2/1。21時。少し早まって、午前受験の結果が出た。
娘は相当自信があったらしい。「私がクリックするから、動画撮って!」。最後の日能研公開公開模試は算数の偏差値が15上がったし、志望順位も3位だった。
基本的に合格圏内から外れたこともなかったし、私自身も『本当によく頑張ったね!』と言う言葉を出す予定だった。。。が、まさかの、不合格。
娘は「え?嘘でしょ・・・」と泣きもせずに画面をじっと見つめた。わたしもかける言葉が見つからない。黙っていると「明日も受けるから、申込んでおいて。とりあえず寝る」と言って、そのまま布団に入った。
そのあと、約1時間後に午後受験の発表。正直な話、ここが受かってれば2日目はいいかな?と思っていた。午後受験は、娘の得意な国語一科。過去問もいつも合格基準も超えていたし、本番の問題も『できた!』と意気揚々としていた。
『どうか合格を・・・!!』と、思いは虚しく、ここも『不合格』。時間は21:30。もう、塾は閉まってるかもしれない。でも、どうこの状況を飲み込むべきかわからない。わたしは日能研に電話した。
3コール目で、塾長が出た。『まさかの、二つともダメでした・・・』塾長の、『。。。そうかー。。。うん。』その声だけで、わたしは涙が出そうだった。そのあと、『明日は受ける?申し込んだ?』
『はい!申し込みました!その後の動きはどうしたら・・・』『うん!そうだね!明日も頑張ろう!その後の動きね!ちょっと待ってね!』塾長も絶対ショックだったのに、声のトーンを落とさずに話してくれたことが、今思えば塾長の優しさに思える。
しばらくの保留音の後、『とりあえず、2/3の東京女学館中学校は、○ちゃんなら大丈夫と思う。だけど、過去問やってないんだよね・・・。うーん。僕は、茨城と千葉で2つも素敵な学校合格してるんだから、とりあえず明日の2回目頑張るのでいいと思うよ!』と。『わかりました。因みにですが、午後校の不合格は、いつ娘に言うべきですか?』『出来たら、今!明日の朝は言わない方がいいかな・・・』『了解しました!ありがとうございます!』
電話を切る。
娘の寝ているところへ行く。
ぐっすり寝ている…。
今日はもう、そっとしておいて、明日タイミングを見よう。
2/2朝5:30
『起きて!準備するよ!』
娘は疲れが出てるのか、午後校受かってるからいいと思い込んでるのか、なかなか起きない。
わたしは思わず『ねぇ!昨日2つともダメだった!午後もダメだった!だから今日頑張るしかないの!!』
『。。。なんで?!なんで今言うの?!』
。。。塾長ごめん。気持ちを抑えきれなかった。
なんとか会場に到着し、無事、2回目の受験が終わる。
娘もかなり疲れているけど、お昼を車で食べながら、そのまま日能研へ。正に車はお通夜状態。6歳の弟の発表会で歌う歌だけが、その車内を明るくしてくれた。
塾へ着き、娘は2回目の見直しを開始。わたしは塾長と、今後の流れを再確認した。
明日3日に、千葉の3回目があり、それをどうするか決めたかった。
塾長は、『もう前受けで3つ合格してるし、そこはもういいかな?という気持ちもある』と仰った。ただ、娘はどうしてももう一度チャレンジしたいと言う。『それなら、挑戦しよう!いいと思うよ!』と、後押ししてもらい、見直し後に帰宅。
その日の21時。娘と一緒に見るのが怖くて、先に確認。残念ながら、2回目も不合格。それを娘に伝えると『なんで先に見たの?!』と叱られる。ごめん。あの3文字を、見せたくなかった。ごめん。
2/3。千葉校3回目。
学校まで繰り返される上り坂と下り坂は、娘の受験のようだ・・・と思えた。寒い体育館で待つのも、2回目。(1回目はわたしのインフル罹患によりお友達に託した)
なぜか、この学校の待機場所では、延々とカーペンターズが流れていた。
『I'm on the top of the world
Lookin' down on creation
And the only explanation I can find
Is the love that I've found
Ever since you've been around
Your love's put me at the top of the world』
こんなん、泣ける。絶対、この学校は受験生の親を泣かせにきてる。最高じゃないか。
昇降口で娘を迎えたとき、娘の顔は過去一晴れやかだった。
『辻村深月さん出たっ!!』
辻村深月は、娘が1位2位を争うくらい好きな小説家。
『辻村さんの小説が出たから、なんかもうそれだけで満足』
うん。そうだね。
『で、明日の3回目は受ける??どうする??』
『もちろん!受けるよ!!!』
『3回目は、都立向けの問題で、今までとパターンはかなり違うけど・・・』
『問題見た!最後の最後まで、チャレンジしたい』
強い・・・。
わたしならもう投げ出していると思う。
この、娘の強い意思を、挑戦を、見守るしかない。
その足で、また日能研へ向かう。
娘の手には、2/1校の3回目の2024年度の受験問題。過去一度も解いてない。長文を読んで筆者の考えと自分の考えを300字程度でまとめる問題に、算数、社会、理科は基本的な問題に記述多め。
とりあえず塾に着いて、教室にすぐ入り、問題に取り掛かる。午前中4科目受けてるから、さすがに疲れていると思う。もう、3日連続の受験だし。それでも娘は、『頑張る!』と問題に取り掛かる。
塾長が『本当にすごいよ。ここまで挑戦するって素晴らしい』と。
わたしもそう思います。誰の子?!本当にわたしの子?!と思えるほど。
その後、国語の先生と算数の先生(後から聞いた話、算数の先生は元々別の作業があったけど、校舎へ来てくださったらしい)、2人に挟まれて、採点からポイントを抑えるところまでみっちり教えていただいて、いざ!!最後の戦いへ!!!!
の、前に、今日午前に受けた千葉3回目の合格発表。なんと!ここで、まさかの合格!!!!
叫ぶわたしと娘。よくわからないけど喜び踊る弟。今までの合格も不合格も泣かなかったのに、初めて泣いた娘。
この合格は強い!!この合格を胸に、いざ!最後の戦いへ!!!!
2/4。
もう、泣いても笑っても最後。
受験の教室へ入っていくのも、慣れたもの。もう3回目だもんね。お母さんも、受付から待機場所までの流れ、慣れました。
約4時間後、受験が終わって、廊下で合流。
娘の顔は・・・意気消沈はしていない!やり切った、戦士の顔。本当に誇らしく思えた。
これがダメでも、この素晴らしい挑戦は、娘を強くした。
夜21時。今思えば、この時は一番緊張しなかったかも。倍率はえげつないし、過去問も1度だけ。
20時頃。先に受験番号の速報が出た。
199人受験して、たった39人の合格者。
。。。。
『え?ある!』
『えーーーー!!!あるー!!!!』
そこに、娘の受験番号があった。
間違いなく、あった。
3回目で奇跡を起こしたのだ。
すぐに日能研に電話。
『塾長!!!まさかの、合格しました!!!』
『えー!!!!すごい!!!』
なんだかもう、この時のやりとりは正直覚えていない。興奮し過ぎて、もうなにを話したか覚えていない。
ただ、わたしが『奇跡が起きた!』と伝えたら、塾長が『お母さん。中学受験に奇跡はないの。○ちゃんが頑張った成果。実力。でもさすがに、僕も震えてる!』と。
さらに『合格って、格が合うってことなんだよね。僕はそれを先輩に教えてもらったことがあって、正にそうだなって。○ちゃんの合格は、正に、この学校の格が合ったんだなって思いました』と。
最後の最後まで、良いこと言ってくれる!塾長!!!ありがとう!!!
こうして、娘の日能研生活が終わった。
小3の9月から3年と半年。
素敵な先生と友達にも恵まれて、娘は合格を勝ち取った。
5年生のとき、GからWに転落した時に『辞めたい!』と泣いた時もあった。それでも、娘は日能研が大好きで、転塾することもなく戦い抜いた。
合格実績でみたら、他塾の良さもあるのかもしれないけれど、娘は日能研で良かった。
塾長のまちゃ。時に厳しく時に優しく、いつも見守ってくれてありがとうございます。
2/1の21:30の電話で、わたしはかなり助けられました。いつも支えとなってくださり、ありがとうございます。
スタッフのとげ。とげの優しさに、娘はたくさん救われたようです。忘れ物の時や気持ちが落ち込んだ時、とげの優しさに救われたこと、たくさんあったようです。本当にありがとうございました。
国語のたかしん。娘の謎の自信に的確なツッコミありがとうございます(笑)。たかしんの授業は、娘の知的好奇心をたくさんくすぐってくれました。娘はたかしんの授業が大好きでした!
理科のさこぷーちゃん。娘はさこぷーちゃんのおかげで理科を克服できました。細やかな添削いつもありがとうございます!理科以外のことでも声かけをしてくれたこと。今年度MVPと言ってもらえたこと。娘の自信につながりました!
社会のキャプテン。キャプテンの小話が、娘は大好きで、家でいつも楽しそうに報告してくれました!「キャプテン、保護者会では静かに見えるけど、いつもはもっと面白いよ!」と話してたので、そんなキャプテン見てみたかったです!
算数のじっぽ。5年後半から6年と、算数がじっぽで本当に良かったです。娘は、算数以外でも、じっぽにたくさん支えられたと思います。親のわたしもです。苦手な算数で、最後の伸びを見せたのも、じっぽの支えがあったからです。ありがとうございます。
!娘の挑戦!
1/10 浦和実業学園中学校 特待A合格
1/12 茗溪学園中学校 AC合格
1/20 専修大学松戸中学校(1) 不合格
1/21 麗澤中学校 合格
1/26 専修大学松戸中学校(2)不合格
2/1 品川女子学院中等部(1)不合格
2/1pm 山脇学園中学校 国語一科 不合格
2/2 品川女子学院中等部(2)不合格
2/3 専修大学松戸中学校(3)合格
2/4 品川女子学院中等部(表現・総合)合格
本当にありがとうございました!!
- ※
- 今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。