息子が日能研に初めて行ったのは5年生の夏期講習でした。
転勤族のためそれまで仙台、岐阜とさまざまな地でのびのびと育ってきた息子。5年生の春に関東に引越すこととなり中学受験を意識するきっかけとなりました。とりあえず夏期講習を受けてみて、ついていけなければやめればいい。そんな気持ちでスタートした夏でした。今になって、それがいかに安易な考えであったかがわかるのですが、当時は本当にそんな思いで毎朝のお弁当と送迎をしていました。無知な親子には過酷すぎる夏期講習が終わり、息子に日能研を継続するか確認したところ、「入塾する」と言いました。ここから、本当の受験生となり、息子の挑戦が始まりました。
授業のスピードの速さについていけず、解答どころか答えさえ書きとれないノート。
クラスが変わるたびに、緊張し、友だちができる気配もない日々が続き心配していましたが、少しずつ同じ方面に帰るお友だちができていきました。たった3分間の乗車時間、その時間が息子にとって楽しい時間で、塾にいく目的になっているようで、塾が勉強だけの場所ではない、息子にとって大事な場所になっていることを嬉しく思いました。
季節が過ぎ、長期休みが終わるたびに、宿題の量やレベルが上がり、過去問を意識する頃になると、いよいよ本番が近づいてきたなと感じずにはいられませんでした。しかし息子には年の近い妹と弟がいます。それぞれの家族イベントがあり、私も夫もなかなか息子の勉強に伴走することはできませんでした。特に12月は私の父が緊急入院し亡くなったため、私が家にいない時間も多く、お弁当を買って日能研に行ったり、遅くまで夫の帰りを待ったり、いつも以上に勉強に集中できない日々が続きました。そんなときも変わらずにいてくれる先生と仲間の存在が息子の支えになっていたと思います。6年冬期講習に毎日休むことなくお弁当を二つ準備して、仲間たちと一日中勉強するようになった息子、心と身体に大きな成長を感じた瞬間でした。
1月は喜び、希望、悲しみ、焦り、不安といった様々な感情が押し寄せてくる毎日でした。
試験の合否はもちろんですが、一問ずつ問題を解くたびに、できた喜び、できなかった落ち込みが激しく、それをひたすら受け入れ鼓舞する毎日に親子ともに疲れるときもありました。このレベルの算数では希望するところに合格できないかもしれない、私は息子を応援しながらも心のどこかで常に不合格だったときのフォローや対策を頭で考えていたと思います。でも日能研の先生は違いました。最後まで本当に息子の可能性を信じ、心強い言葉をかけてくださいました。1月受験の不合格で心が折れかけたとき、だれのどんな言葉よりも先生の「信じている」という励ましが息子に勇気をくださり、2月1日に自分の力を出しきれたと思います。私は子どもを信じるという当たり前で難しいことをこのとき改めて学ばせていただきました。息子も私も、あのときの先生の言葉は忘れません。本当にありがとうございました。
中学受験は息子の大きな挑戦でした。やりたいことを我慢したり、犠牲にしたり、この期間に失ったものもあったと思います。しかし、この年齢の受験だからこそ、親子が、そして家族がひとつになって目標に向かって頑張ることができたのではないかと思います。
入試前日の夜、息子は「あっという間だったな、いい経験だったな」と言いました。まだ受けていないだろうとツッコミたくなる気持ちを抑え、私は息子のなかの本番への覚悟を感じて、心が熱くなりました。この1年半で息子は間違いなく、強くたくましくなりました。
これからもいろいろな困難にぶつかるときがあると思いますが、この経験を胸に、乗り越えていってほしいと思います。
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