シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

カリタス女子中学校

2017年02月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

カリタス女子中学校の数学科が求めているチカラとは?

カリタス女子中学校/先生
1世の中の出来事を数学的に考えるチカラ

日本の人口減少はみんなが考えなければならない重要な課題です。これを算数の入試問題として、小学生でも解けるように問題化できないかと思い作問しました。
言われたことをやればいいという時代は終わりました。これからは一人ひとりが学びながら、「自分は何ができるか」を考え、行動する姿勢が求められます。この問題がそうしたことを少しでも考えるきっかけになればと思います。

2状況を把握して整理するチカラ

採点していて目立ったのは、同じ誤答が非常に多かったことです。高齢者の割合が「3人に1人」から「2.5人に1人」になるのに25年かかったので、「2.5人に1人」から「2人に1人」になるのも、同じように25年かかるのではないかと発想したようです。
文中の数字だけを追ってしまって安易に答えを出してしまったかなと思います。人口の減少速度や高齢者人口の減少速度など、リード文から状況を把握して整理する力が求められますが、結果として読解力も問われる問題になりました。字面を追うだけでなく、与えられた情報から状況をイメージできる想像力も求められます。

3初見の問題を解く方法にたどり着くチカラ

通常、記述問題は途中式を書かせますが、この問題の採点対象は解答のみとしました。
この問題は段階を踏まえながら解いていかなければならず、思いつきで正解できるものではありません。模範解答のように小学生が筋道立てて説明するのは厳しいと判断し、どんな解き方でもいい、正解にたどり着いた柔軟な発想力を評価することにしました。