの併願校合格結果を本人に伝えるべきか否か」は保護者が本人の性格を加味して事前に作戦を立てるべきだと思いました。この点は大きな反省です。我が家では1日目の午後試験の結果が当日の夜に第一志望校合格発表よりも先に分かる状況でした。つまり、2日目の朝に午後試験の結果を伝えた後、第一志望校の合否が分からないまま2日目の受験に向かう必要があります。もし第一志望校の合否が先に分かっていたら、どちらにせよ他の学校の合否はもはやそれほど大きな動揺にはなりません。しかし、第一志望校の合否が分からない状況で他の試験の不合格を知った場合、第一志望校の合否を更に不安に感じながら2日目の試験に挑まなければなりません。これに耐えられない性格であれば、「合格発表は第一志望校の合否の後」と嘘をついた方がよかったのかもしれません。日能研の先生も、その辺りは心得ていらっしゃるので、受験日朝のZOOMなどで合否を確認したりするようなことはされません。今回我が家は1日目午後の受験も合格だったので問題ありませんでしたが、その合格発表を当日夜に見ようとした瞬間に「これが不合格だったらどうしよう?明日の朝本当に伝えるべきなのか!?」と初めて自分の考慮不足に気づいた次第です。
・偏差値が高く第一志望校でない「チャレンジ校」についても考えておく
逆に、ダメもとで受けていた、第一志望校よりも高い偏差値の学校にも合格し、うれしい悲鳴ですがギリギリまで第一志望校にするかそちらの学校にするか(入学金を入金するか)迷いました。この入金締め切りが合格発表翌日の正午とかなり急であったため、この時に初めて、ダメもとで受ける学校でももう少し真面目に調べておけばよかった、通学経路も新幹線を使った場合などよく考えておくべきだったと、親子共々後悔しました。通学時間的に厳しい学校だったので、受かっても行かない、自分の力を試すために受ける、と決めてはいたのですが、いざ受かるともったいなく思え、迷うものです。2月受験は併願校であってもきちんと事前調査しましょう。受かるときには受かります。
・受験日朝のZOOMは本人にとって重要。親も1月受験でしっかり準備と練習を
受験日の朝のZOOMは、子どもにとってはとても助かるものだそうです。受験に関しては保護者以上にコミュニケーションをとっていただいている先生方ですから当然でしょう。保護者が場所や時間をセットアップして必ず受けるようにしましょう。スマホのZOOMアプリのマイク・カメラ設定の不備で話せない、といったトラブルが1月受験でありました。この時本人が思った以上に動揺してしまい、大変な事態になりました。保護者がキチンとZOOM接続の確認・練習をしましょう。新幹線の中(連結部に出て話す)、もしくは学校最寄り駅付近でスマホ+イヤホンで繋げるのがお勧めです。
・レーザープリンターがあると便利
最後に、保護者として持っていて助かった道具として「レーザープリンター」を挙げておきます。仕事の関係で2万円以下のA4白黒のレーザープリンター(スキャナー機能付き、両面印刷可能だとなおよい)を持っていたのですが、管理表をプリントしたり、塾から配布される資料を印刷したり、過去問を実際の問題用紙に近づけるためにコピーしたり(A4・B4解答用紙はコンビニでコピー)、1月受験用など塾が提供してくれる過去問を印刷したり、再現答案用に塾から提供される問題・解答用紙を印刷したり、受験情報を印刷したり、とインクジェットプリンタではためらってしまう大量印刷を気軽に素早くできるのは便利でした。
受験票や合格通知など、光沢紙に印刷したい場合はコンビニのネットワークプリントを使いました。カラー&光沢紙&A4で120円です。ネットワークプリントは暫くネット上に印刷対象を保存できるので、2月受験では念のため受験票をアップロードしておき、もしもの時に最寄りのコンビニで印刷できるようにしておきました(同じことを考える方が多かったためか、2月当日はサーバーが込み合って不調のようでしたが・・・)
【教科別】
[国語]
「国語の正解が分かるのは設問者だけ」と先生もおっしゃっていましたが、国語を教えるのは非常に難しく、ほとんどサポートができませんでした。ただ、難関校の国語は文章がとても長いので、長い文章を素早く読む(必要があればざっと読み流す)訓練のために読書を習慣づけておけばよかったと思いました。どんな話だったかを尋ねて簡潔にまとめさせる訓練も効果的かもしれません。あとは日々の漢字練習です。塾の教材を使って毎日少しずつ漢字の書き取りを続けることをお勧めします。
[算数]
算数はとにかく嫌いにならないことが一番大切かと思います。例えば、計算は面倒ですが「面倒な計算をしなくても簡単に答えを求める方法」を探すのは楽しいです。図形問題もはじめは全く分からないものが、補助線1本で解法に気づいたり、必殺技のような名前で簡単に角度や面積が出る方法を教わったりすると楽しいものです。親が一緒になって楽しみ、本人が嫌いにさえならなければ、塾やテキストで確実に実力は積みあがっていくと思います。
ただ、解法が分かるようになっても、次は時間との闘いが待っています。時間内に全問に取り組むのは非常に難しく、はじめは最後の問題までたどり着けないことも多いです。素早く計算する訓練と工夫(3.14×1~20位まで覚えるようになったりします)、問題の種類を素早く判別する能力、無理な問題を飛ばす方略が完成してくると、またそこで点数が伸びます。
最後はケアレスミスや勘違い、苦手単元を克服していくことになるのですが、多くの場合は自分で書いた筆算や式が汚くて読み間違える、式や説明を書かずに進めて後でそれを使うときに読み間違える、等が原因です。普段から式・筆算・図を丁寧に書くこと、5分後の自分のために分かりやすく何をやっているのか完結に書くこと(「1時間でできる仕事を(1)とする」など)を心掛け、実際のテストや過去問で練習していくしかありません。あまり丁寧に書き過ぎても折角時間内にできるようになったリズムが崩れてしまいます。そうやって、分かる単元の問題を確実に得点にする訓練を普段のテストや過去問で実施するのが一番かと思います。
[理科]
正直、理科は「暗記」と「読解力」に尽きます。暗記を全くしていなくても読解力・考察力があれば7~8割採れるのが理科ですが、最低限の暗記、例えば天体の運動や電気、力学等の基本法則を知っていると、読解・考察の大きなサポートとなります。生物のような暗記と、各単元の基本法則をまずはしっかりと覚えることが重要かと思います。特に苦手単元は基本法則があいまいになっている場合が多いです。そこは保護者が言語化してあげる、できれば身近な事象を例にして説明してあげる(夏は日中部屋に日が入らないけど冬は入ってくるのは南中高度が夏高く/冬低いからだね、乾電池を単一にしても単三にしても明るさが変わらないのは単一電池の中で単三電池が並列になっているのと同じなんだね、だから長持ちするだけなんだね、など)と突然すっと理解するようになります。また、覚えていない事でも身の回りのイベントや経験から導出することも大事です。生き物や草花、四季の様々な様子などに興味を持っているとそれだけでも、足りない知識をかなり補えます。
そうやって知識が埋まってきても、問題文が長かったり情報が多いと、勝手に解釈したり読み飛ばしたりしてなかなか点数に結び付けられないケースがよくあります。答えは問題文や図に書いてあるという事、設問者は問題文や図、前の小問から導いて解いてほしいのだという事を、テストの振り返りを一緒に見てあげることで繰り返し言い続けるしかないのかもしれません。
[社会]
まずは暗記です。とにかく膨大な量なので、歴史や地理、公民それぞれの分野に興味を持つ糸口を作ってあげると暗記が少しは苦にならなくなるかもしれません。歴史であれば大河ドラマ、地理であれば旅行で訪れた地や親戚の家、公民は一緒に見る番組やニュースなどで日ごろから話題にしてあげると、大人の会話に入れるのが楽しくて物事を覚えるようになってくれます。暗記ができてくると、その知識を使った考察の問題が解けるようになり、より覚えるモチベーションが上がります。例えば歴史の年号が覚えられてくると、4択問題で年号に当てはまらないものなどが分かるようになり、より暗記の重要性を自覚して覚えるようになります。本人がやる気になれば、あとは保護者が暗記をサポートする道具や習慣を設定してあげれば、ちょっとした隙間時間や国語や算数などで疲れたときの気分転換に自主的に暗記に励むようになります。道具としては、お風呂に貼るタイプの年表や透明なテーブルクロスに挟む暗記表など、ちょっとした目に付くところに置いておくものは結構効果があります。暗記ペン/シートやフリップカードなどは、効果というよりは楽しいので本人が進んでやるようになります。事前に道具だけでも与えてあげるとよいかと思います。
以上が、気持ちと学力のケアについてでした。
- ※
- 今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。