シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題意図

桐朋中学校

2016年11月掲載

「こんなチカラを持った子どもに来てほしい」
「こんなチカラを持った子どもを育てたい」
私学のメッセージ(=アドミッション・ポリシー)はココにあった!

桐朋中学校の国語科が求めているチカラとは?

桐朋中学校/先生
1日頃から「考える」ことをするチカラ

本校では生徒が「主体的に考える」授業を行っており、入試問題でも「自分の言葉で書く」ことを課しています。受験生には受験勉強一辺倒ではなく、友達や家族との関係など日常で経験するいろいろなことについて、「考える」ことをしてほしいと思い、この問題を作りました。
「考えて」と言われてもすぐに考えられるものではありません。普段から体験の意味を考えていないと、例を挙げることはできても、残りは本文をなぞることしかできないでしょう。入試対策というよりも、日常生活の中で体験したことを見つめる力が自然と養われているといいと思います。

2新しい視点からさらに考えるチカラ

小学生は「失敗してもいいからやってみよう」という想定内の失敗の経験はあっても、「予期しなかった失敗」の経験は皆無です。このように新しい視点をぶつけたとき、受験生がどのように考えたかも聞いてみたいと思いました。
経験したことがないせいか、「予期しなかった失敗」について触れていない解答が目立ちました。それでも中には、自分の経験をもとに「予期しなかった失敗」の意味を考えた解答もあり、折に触れて考えていることがうかがえました。

3読み手を意識して伝わる文章を書くチカラ

この問題の記述は経験した例を挙げるため、結構長くなることを考慮して、表現力というよりも「伝わりやすさ」を重視しました。つまり、読み手を意識して書けているかどうかです。一文が長くなると文章がねじれやすく、意味がわかりにくくなります。主語と述語のねじれなど文法的なことは入学後に鍛えます。