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学校選択 2010年9月号
~タイプ別学校選びのヒント~
どこが合ってる?男子校・女子校・共学校

~タイプ別学校選びのヒント~
どこが合ってる?男子校・女子校・共学校

学校選びにおいて、選択肢はできるだけ多くしておくのが得策。最初から共学校と決めつけず、先入観なしで情報収集しましょう。学校説明会などで共学校の雰囲気を体験し、お子さま自身の判断で男子校・女子校に志望変更したケースもあります。

中学受験で受験校を決める際、男子校・女子校か共学校かで迷うことがあります。中には、最初から共学校に絞り込んでいる方もいらっしゃると思いますが、男子校・女子校には共学校にはないメリットや魅力があります。独特の校風と確固たる教育理念があるのは私学に共通したことですが、男子校・女子校には異性を気にせずのびのびとした雰囲気の中で思う存分、学習やスポーツに熱中できる環境があります。倫理観や社会生活の常識を重視する学校もたいへん多くあります。考える力、生きる力を育成する必要性が叫ばれる今、男子校・女子校の存在意義を再度認識し、お子さまにとって男子校・女子校と共学校のどちらが真に適しているか、先入観ゼロの地点から比較して考えてみるのもよいのではないでしょうか。

少子化で公立中学校は減少
一方で私立は少しずつ増加

日本における少子化の傾向に歯止めがかかりつつあるように言われていますが、小学校の卒業生数はまだしばらく減少が続きます。
2007年10月1日時点での12歳の人口(2008年春の中学受験の対象者)は120万700人(グラフ(1)参照)でした。

グラフ

以降、12歳の人口は2008年が118万5000人、2009年が119万1000人、2010年が119万6000人となっており、わずかに増加する年をはさみながらも全体として減少する方向にあります。
そんな中、首都圏の中学受験率は上昇し続けています(グラフ(2)参照)。

グラフ

かねてからの公立校の教育に対する不信感もあり、わが子の教育環境は自分たちで選びたいと考える保護者の意識が強くなっているようです。
そんな意識に呼応するように、私立校の数も増えています(グラフ(3)参照)。

グラフ

2009年度、中学校は全国で1万864校。全体で前年度比51校の減少ですが、公立が60校減少しているのに対して、私立は逆に10校増加しています。ほかに国立が1校減少しています。
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の2010年中学受験者数は6万1500人、受験率は約20・3%になりました。09年より微減したものの、いまや5人に1人が中学受験をしていることになります。ここ数年の経済状況の悪化による影響はほとんどなかったようです。

共学化の波が広がる私立中学
東大進学では男女別学が優位

さて、保護者の関心が高まる私立校ですが、ご承知の通り、男子校、女子校、共学校の3タイプがあります。近年、共学化の流れが続いており、2008年には明治大学付属明治など8校が共学校となりました(表(1)参照)。

表

共学校では、男女がお互いを尊重し、平等に役割分担しながら学び、大学や社会でも自然にふるまえるようにとの思いが保護者にも生徒にもあるものと思われます。
ただ、より高いレベルの大学への進学を大きな目標とする場合、男子校・女子校のほうが共学校よりも成果をあげているという事実があります(表(2)参照)。

表

もちろん、より高いレベルの大学への進学だけがすべてではありません。しかし、男子校・女子校にはそのほかにも多くの魅力があります。実際に、現在、男子校に通っている中学生と、その保護者に、その学校を選んだ理由や現状への満足の度合いについて聞いた調査結果からも、さまざまなメリットが語られています(図(1)参照)。

図

これからお子さまの受験校を選択するにあたって、頭から共学校と決めつけず、男子校・女子校の特長にも目を向け、じっくりと検討してみてはいかがでしょう。

男子校・女子校の魅力はココ!
校風 異性に気兼ねなく活動できるのは共通した魅力。さらに学校ごとにさまざまな特色がある。

イラスト 男子校・女子校に共通しているのは、生徒がつねに自然体でいられるということ。男子校は、ざっくばらんで、のびのびしている場合が多いようです。異性を意識しない分、ありのままの自分が出しやすくなります。心身ともに飾らずにつきあえる一生の友ができるケースも多いようです。
女子校においても、ありのままの自分を出すことができ、一生の友ができる点は男子校と同じです。全体に温かい雰囲気の学校が多いようですが、さっぱり系の学校もあります。いずれも、必然的にリーダー役や力仕事も経験することになるので、将来、自立した女性として活躍することが期待されます。
大部分の男子校では男性の先生が圧倒的に多く、女子校の多くでは女性の先生の比率が高いので、それも学校の雰囲気に影響しているといえるでしょう。
生徒と先生との関係作りにおいて、男子校は「行動」に、女子校は「言葉」に、より重きを置いており、それが男子校・女子校らしさにつながっているのでしょう。

行事 伝統校には名物行事がたくさん。行事見学で校風を体感してみることをおすすめ。

学園生活を彩る行事を見ると、校風がわかります。歴史のある男子校・女子校には長い年月にわたって受け継がれてきた伝統行事が多くあります。脈々と続く伝統に関わりつつ、現代に生きる生徒たちがその形を一部変えることで、新たな伝統を築いているのだということを実感するようです。
とくに文化祭や体育祭には名物行事と呼ばれるものが多く、毎年、多くの来校者や卒業生でにぎわっています。校風を知る上で、参加可能な行事にはぜひ積極的に訪れてみたいものです。
男子校の体育祭では、棒倒しや騎馬戦など肉体派の種目が健在です。中1から高3まで通した6学年縦割りでチーム分けをして競う学校もあり、先輩・後輩や友人との結びつきが格段に高まります。体育祭以外では、登山や遠泳、強歩などを行う学校が目立ちます。
女子校の体育祭では、ダンスなど女子教育の伝統を継承する行事が多いのが特徴です。その他、芸術鑑賞や合唱祭も盛んです。

授業 男子まかせができない女子校は積極性を養成。芸術教育に力を入れる男子校も少なくない。

イラスト男子校・女子校とも考える力や表現する力を育成しようとしている点では同じです。あえて共学校との相違点を挙げると、異性がいない分、集中して学習に取り組めるということがいえるでしょう。とくに女子校では実験などの場合も「男子まかせ」ができず、自分たちで取り組まざるを得ないため、積極性が養えます。
とくに難関校では芸術教科を含めた全教科型が多く、自由研究や論文などにおける創意工夫の力を伸ばそうとする傾向が強く見られるようです。
男子校では理数教育に力を入れている学校が目立つと同時に、音楽や美術等の芸術教育が盛んな学校もたくさんあります。剣道や柔道を必修とする学校も多いようです。
女子校の場合、芸術教育のほかに国際教育に力を入れる学校が多く見られます。また、近年は理系志向の高まりもあって、理数教育が盛んな学校も増えています。さっぱり系の学校は体育教育も充実しています。

大学進学実績 男子校は難関校、中堅校とも国公立大志向。女子校は近年の理系志向に対応する学校も。

大学進学に関する指導に関しては、男子校は急進力、女子校は地道な成長を重視した指導を行っています。
男子校はおおむね理系に強い学校が多く、難関校は国公立大へ合格者を輩出しています。中堅校も多くが実績を伸ばしていますが、私大よりは国公立大志向の強い学校が多いようです。
女子校の場合、ひと昔前までは私立大文系志向が強く見られましたが、最近は女子の理系志向が強まっています。それを反映して、理系や国公立大への実績を伸ばしている学校が多くあります。私大では慶應義塾・上智・立教が人気を集めています。

クラブ活動 比較的クラブ数が多く在籍率も高いのが特徴。ユニークな種目、専門家の指導も魅力。

心身の成長に大切な役割を果たすもののひとつにクラブ活動があります。男子校・女子校は伝統校が多いせいか、クラブ数が比較的多い傾向があります。定番のクラブはもちろん、ユニークなものや同好会も多く、また、OB・OGの大学生や社会人が熱心に後輩を指導する例も見かけます。
男子校はクラブに熱中して人間的に成長し、女子校はクラブを介して友人とコミュニケーションをはかる傾向があるようです。

イラスト

(学校選択 2010年9月号 P.1~4より)

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