出題校にインタビュー!
栄光学園中学校
2017年05月掲載
栄光学園中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.2017年度から新校舎での生活がスタート
インタビュー3/3
授業は「解く」「教え合う」ことに時間を割く
井本先生 本校では授業は教員の裁量に任されているので、授業スタイルは様々です。生徒を引きつけようと、各教員がそれぞれ工夫しています。
授業で生徒が行う要素として、「写す」「聞く」「読む」「解く」「教え合う」がありますが、私は写すことは一切させません。板書の内容はプリントで渡します。
聞く作業はよほど興味がないと難しいので、生徒が「聞く」のは私の説明が必要な場合の、必要最小限に留めます。「聞く」なら「読む」作業をしてもらいます。私の説明のスピードなどが、すべての生徒にちょうどいいとは限りませんが、読むのは自分のペースでできます。
授業は、解く・教え合うことを中心にデザインします。本当にわかったかどうかは、生徒が自分で問題を解くのがいいし、友達に教えられるとなおいい。教員が一から十まで手取り足取り教えるのではなく、一を聞いて十を知ることができるように、自分で学べる習慣をつけさせます。
栄光学園中学校
規律は厳しいがやりたいことができる自由な文化
井本先生 本校で過ごしていると当たり前になっていますが、時間厳守など規律が厳しいとよく言われます。遅刻については、1分でも遅れれば遅刻とみなし、2回目は担任の登校指導、4回目は生徒指導部長面談、8回目は校長面談になるので、遅刻数はかなり少ないと思います。
一方、生徒がやりたいことに関して教員は口も手も出しません。その点は自由度が高いと思います。本校の特徴をひと言で言うと「自由」だと思います。各自が個性を発揮できるような、多様性を認める学校文化があります。
栄光学園中学校
世の中の当たり前を疑う目を持つ
井本先生 中高時代に大事なことは、正しいことを疑う姿勢を身につけることではないかと思います。世の中には“正しい”とされていることがたくさんありますが、実は違っていることも少なくありません。正しいとされていることでも、本当に正しいか、無意識に前提にしている根拠はないか、疑ってほしいですね。ちゃんとわかっていない可能性があることを、頭に入れておきたいものです。
新校舎は休み時間に外へ飛び出す生徒が増えそう
今年度から新校舎での学校生活が始まります。生徒さんは楽しみにされているでしょうね。
井本先生 新校舎は鉄筋コンクリートと木造のいいところ取りをしたハイブリッド構造です。教室は天井やロッカーなどを木製で揃えています。木の温かさを感じながら、落ち着いた雰囲気で集中して学習できそうです。
教室の窓が広くなり、これまで以上に空を広く感じられます。1階の中学生の教室は外と段差がないのでフィールドへ簡単に出られますし、廊下から中庭へも出やすい構造です。外遊びがしやすい環境は、生徒の成長にプラスの効果をもたらすと思います。
多面的に理解するためには、直に見て触れるなどして確かめることが重要です。現代はテクノロジーの進歩により、現地に足を運ばなくてもバーチャル・リアリティで“行ったつもり”になれます。それは本物に限りなく近いけれどウソであり、本物とは雲泥の差があります。生徒たちは外に飛び出して五感を通して一次情報を獲得し、学んでいってもらいたいですね。
栄光学園中学校 聖堂
インタビュー3/3